部下の指導に困っていませんか?
優秀な部下が、自らどんどん仕事をこなし、自然と目標を達成してくれるとありがたいのですが、そんなことはまずありません。
むしろ、「部下が使えない」のは当たり前。
しかし、そんな「使えない部下」に対してぞんざいに接していると、逆に自分が「使えない上司」の烙印を押されてしまいます。
まったく部下の扱いというのは難しいものですが、そんなわがまま社員たちをいかに教育指導するか。
部下の育成方法の大切なポイントを紹介します。
部下の指導法:期待の表明
1.期待していることを伝える
なにはともあれ、部下に「期待している」ことを明確に伝えましょう。
「非常に優秀な部下を配属してもらったと思っている」とか「そのうち◎◎◎(新規事業開発、大口取引先の営業など)を担当してもらいたい」とか。
部下が期待されていると実感できる言葉をかけることが大切です。
「君はできる筈だ」
それで有頂天になる若手もいますが、とりあえず気分よく働くように仕向けることが重要です。
部下の指導法:情報の共有
2.目標を共有する
部や課などの組織の目標と、それに基づく部下の目標を共有することも必要です。
例えば課の月間売上目標が5億円で部下には1億円割り当てるということを明確に示さなければなりません。
部下に対する期待をはっきりと認識させた上で、上司として目標達成に必要な指導や支援を惜しまないと伝えてやる気を高めることが大切です。
3.スケジュールを共有する
目標には必ず達成期限があります。そこから逆算した中間目標や行動計画を立て各々のスケジュールを設定し部下と共有した上で、定期的に進捗状況を確認することが重要です。
行動計画と報告手順を定めれば部下とのコミュニケーションも安定するため、いろいろな指導もしやすくなります。
4.情報を共有する
部下が適切に働く上で必要な情報をきちんと共有しましょう。
社内のこと、社外のこと、業務のことなど、通常、上司は部下よりも多くの重要な情報について知っていますが、それらを小出しにして権威を保つことはやめましょう。
こうした対応は上司の万能感を高めますが、一方で部下は卑屈になったり不快に思ったりします。使えない部下の意欲を高める上では逆効果にしかなりません。
部下の指導法:風通しをよくする
5.コミュニケーションの方法を整備する
「何かあれば遠慮せずにいつでも言ってきなさい」という上司は多いですが、これだけでは部下が気楽にモノをいえません。
上司が忙しいことは部下にも分かります。遠慮がちな性格であれば声をかけるのも気が引けてしまい、結果「報告はどうした!」と叱ることになってしまいがちです。
定期的なミーティングを行う、週報・日報に相談事を記載する欄を設けるなど、部下が上司の繁忙ぐあいを気にせずに相談できる手段を整備することで解決できます。
報告、相談、連絡をおこたる部下を使えないと切り捨てることはたやすいですが、その前に、部下が報告などを行いやすい環境の整備を行うことが大切です。
6.指導役を任命する
新入社員など、まだまだ育成余地が大きい部下には、指導役の先輩社員を指名することが重要です。
上司へ報告する前に相談できる人物が明確に決まっていれば部下も安心します。
上司も部下の子供のような質問にいちいち対応しなくて済みますので、適切な頻度、レベルのコミュニケーションがとれるようになり、“怖くて話しかけられない上司”になることも避けられます。
部下が即戦力として使えないにもかかわらず、指導役の適任者も見当たらない場合は、人員の配置ミスです。人事部に配置転換や補充の相談をしましょう。
部下の指導法:作業と成果の評価をする
7.進捗状況を確認し、評価する
部下の仕事の進捗状況を定期的に確認・評価することも重要です。
部下を評価する際には成果(アウトプット)と作業(インプット)を明確に分ける必要があります。
一般的にはまず新規売上高1億円という成果目標(アウトプット)を立てた上で、それを達成するために新規顧客訪問100件という作業目標(インプット)を設定します。
その作業を計画通りに実行しているか否かを確認・評価することが大切です。
8.成果の確認・評価
部下および会社は最終的に成果目標の達成を目指し活動しています。
計画通りに仕事(作業)を進めても成果に結びつかなければ意味がありません。
頑張ったこと(作業をやり遂げたとこ)と最終目標を達成したこと(予定通りの成果を上げること)を分けて評価するようにしておけば、十分な成果を得られなかったときに適切な改善対応を考えることができます。
部下の指導法:結果を検証し改善させる
9.改善策を考えさせる
月次、年次などの一定期間に最終目標を達成できなければ、改善対応が必要になります。
その場合、まず部下に改善策を検討させましょう。部下が自ら改善策を考えなければ、指示待ちの姿勢は変わりません。自分で考え行動できる人材に育つ上で避けて通れない道だとさとすことが大切です。
部下が改善効果をあまり期待できない案を作成したときにも、まずは失敗を承知の上でチャレンジさせてみましょう。
単純ミスが多い、いつもクレームになるなども、当人に原因・対処法を考えさせることが大切です。
10.改善対応のフォロー
部下が有効な改善策を立案できない場合は、上司が方向性を示さなければなりません。
部下が困っているときに手を差し伸べず、叱り飛ばすだけの上司はいずれ見限られます。
何度やってもダメな場合は上司が具体策を示すことも大切です。
少しのヒントできっかけをつかみ、一気に成長カーブが上向くこともあります。
なかなかできるようにならない部下に、辛抱強く指導していくのも上司の大切な仕事です。
即戦力の部下などいない!
新しい職場に配属されたその日から即戦力として働くことができる人材は、あまり多くありません。
プロスポーツ選手でもチームを移籍しただけで成績がガタ落ちすることも珍しくないわけですから、他社で実績を積んだ中途採用者が職場に馴染めず期待通りの成果を上げられないことも多々あります。
部下は上司や会社の支援があってはじめてなんとか戦力になると考え、広い心をもって部下の成長を支援しましょう。
ミスを繰り返す部下の指導方法は、
→「仕事のミスが多い人の指導方法。ミスを減らす12の対策」
部下の育成で自信がついたら自分のキャリアアップも、
→「年収1000万円超えの転職を目標にしている人のための転職サイト!」
部下を優秀な人材に育て、あなたの上司・管理職としての評価があがりますように。