人の「心」を救う仕事一覧| 苦しんでいる人を助ける資格とスキルを習得するには?

職種別の仕事内容

人の心を救う仕事といえば、精神科医をはじめとした心理学に関係した仕事がまず思い浮かびますよね。

それ以外にも各種のカウンセラーなど、さまざまな職種の人が人の心を救うという目的のために仕事をしています。

統計によると、2016年の日本の自殺者数は2万1897人で、10万人当たり19.5人となっています。

この数字をフランスの15.1人、アメリカの13.4人、ドイツの12.6人と比べると、先進国の中でも悩みを抱えた人がたくさん国であると推測できます。

そんな悩んでいる人たちの精神面でのサポートを行う仕事には、どのようなものがあって、どうすればそこにたどり着くことができるのでしょうか?

この記事では人の心理的な側面を助ける仕事をリストアップし、その仕事の内容と必要とされる資格などを紹介します。


人の心を救う仕事と「資格」の取り方

資格がなくても、心を救うなんらかの仕事に就くことはできます。

しかし、資格がないと就職できない仕事や、資格があればより良い条件で働ける仕事があります。

ここでは主な資格の取り方を簡潔に紹介します。

⒈ 医師(精神科医・心療内科医)

精神科医

精神疾患、たとえば不安、不眠、イライラ、抑うつといった心の不調を扱う医師です。

生物学、心理学、社会学など幅広い側面から原因を探り、カウンセリングや投薬治療を行います。

大学の医学部(6年間)を卒業し、医師国家試験を受けて合格することが必要です。

さらに試験合格後に2年間の臨床研修を終える必要がありますので、かなり難しい資格と言えるでしょう。

心療内科医

精神的、心理的な問題から胃痛や蕁麻疹、喘息など身体的な症状が現れる「心身症」、摂食障害やPTSD(心的外傷後ストレス)などを主に扱う医師。

精神科医と同じく医師免許と臨床研修が必要ですので、ハードルの高い職業です。

⒉ 医療系心理カウンセラー

公認心理師

2017年に新設された国家資格で、初めての認定試験が2018年に実施されます。

保健医療、福祉、教育など幅広い分野で、心理アセスメント、カウンセリング、心理療法などを行うことが想定されています。

厚生労働省が実施する試験に合格する必要があります。

受験資格は大学と大学院で公認心理師に必要な科目を修了している人、大学で公認心理師に必要な科目を修了し、一定期間の実務経験のある人などとなっています。

臨床心理士

心理テストやその結果を読み解く方法、カウンセリングなどに精通し、相談者の個別事情や独自の背景に応じて心のケアを行います。

公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する、資格審査に合格することが必要です。

主な受験資格は、指定大学院で所定の条件を満たした人、臨床心理士養成の専門職大学院を修了している人、医師免許取得者で取得後、心理臨床経験が2年以上ある人などとなっています。

資格を取ると、「臨床心理士」として医療機関などで働くことができます。

精神対話士

高齢者、病人、引きこもりの人、対人関係で悩む人、介護に疲れた人、事故や震災の被災者、重病患者など、精神的に落ち込んでいる人やストレスに打ちひしがれている人に、対話を通して精神の安定をもたらします。

一般社団法人メンタルケア協会の試験を受けて、認定してもらう必要があります。

認定心理士

公益法人日本心理学会の認定を受けることが必要です。

資格の申請には、大学で心理学系学士号を取得している必要があります。

臨床心理士と違って、職業に直結する資格ではありません。

つまりこの資格を持っていても「臨床心理士」として働くことはできません。

学校心理士

一般社団法人学校心理士認定運営機構・日本学校心理士会が実施する、試験と審査に合格することが必要です。

主な受験資格は、大学院で学校心理学関係の単位を修了かつ修士過程や専門学位過程を修了し、学校心理学に関する専門的な実務経験を1年以上持っている人、大学卒業後、学校心理学に関する専門的な実務経験が5年以上ある人、などとなっています。

臨床発達心理士

一般社団法人臨床発達心理士認定運営機構が行う、試験と審査に合格する必要があります。

資格には発達心理学関係の大学院に在籍中の人向けのタイプⅠ、大学院修了や学部卒者向けのタイプII、研究者向けのタイプIII、厚生労働省が認定する公認心理師を持っている人向けのタイプⅣがあります。

⒊ 人生相談・電話カウンセリング

人生相談

ラジオや雑誌、新聞などに掲載される人生相談のコーナー。

回答者は作家やタレント、学者などであることが多く、一般の人が回答者になることはまれです。

いのちの電話相談員

全国に49のセンターがある「命の電話」は、約6500名の相談員が悩みを持つ人からの電話相談を受け付けています。

相談員になるには、各センターに申し込み、所定の研修を1年半から2年受講します。

プライバシーを扱うことから守秘義務など規則の厳守が課せられ、かなりの責任感が必要です。また、相談員はボランティアなので、収入は発生しません。

電話カウンセリング

10分1000円や1分100円などの有料の相談サービスも登場しています。

相談内容は、ダイエットから貯蓄・投資、キャリアや離婚相談など幅広く、中にはひたすら話を聴いて、相談者と継続的な人間関係を作ることに重点を置いたサービスもあります。

回答者は心理カウンセラーやセラピスト、ファイナンシャルプランナーなど専門知識を持った人で、サイトでプロフィールを見ることができます。カウンセラーになるには、それぞれの分野の公的資格や実務経験が必要となるようです。

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活躍する場面別「心を救う仕事」

1. 社会福祉士

体や心、経済的な面で問題をかかえて、日常生活を営むのが難しい人の相談に乗ります。

必要に応じて、医師や行政の保健サービスなどと協力して、精神面だけでなく生活面からも支援を行っていく専門知識を持った人です。

社会福祉士は国家資格で、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する試験に合格することが必要です。

受験資格は福祉系大学で指定科目を履修して卒業した人、一般大学を卒業後、専門学校で指定科目を1年間学んだ人、高卒などで相談実務の経験が4年以上あり、専門学校で指定科目を1年間学んだ人などとなっています。

2. スクールカウンセラー

学校で不登校や問題行動などを起こしている生徒の相談に乗り、助言する仕事。

資格がなくても任命されればその職につけますが、臨床心理士、学校心理士、認定心理士、臨床発達心理士などの有資格者が望ましいとされています。

3. キャリアカウンセラー・産業カウンセラー

自分に向いている仕事は?会社で実力を評価してもらうにはどうしたらいいの?など、働く人のキャリアに関する課題や問題の相談に乗り、助言します。

企業や派遣会社、大学や専門学校、行政機関など幅広いフィールドで活躍しています。

国家資格のキャリアコンサルタントや、一般社団法人 日本産業カウンセラー協会が認定する、産業カウンセラーなどがあります。

4. キャリアコンサルタント

2016年4月から国家資格となり、厚生労働省の登録機関が実施する試験に合格し、登録すると「キャリアコンサルタント」として活動することができます。

受験資格は、厚生労働大臣が認定した講習を修了した人、企業などでキャリアコンサルティングの実務経験が3年以上ある人、などとなっています。

5. コーチ

メンタルトレーナー

スポーツや芸術、教育やビジネスなどで目標を定めた人が、その達成に向けて努力できるよう、相談者のメンタル強化を行い、心理面から目標達成をサポートする仕事。

国家資格はありませんが、いくつかの民間団体が資格認定を行っています。専業でやっていくには実績を積む必要があり、なかなか厳しい道のりです。

コーチング/メンタリング

スポーツのメンタルトレーナーとも共通する部分がありますが、こちらは人生経験豊かな人やビジネスに精通している人などが、相談者の話に耳を傾け、アドバイスをしたり、意欲を引き出したりしながら、その人の意識改革やキャリア育成を支援する仕事。

コーチングは具体的な目標達成のための技術指導、メンタリングは考え方や生き方など人的指導の側面が強いという違いがあります。

たとえば、野球のバッティングコーチで現役時代の成績はそれほどでもなくても、教えるのが上手い人がいます。

こう行った人から受ける指導はコーチングになります。

一方、名選手など自分が目標とする人から、体の作り方や食事や生活リズム、野球に対する考え方などを聞いて自己啓発をするのは、メンタリングになります。

コーチングやメンタリングはおもにビジネス系の研修や講習、セミナーなどで学ぶことができ、コーチやメンターとして認定をしている民間団体もあります。

6. 心理カウンセラー

大まかに分類すると、医療系で活動しているのが臨床心理士、教育現場で活動しているのが学校心理士、ビジネス現場で活動しているのがキャリアカウンセラー、行政と連携しているのが社会福祉士ということになります。

一方、恋愛や人間関係など日常の悩み、ストレスや気分の落ち込みなどに対応しているのが、いわゆる心理カウンセラーです。

資格がなくても人生経験を生かして心理カウンセリングをしている人はたくさんいます。知識の裏付けが欲しい人は、大学の心理学関係の通信講座、メンタル心理カウンセラーやメンタル心理士といった、民間資格取得講座などを検討するとよいでしょう。

学習期間にもよりますが、費用は数万円から十数万円までと幅があります。



7. その他の心を救う仕事

セラピスト

セラピストは心身の病気や障害をケアしますが、こうしたセラピー(治療)にはさまざまなものがあります。

たとえば、動物との触れ合いを通して、悩みを持つ人の心のケアをすることは、アニマルセラピーといいます。

花やフルーツ、ハーブなどの香りを通して人を癒すことは、アロマテラピーといいます。

多くは民間団体が資格認定を行っており、その資格だけで自立するのは難しく、ほとんどの人は他の仕事と掛け持ちか、その資格を本業に生かすなどしている場合が多いようです。

音楽療法士

精神や身体に障害を持っている人が音楽を聴いたり、歌を歌ったりすることで心や体を癒すなど、音楽の効果を熟知したケアを行います。

日本音楽療法学会や全国音楽療法士養成協議会など、民間の団体が講座と資格認定を行っています。

医療現場や福祉施設で働いている人が多いのですが、音楽療法のみで自立するのは難しいため、大半の人は臨床心理士など他の仕事と兼業しています。

音楽療法士になるには、日本音楽療法学会が行う試験と審査に合格するか、全国音楽療法士養成協議会が認定している大学などで所定の科目を修了し、認定してもらうという方法があります。

スピリチュアルカウンセラー/スピリチュアル心理カウンセラー/ヒーラー

専門資格によらずに、日々のちょっとした悩みに対して、霊や魂、占いなど科学で実証されていない神秘的な手段を使ってアドバイスを行う仕事です。

特に資格は必要ありませんが、トレーニングを通して霊的な能力を高める講座を開き、資格認定を行っている民間団体もあります。

「スピリチュアルカウンセラー教室」、「スピリチュアルカウンセラー通信講座」、「スピリチュアルヒーラー養成」などで検索すると、たくさんの結果が表示されます。

いろいろな団体や個人があり、受講料やシステムもまちまちです。団体の成り立ちを調べたり、主催者のプロフィールや著書を読んだりして、自分に合いそうなところで学ぶようにしましょう。

スピリチュアカウンセラーとして成功するには、感受性や社交性、コミュニケーション能力など高い対人関係能力が必要といわれています。

占い師

占いは古くは神様の意思を尋ね、未来の出来事や作物の出来具合を予測するなど、生活や政治に欠かせないものでした。

ブリタニカ国際大百科事典によりますと、占いには「自然界に現れる前兆による自然的なものと、道具や方法によって人が前兆を作り出す人為的なものがある」とされています。

自然的な占いには、動物や植物、天体の変化を観察するもの、人為的な占いには、たくさんの細い竹の棒「ぜいちく」やタロットカードを使うものなどがあります。

なじみが深い占いには、おみくじや雑誌に載っている占星術をはじめ、手相、姓名判断などがあります。

占い師になるには特に資格は必要ありませんが、資格認定をしている民間団体もあります。

占いを学ぶには、教室やスクールに通う、あるいは通信講座をとるなどの方法があります。

例えば、「占い教室」で検索するとたくさんの教室やスクールが出てきます。全国規模で展開しているところや、数術やタロット、手相、占星術までいろいろな講座を開いているところ、開業までのノウハウを伝授するところまであります。

「東京」や「名古屋」など地名を追加して検索すると、地域のスクールも表示されます。

「占い通信講座」で検索すると、通信講座やe-ラーニングなどいろいろな占い講座が表示されます。

動画で学べるもの、自宅で学んで資格認定してくれるコースもあります。

学歴や年齢、性別に関係なく始められますし、通信講座なら自分の都合に合わせて勉強できるので、まずは趣味として始めて見るのもいいかもしれません。

向いている人、向いてない人

見てきたように、心を救う仕事といっても、資格が必要なものから比較的手軽に始められるものまでいろいろなものがあります。

しかし、全ての人がこの仕事に向いているというわけではありません。

性格や経験などから向き不向きを探ってみましょう。

向いている人

・心理学に関心がある
・人の苦しみに共感できる
・悩みを聞くのが好き
・人の役に立ちたいという気持ちが強い
・自分自身で心の悩みを経験し、克服したことがある
・温かく、優しく、思いやりのある性格である
・精神的にしっかりとし、落ち着いている

向いていない人

・人とのコミュニケーションが苦手
・人間に関心が薄い
・短気・せっかち
・自分の意見を押し付けてしまう
・過去に努力や苦労をしたことがない
・自己中心的/相手を否定したがる

いかがでしたか?人の心を救う仕事をするためには、人に興味があり、相手を思いやる気持ちがあり、自分で悩みを克服した経験があることなどが大切といえるでしょう。


人の心理面を助ける方法はさまざま

心理面でのサポートを行う仕事は、少しのトレーニングで始められるものから広義な専門知識が必要とされるものまであります。

まずは興味のある分野や職種を探ってみましょう。

そして、自分のやりたい分野が見つかったら、その勉強を始めてみましょう。

世の中には悩んでいる人はたくさんいます。

仕事によっては働きながら勉強を続けることもできますし、専業が難しければ、趣味や副業で始めてみるのもよいでしょう。

ぜひ、人の心を救う仕事で活躍して、多くの人を救ってください。
 

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あなたが精神的に苦しんでいる人を助ける仕事につけますように。