みなさんの周りの「いつまでも仕事ができない部下」という烙印を押されている人。
こうした人たちは上司、先輩、同僚にとって大きな悩みのタネですよね。
しかし、ほんの少し接し方を変えれば、ひょっとするとエースに化けるかもしれません。
あなたがまだやってない手があれば、ぜひ試してみてください。
仕事ができない部下を戦力に変えるための指導ポイントを解説します。
正攻法
1.叱る
もっとも常識的で最初に思い浮かぶ指導方法は、「叱る」ことです。
もっとも叱って効果があれば、いつまでも仕事ができないという事態に陥ることはないはずです。
上司は部下の心に響く叱り方をする必要があります。
会社や上司の都合ではなく、当人のことを思って叱っていることを理解させることが重要です。
2.自分の仕事をみせる
自分の仕事をみせて「何をどうすればよいか」を学ばせる手もあります。
職人だけでなくサラリーマンでも背中をみせることにより、部下の仕事ぶりを反省させることはできます。
ただし仕事をみせても何も感じない鈍感な部下もいます。
そうした部下に対しては、丁寧に説明することも大切です。
3.繰り返し説明する
物覚えが悪い部下に対しては、根気強く丁寧に繰り返し説明することも大切です。
「何でここまでコイツの面倒をみなければいけないのか」と思うこともあるでしょうが、それをこらえて指導することも上司の仕事です。
4.まかせる(やらせてみる)
失敗するリスクを覚悟して取りあえず仕事をまかせることも一案です。
この場合、一番大事なことは上司である自分がリスクをとっていることを当人に理解させることです。
失敗しても大きなダメージのない仕事を「お試し」で任せても、こういう部下は本気になりません。部下と心中する覚悟をみせて仕事を任せれば、大化けするかもしれません。
課題を与える
5.メモを取らせる
仕事ができない部下は、上司や先輩の指示や指導内容を「何となく聞き流している」ケースが多いはずです。
まず自分がすべきことを具体的に認識させるためにメモを取る習慣を身に着けさせることも重要です。
6.マニュアルを作らせる
メモから一歩進んで業務マニュアルを作らせることも一案です。
定型業務が少ない企画、開発、営業などの分野では、会社が制定した規程やマニュアルに従って行う業務は限られます。
特定の職場・業務で引き継がれている手続きや個人のノウハウを独自のマニュアルにまとめ業務を整理するように指示すれば、仕事に対する理解が深まり戦力として使えるようになる可能性が高まります。
7.資格をとらせる
専門的な職種の場合は資格をとらせてスキルの向上を促すとともに、自信を持たせることも考えられます。
必ずしも資格を必要としない仕事でも関連資格をとらせて自信回復につなげる手もあります。
例えば営業担当者に簿記の資格をとらせて「数字に強い営業マン」という印象を植え付けることが挙げられます。
再教育
8.研修を受けさせる
スキルアップのための研修を受けさせることも考えられます。
業務内容にもよりますが、OJTだけで教育することが困難な仕事もあります。
そうした業務についていけない部下には、基礎的なスキルやノウハウを身に着けるための研修を受けさせることが有効です。
また社外研修への参加は、自らの立場を客観視させる上でも役立ちます。
9.指導役をつける
人は悪くない(仕事に対する意欲がない訳ではない)ものの、成果が上がっていない部下の場合は、指導役をつけて育てることが効果的かもしれません。
新人や若手社員の指導役(メンター)をつけている企業は多くみられますが、本当に機能している例は限られています。
本気で部下を育てるのであれば、指導役の人選や担当させている仕事量の削減などにも配慮する必要があります。
10.以前の仕事ぶりを把握する
前任の上司や当人の異動前の職場の上司(新人の場合は研修担当者)に以前の働きぶりや効果的な指導方法を尋ねることも一案です。
業務内容や職場環境の変化に対応できず仕事ができない部下になってしまう人もいます。
当人が上手く適応できていた時の情報を収集して、対策を練れば劇的に効果が上がる可能性もあります。
アメとムチ
11.おだてる
最近の若手は叱られることに慣れていないと言われています。
打たれ弱い部下については、長所を見出しておだてる手もあります。
自尊心をくすぐられれば、自ら積極的に仕事をするようになるかもしれません。
12.手柄をゆずる
チームで取り組んだ仕事の手柄をゆずり自信を持たせる方法もあります。
役員・幹部への説明(プレゼン)を任せるとか、報告の場で「A君に頑張ってもらい何とか成果を上げることができました」と言うとかです。
部下に花を持たせてやる気を引き出すことは割りと有効です。
13.なだめる
「お前が大変なことは分かる」とか、「君がまじめに仕事をしている姿をみている」とか部下をねぎらうことを言う。
あるいは、「オレも困っている」とか「会社もいろいろ大変なんだ」とか同情を誘うようなこと述べたりして、とにかく自分も頑張らなければいけないという気持ちを持つように促す方法もあります。
14.おどす
従業員の権利や労働環境に対する配慮が行き届いたホワイト企業に甘えて仕事に身が入っていない部下に対しては、「おどす」ことも有効です。
会社が何十年先までも今のような優良企業であり続ける保証はないこと、当人に他社で通用するようなスキルやノウハウがないこと、会社が年功序列型の賃金体系を廃止する可能性が高いことなどを説いて危機感を煽ることも考えましょう。
チーム作戦
15.連帯責任を課す
あまりお勧めできませんが、まともに働いている部下と併せてチームとしての連帯責任を課す手もあります。
仕事ができない部下を放置できない状況を作り、当人だけでなく同僚にも危機感を持たせる手法です。
上手くはまればチームの結束力も高まり実績向上を期待できますが、失敗するとまともな部下のパフォーマンスも低下するので注意が必要です。
16.出世させる(責任を持たせる)
これも劇薬的な手法ですが、仕事のできない部下を敢えて出世させたり責任のある仕事を任せたりすることも考えられます。
上司や先輩に甘えていただけの人物であれば、責任のある立場につくことにより仕事に対する取り組み姿勢が変わる可能性があります。
ただし偉くなったと勘違いするだけで一切仕事をしない恐れもあります。
17.部下を持たせる
出世させることと一部重なりますが、当人の下に指導対象となる部下や後輩を置く手もあります。
自分がしっかりしなければ人を指導できませんので、やる気や危機感を引出す上で効果があるかもしれません。
最後は……
18.放置する
「箸を投げる」というかたちで放置して当人に再起を促す手もあります。
もともと役に立っていない人物なので、放置することにより会社が追加的に被るダメージはほとんどありません。
自分が会社に見切られたということを自覚し奮起してくれれば、儲けものという戦略です。
ただし、「放置される=楽ができる」と考えて喜ぶ可能性があることを忘れてはいけません。
本人に合った指導法を見つけよう
いつまでも仕事ができない部下の指導は骨が折れます。
それなりの学校を出て、会社の就職試験もパスしてきたからには、一定の潜在能力があるハズですが、いざ仕事となると、学校の成績のようにはいかないことは多いです。
しかし、ちょっとしたきっかけ、あるいは仕事を変われば仕事ができない部下も活躍するようになったりします。それはほんの紙一重の差かもしれません。
指導の仕方や職務環境を変えて、こちらも試行錯誤して育てる経験が、あなたの能力を上げることにつながるでしょう。
ダメ社員の烙印を押して切り捨てずに、いろいろな指導法を試してみましょう。
やっぱりこりゃダメだ…という部下のパターンは、
→「使えない部下の特徴。「コイツ使えねぇ!」24パターン」
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部下の問題に振り回されるのは大変ですよね。早く解決しますように。