諭旨退職した人の再就職。退職条件に応じた戦略立案が大切 | はたらくす

諭旨退職した人の再就職。退職条件に応じた戦略立案が大切

諭旨退職 再就職 再就職

諭旨退職(ゆしたいしょく)とは、懲戒処分の中で懲戒解雇より一段軽い処分です。

企業によっては「諭旨解雇(ゆしかいこ)」という言葉を使います。

    諭旨退職 : 企業が問題行為を諭して退職を促すこと
    諭旨解雇 : 企業が問題行為を諭した上で解雇すること

つまり、諭旨退職は懲戒処分に相当する理由があるときに自主的な退職を促す制度です。

会社が温情で自主退職を認めるものなので、期限内に退職届を提出しなければ懲戒解雇になります。

従業員が自主的に辞めるか、強制的にクビを切られるかという違いになります。

実質的には強制解雇ですが、表面的には自主退職を装う場合に使われることが多いでしょう。

そのため、就業規則上の定めのない企業も多くみられます。

諭旨退職の内容は企業により異なるため、就業規則の規定を確認した上で退職後の再就職戦略を考えることが重要です。


諭旨退職の条件確認

1.懲戒処分

懲戒処分であれば、就業規則に諭旨退職が規定されているはずです。

その場合、退職金の不支給や減額があるだけでなく、再就職時に提出する履歴書に懲戒処分を受けたことを記載しなければなりません(それをごまかすと経歴詐称になります)。

逆に懲戒処分でなければ、通常の自己都合退職と何ら変わりはありません。

ここはもっとも重要な点なので必ず確認しましょう。

厚生労働省のモデル就業規則第61条では、懲戒処分を①けん責、②減給、③出勤停止、④懲戒解雇の4種類に区分しています。

2.社内開示

懲戒処分の場合、その理由を社内に開示されるか否かを確認することも大切です。

伝統的な大企業では、懲戒処分の旨を明示することが多いようです。

しかし、就業規則で開示要否まで定めているケースは稀です。

3.退職金支給

  • 就業規則
  • 給与規程
  • 退職金規程

上記の内容で、諭旨退職に関する規定があるか否かを確認しましょう。

何の規定もなければ、自主退職の場合と同様に満額支給されるはずです。

退職金額は転職活動にも影響しますので、退職届を提出する前に必ず確認すべきです。

4.有給休暇の消化

諭旨退職を勧められる身で、有給休暇のことを口にするのは非常識だと思う人もいるかもしれません。

しかし、退職後の生活や転職活動のことを考えると曖昧にすべきではありません。

有給休暇をすべて消化できれば、1か月程度は休めるはずです。

とくに社宅に住んでいる人にとっては、有給休暇を消化できるか否かは大きな問題になります。

5.雇用保険の受給日数

会社が離職票に記載する離職理由が「希望退職の募集又は退職勧奨」など会社の経営状況や社会情勢などにより仕方なく退職したと認められるものであれば、特定受給資格者と認定され給付日数を長くできる可能性があります。

これは「重責解雇」や「転職希望による自己都合退職」などでは適用されません。

ただし、通常は会社が労働基準監督署に悪印象を与えかねないリスクを取ってまで、実態と異なる退職理由を記載することはありません。

スポンサードリンク

諭旨退職への対処方針

1.諭旨退職に応じるべきか

諭旨退職に応じる理由はないと拒否する自由もあります。

しかし、そうすれば懲戒解雇になる可能性が高いでしょう。

一般的に解雇事由となる問題行為を認めざるを得ない場合は、諭旨退職に応じるメリットが大きいと考えられます。

2.懲戒処分としての諭旨退職を受け入れるべきか

一番重要なポイントは、懲戒処分を受け入れるか否かの判断です。

諭旨退職が懲戒処分でなければ、表面上は無傷で退職金も満額支給されることを考慮して受け入れるという戦略は十分に考えられます。

仮に退職するほどの問題がなくても、諭旨退職を勧告された段階で会社に居づらくなります。

当然、出世の道も閉ざされます。

不本意でも、名を捨てて実を取るということも検討すべきです。

3.諭旨退職の事実を隠蔽すべきか

諭旨退職が懲戒処分であれば、転職活動の際にその旨を伝達すべきです。

懲戒処分発覚する可能性が高い上に、申告しなければ経歴詐称と認定されるからです。

一方、形式的に自主退職と同じ場合は、転職先などに開示する必要はありません。

「懲戒解雇されたのではないか?」と問われたときにそ知らぬ顔をしても大丈夫です。

懲戒処分でも正式に社内開示されていなければ、黙っていて構いません。

仮にウワサになっていても会社がその事実を認めることはないため、円満退職で押し通せばよいのです(ただし、何らかの事情で事実が判明すれば経歴詐称と判断されます)。

諭旨退職後の転職戦略

1.自己都合退職とほぼ同条件の人

諭旨退職 自己都合退職と変わらない

  • 非懲戒解雇
  • 退職金の満額支給
  • 有給休暇の消化が可能

など一般的な自己都合退職のケースとほぼ同条件で退職できれば、腰を据えて転職活動に臨むことができます。

    「異なる会社で仕事をすることによりスキルアップを図りたい」
    「ひどいイジメにあって退職せざるを得なくなった」

など、誰もが納得するような理由を考えて転職活動に励みましょう。

2.過ちに対し処分が過大な人

諭旨退職 処分過大

厳密に言えば会社の経費で購入したボールペンを自宅に持ち帰ったり会社でスマホの充電をしたりすれば、横領罪に当たります。

通常はその程度のことで懲戒処分を下されることはありません。

しかし、会社が何らかの意図を持っていれば、そうした「微罪」を理由に懲戒することがあります。

過去の事例や同僚への対応などからみて自分が過大な処分を科されようとしているときは、諭旨退職を拒絶して戦いながら再就職先を探す道もあります。

3.経済的な余裕がない人

諭旨退職 再就職 金欠

  • 退職金が満額支給されない
  • 有給休暇を消化できない
  • すぐに転居しなければならない
  • 雇用保険を長期間受給できない

などの理由から経済的な余裕がない人は、すぐに再就職するしかありません。

ハローワーク、非正規雇用者紹介サイト、バイト・パート情報サイトなどの積極的な活用も視野に入れる必要があります。

4.過ちを全面的に認める人

諭旨退職 過ちを認める

  • 横領・着服・横流し
  • セクハラ・パワハラ
  • 危険運転・飲酒運転
  • 長期欠勤・休職
  • アルバイト・副業
  • 政治・宗教活動
  • 機密情報の漏洩
  • 経歴詐称

などの過ちを全面的に認めざるを得ない場合は、自分のことを知っている人がいる業界や地域での転職活動は避ける方が無難です。

懲戒処分でない場合も、退職理由がウワサになっていると考えるべきです。

転職活動を行う際には、その影響を考慮して業界・職種・地域などを考えることが重要です。

ネガティブな情報を打ち消す自信があれば別ですが、基本的にはウワサが及ばないところで転職活動をすべきです。

5.諭旨退職が知れ渡っている人

諭旨退職 知れ渡る

諭旨退職の事実が広く知れ渡っている人は、その妥当性の如何にかかわらず再就職には相当苦労すると思うべきです。

冤罪事件なども同じですが、大多数の人は役所や会社など権力を持つ体制側の意見を信用します。

自分に大きな問題がないと思っていても、「問題を起こしてクビになった人」というレッテルは簡単に剥がせません。

6.上司・同僚・部下にハメられた人

諭旨退職 はめられた

業務上の事件・事故や成績不振などの引責で諭旨退職せざるを得なくなった人の中には、上司・同僚・部下にハメられて一手に責任を負わされた人もいるはずです。

こうしたケースでは、自分の正当性を主張することも考えるべきです。

面接の場で自分がハメられたことを強調すると相手は警戒しますが、必要に応じ自己主張できるように準備することは大切です。

7.会社にハメられた人

諭旨退職 会社にはめられた

  • 経営状態の悪化
  • 内部告発の隠蔽
  • セクハラ・パワハラ被害の隠蔽
  • 大事件・事故責任の押しつけ

など、会社の都合でスケープゴートにされて退職へ追い込まれる人もいます。

会社としては退職させたいものの、その根拠が薄弱なため諭旨退職を勧めてきます。

こうした事情で退職した人は、会社の都合で辞めざるを得なかった事実を客観的な証拠に基づき説明できるように準備することが大切です。

ただし、語り過ぎないように注意しましょう。

舌鋒鋭く前の会社を批判する人は、自社にも同じことをすると思われるリスクがあるからです。


諭旨退職した人の再就職は容易ではない

親や親戚が経営する企業に転職するケースを除けば、簡単に再就職先は見つからないと覚悟すべきです。

しかし、諭旨退職で人生が破滅する訳でもありません。

その重みを冷静かつ客観的に理解した上で、転職活動に励めば必ず活路を見出せます。

自分自身の非行か会社都合の押しつけかに拘わらず、極端に悲観することなく落ち着いて転職活動を進めましょう。

 
「諭旨退職にする」と言われた時の対処方法

 
あなたが早く再就職できますように。