仕事のストレスは、転職を決断するもっとも大きな理由です。
人間関係の悪化、長時間労働、低賃金などを理由に転職する人は大勢いますが、これらはストレスと密接に結びついています。
-
- 「性格が合わない同僚はいるが、あまり気にならない」
-
- 「長時間労働だが充実した気持ちで仕事に励んでいる」
- 「給料は安いがやりがいを感じている」
といった人は転職しません。
マイナス要因がストレスにつながっているので転職したくなるのです。
ここではストレスのない仕事の特徴と、そうした仕事を見分けて正社員として転職するためのポイントをご紹介します。
ストレスのない仕事の特徴
1. ノルマのない仕事
販売、生産を始め多くの仕事には数量目標(ノルマ)が設定されています。
会社や職種により差はありますが、あまりにもきつすぎるノルマはストレスの原因になります。
一方で数量による成果を求められない仕事もあります。
電話番、来客対応、オフィスや倉庫の開閉・鍵管理、郵便物・FAXの配布・回収、消耗品の発注・管理、顧客名簿の管理、請求書の作成、役員の送迎などには通常ノルマがありません。
2. 変化が少ない仕事
常に何が起こるか分からない仕事には、精神的に大きな負担がかかります。
例えば株式のデイトレーダーは取引所が開いている間は絶えず相場動向をチェックして最適なタイミングで売買しなければならないため、非常に大きな負荷がかかります。
それに対し仕事の流れが大筋で決まっているルーティンワークは、繁忙期の作業量も含め事前に仕事の内容や量を予測できるため余分なストレスがかかりません。
3. 残業が少ない仕事
毎日のように早朝から深夜まで働き頻繁に休日出勤を強いられれば、体調も精神状態も悪化します。
ブラック企業でロクに休みも取れなければ心身ともボロボロになります。
その一方で従業員の健康管理に対する意識が高い会社で働く人や勤務時間が明確な仕事をしている人は長時間労働を避けられるため、精神的、肉体的に過度な負担がかかることはありません。
4. 一人でできる仕事
人間関係もストレスの原因になります。
上司、同僚、顧客との接点が少なく裁量が大きい仕事であれば、人間関係に起因するストレスを大幅に減らせます。
自分の判断で好きなように営業できるタクシードライバー、自宅や喫茶店でも仕事ができるプログラマーなどは、人間関係に気を使いたくないという理由で仕事に就く人が少なくありません。
5. 身分・収入が安定している仕事
社会的な身分が安定していて収入にも恵まれている人は心にゆとりがあります。
同じ職場で似たような仕事をしていても給与水準が低く有期契約の非正規雇用者は、正社員より大きなストレスを感じることが多いのではないでしょうか。
公務員などでも連日激務に追われ多大なストレスを感じている人はいますが、少なくとも身分や安定面で大きなストレス要因になることはさほどありません。
ストレスのない仕事を見分けるポイント
ストレスの度合いは会社、職種、個人の状況により異なります。
「●●職ならストレスフリー」とか「××社では全員がイキイキと働いている」ということはありません。
しかし、ストレスを抱える人が多い職場のサインを見分けることは可能です。
ここでは転職サイトの求人情報に表れるストレスサインのチェック方法をご紹介します。
1. 業種
大学生の人気の低い業種、新卒者離職率の高い業種、ネットに多くの悪評が流布している業種は総じてキツイ仕事です。
長時間労働という点だけでみればマスコミ、金融、中央官庁などの人気業種にも当てはまりますが、それに加え給与水準が低い外食、小売、物流などは一段と大きなストレスを感じる恐れがあります。
2. 事業内容
事業内容からストレス度合いを推測することもできます。
まず「下請的」な仕事をする企業は可能な限り避けましょう。
「下請的」とはゼネコンの下請けで電気工事や内装工事などを行うような会社だけでなく、特定の取引先に対し従属的な関係で納品することにより収益を得ている企業を含みます。
例えば、テレビ番組制作会社やコンビニに惣菜を納品する企業などが当てはまります。
商社、ゼネコン、完成品メーカー、広告代理店など商流の上層部分で仕事ができる企業の方が理不尽な要求を受けることが少ない分だけストレスが減ります。
3. 職務内容
会社の事業概要や職種内容を簡潔明瞭に説明していない募集案件は要注意です。
何をしているかよくわからない会社は、経営方針が不明確でまとまりのない組織になっている可能性が高いと考えられます。
募集職種の内容が具体的かつ分かりやすく示されていない案件は、漠然と人員補充を考えているケースが大半です。
経営方針や業務内容が不明確な職場へ転職すれば、余計なストレスがかかります。
やるべきことを明確に理解できる案件に応募しましょう。
4. 職務権限
「社長の右腕となる人物を探しています」とか「経営の中枢を担う幹部候補生の募集です」とか抽象的な表現のみの案件には注意が必要です。
「経理部長として経理、資金、税務の日常業務を統括して頂きます」とか、「営業所長としてテリトリー内の営業活動全般の責任を負って頂きます」とかタイトルと権限が明確に分かる案件でなければ、「忖度」を求められることもあるためストレスが溜まります。
5. 給与体系
基本的に実績給や能力給の比率が高い仕事に就けば、ノルマ達成のプレッシャーが強く多大なストレスを抱えることになります。
「がんばれば年収1,000万円も夢ではありません」とか「若くても高い給料を稼ぐチャンスがあります」とか、高収入の可能性を強くアピールしている求人案件は遠ざけることが無難です。
6. 募集人数・頻度
常時多数の人材を募集している会社は社員の入れ替わりが激しく、ストレスの多い職場だと考えられます。
どんな求人サイトでも常時募集している案件や会社は気をつけましょう。
一定期間、求人サイトを眺めていれば、そうした会社は目につくはずです。
たとえ条件がよくても応募すべきではありません。
7. 社員の平均年齢
極端に社員の平均年齢が低い会社は要注意です。
恐らく離職率が高い会社だと思われます。
概ね平均年齢が35~42歳程度の会社が無難です。
ベンチャー企業でも若手社員しかいない会社は組織力が弱いこともあるため、当たり前のことが通じないストレスを感じることもあります。
8. 社員の平均勤続年数
社員の平均勤続年数を公表している会社の場合、社歴と比べ極端に短すぎないかどうかチェックしましょう。
一般的には22歳に平均勤続年数を足した年齢が35~42歳程度となり、平均年齢に近い会社が望ましいと言えます。
創業間もないベンチャー企業を除き平均勤続年数が短い会社は、大きなストレス要因となる何らかの問題を抱えているはずです。
9. 福利厚生
一般的に福利厚生制度が充実している会社は社員の満足度が高く、ストレス度合いも低いと考えられます。
ただし社員食堂やクラブ活動など目につきやすい福利厚生制度に力を入れている会社には注意しましょう。
そうした会社は人間関係が濃密で飲み会が多かったりプライベートに干渉されたり、人によってはそれがストレスになることもあります。
業種、職種、そして最後は企業の風土をみよう
仕事をしている限り、ストレスはつきものです。
しかし、うまく職場を選べば余分なストレスを減らせます。
そもそもストレス・プレッシャーの大きい業種や職種をまずは避けること。
そして、転職の際には、面接時・入社前に実際に働くことになる職場を見学して、自分が居やすい雰囲気な職場かどうかを肌で感じてみることも大切です。
自分のストレスの要因が何かを考えて、それを回避できる可能性の高い職場の特性を整理して転職活動をすれば気持ちよく仕事ができる可能性が高まります。
生活のために我慢して仕事をするという面もありますが、自分に適した仕事や職場を選ぶこともできるのでよく考えて転職活動に励みましょう。
精神的に楽な仕事の具体例は、
→「精神的に【楽な仕事】30|簡単でストレスの少ない<正社員>の仕事」
あなたがいま感じているストレスが、新しい仕事で少しでも緩和しますように。