大学を卒業し、新卒で企業に入社したものの、1年たたないうちにさまざまな理由から転職を考えるケースは少なくありません。
先が見えない、やりたい仕事ではなかった、人間関係のストレスに悩んでいる…。
でも、辞めたいと思っても周囲からの反対があったり、忍耐力がないと思われるのではないかと心配したりして、なかなか踏ん切りがつかない状況に陥る人が多いのではないでしょうか。
本当に新卒が入社1年目で辞めてしまってもいいのだろうか……。
そんな社会人1年目で転職活動を行うあなたのために、第二新卒での転職のポイントを紹介します。
新卒1年目で転職活動に挑む前に知っておきたいこと
新卒1年目で転職を考えた人の割合
世間的には「石の上にも3年」という言葉があるように、少なくとも辞める前に3年間は働けという意見が目立ちます。
しかし、厚生労働省の2013年度の調査によれば、大学を卒業して就職してから3年以内に仕事を辞めてしまう人は31.9%に達します。
その内訳は、
2年以内に辞めた人・・・10.0%
3年以内に辞めた人・・・9.1%
新卒1年目で辞めて転職活動を行う人が最も多いことがわかります。
新卒1年未満で辞めた人の退職理由としては「仕事内容が思っていたものと違った」が最も多く、次いで「労働時間や福利厚生」、「人間関係」が続きます。
上記の結果から、新卒1年目で転職を考えた人は入社前の理想と現実にギャップを感じてしまったと考えることができます。
就職活動では企業も人材獲得のとめに自社のいいところをアピールしますので、学生も良い面ばかり見てしまいがちです。
そのため、実際に就職してから「こんなはずじゃなかった」と思ってしまい、転職を考えるケースが多いといえるでしょう。
新卒1年目で辞める人を採用する企業側のメリット・デメリット
一般的に入社から1年未満で転職しようとする人を採用する側にはデメリットしかないように感じますが、果たしてそうなのでしょうか。
ここではメリットとデメリットに分けてそれぞれ紹介します。
新卒1年目で辞める人を採用するメリット
まずメリットとして以下の点が挙げられます。
・新卒と異なり最低限のビジネスマナーを踏まえている
・今後の成長に期待ができる
社会人1年目での転職は「第二新卒」として扱われます。
以前の会社にいた年数が短いことから企業風土に染まっておらず、新しいことにも柔軟に対応することができます。
また、最低限のビジネスマナーを習得していることが保証されている点も魅力的といえるでしょう。
新卒1年目で辞める人を採用するデメリット
一方、デメリットとしては次のように思われがちです。
・また短期間で辞めるのではないか
・採用に値する明確な強みが出来ていない
……と、厳しい目が向けられています。
社会人になって1年目で転職活動を行う際には、メリットとデメリットをそれぞれきちんと踏まえた上で行動することが大切です。
「3年働け」は果たして正しいのか
3年働くことで、仕事での立ち回り方や要領が掴めることもあるでしょう。
また、その仕事に対して一通りのスキルが身につくことも事実として挙げられます。
ですがもし、精神的、身体的に不調をきたしている場合は、無理せず辞めるべきです。
自分の身体は自分でしか守れません。
一度心身を壊してしまえば、当面の間は働くことはもちろん、今まで通りの日常生活を送ることすら難しくなってしまいます。
時には自分の精神的・肉体的安全を第一に考えることも大切です。
仕事を続けながら転職活動をしよう
退職してから転職活動をスタートしたほうが、時間的にも精神的にもゆとりがある中で活動ができそうに思えますが、よほどのことがない限りは、仕事を続けながら行うことをおすすめします。
仕事を辞めてしまうと、当然ながら転職先が決まるまでの間は無収入の状態が続きます。
新卒1年目で退職となると退職金はわずかでしょうし、失業給付金にいたっては自己都合の退職の場合、支払われない可能性が高くなります。
(離職日以前の2年間に、被保険者期間が1年以上あることが基本。相応な事情がある場合で6ヶ月以上)
貯金がどんどん減っていく焦りから、よく調べてもいない目先の企業への入社を決めてしまうことがあるからです。
人間関係は解決できない?
もし転職を考えている理由が職場での人間関係であるならば、解決することはできないか一度考えてみましょう。
会社によっては企業内カウンセラー制度や社員相談窓口がありますので、利用してみるのも手です。
また、利用できない場合でも上司に悩んでいる旨を相談し、配属先を変えてもらうことはできないか交渉してもいいですね。
辞める前に相談しよう!
最後まで一人で抱え込んだまま、辞めてしまうのはもったいないことです。
退職を決める前に同期に相談してみたり、話しかけやすい先輩に相談してみてはいかがでしょうか。
あなたと同じ悩みを抱えていた人がきっといますので、たくさんのビジネスマンに話を聞くこともおすすめです。
参考にするだけでも気持ちが楽になり、モチベーションを保つことに繋がります。
新卒1年で転職、中途採用に挑む際のコツ
「第二新卒」枠の募集に応募しよう
一般的に、新卒で企業に入社してから3年未満で離職した人ことを「第二新卒」と定義しています。
そのため、入社1年で転職活動を行う場合、第二新卒として応募することが可能です。
入社3年以内で辞めてしまう人の割合は約3割に達すると冒頭で述べました。これはすなわち第二新卒にあたる層は企業にとって常に人材不足の状態であるといえます。
そのため、多くの企業で第二新卒の採用枠を増やしている傾向があります。
入社1年で退職した理由を明確にしよう
第二新卒として転職活動をする際のデメリットとして、「またすぐ辞めてしまうのでは」と思われてしまいがちです。
それを払拭するためには自己分析をきちんと行うことが欠かせません。
なぜ短期間で辞めようと思ったのか、自身の反省点も踏まえた上で弱みや失敗原因を追求し、また、どのように改善しステップアップしていきたいかを明確にする必要があります。
そのことを面接官に対し、きちんと自らの言葉で説明することができれば、デメリットに打ち勝つことができるでしょう。
必ず叶えたい条件を持とう
入社1年で転職活動を行うことにどこか後ろめたさを感じ、次の就職先を探すときに「最低でもこれだけは…」といった消極的な基準で探してしまいがちです。
でも、それではモチベーションが長続きしません。
積極的に転職先を選ぶための軸となる譲れない条件、必ず叶えたい条件を明確にしましょう。
ここで大切なのは、一度決めた叶えたい条件は最後まで変えたりしないこと。妥協してしまうと結果として後悔に繋がってしまいます。
諦めても良い条件を決めよう
必ず叶えたい条件を持つ一方、いざというときは諦めていい条件も明確にしておきましょう。
すべてが望み通りの職場というのはなかなか見つからないものです。
その際、諦めてもいい条件を明確にしておくことで、転職活動がしやすくなります。
新卒1年で転職、中途枠の探し方
第二新卒を対象としたサイトを利用しよう
第二新卒の採用市場が活発になっていることは先ほどご紹介したとおりです。
そこで、第二新卒に特化した求人サイトを利用することをおすすめします。
特化型のメリットとして、第二新卒が受かりやすい求人をしっかり確保していることが挙げられます。
また、スタッフも数多くの第二新卒を見てきていることから、個々の強みに合わせた的確なアドバイスを提供してくれるでしょう。
一方デメリットとしては求人が転職サイト側によって絞られていること。自由に応募したい場合は一般の転職サイトの方が数多くの案件の中から探すことができます。
第二新卒・若者の正社員就職支援に特化した
「DYM就職(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌)」
「リクルート運営の【就職Shop】(東京、横浜、千葉、埼玉、大阪、神戸、京都)」、
「ジェイック(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、愛知、宮城、福岡など)」、
「第二新卒AGENTneo(首都圏、京阪神)」、
「ハタラクティブ(東京、神奈川、埼玉、千葉)」
といった就職・転職サービスなら、無料でさまざまなサポートが受けられます。
自分一人で転職活動を行うのは心もとないという人は利用してみましょう。
複数の求人サイトを利用しよう
一般の大手のサイトであっても、すべての求人情報を網羅できているわけではありません。
他の転職サイトに希望に見合った求人が掲載されている可能性もあります。
求人情報を漏れなくカバーするためにも複数の求人サイトに登録することをおすすめします。
また、求人サイトには転職に役立つコラムやアドバイスが数多く載っていますので、転職活動に役立てることができるでしょう。
就活のときはリクナビを活用したと思いますが、転職の場合はその社会人版であるリクナビNEXTが定番です。まずはここから始めてみましょう。
>>>転職者の8割が利用!王道・鉄板・迷ったときの転職サービス
転職エージェントに相談しよう
自分で求人を探さなくてはいけない求人サイトと異なり、転職エージェントはあなたにあった仕事を紹介してくれます。
また、紹介するだけでなく履歴書の書き方から面接対策まで幅広いサポートを行ってくれます。
忙しくてなかなか転職活動に時間が割けない、という方には求人サイトと併せて転職エージェントを利用することをおすすめします。
>>>第二新卒・20代専門の転職なら マイナビジョブ20’s
ハローワークを利用しよう
求人サイトや転職エージェントは首都圏や主要都市の求人に強い反面、地方の求人はあまり多く取り扱っていません。
Uターンして地元に戻って働きたいという方にはハローワークの利用もおすすめです。
ハローワークでは地方にある中小企業の求人も豊富に扱っていますので、一度目を通してみましょう。
また、窓口にいる職員の方がさまざまな相談に乗ってくれます。
新卒1年目で転職活動を行うために
新卒1年目で転職活動を行う際に押さえておきたいポイントをご紹介しました。
しっかり取り組めば新卒で入社したよりも優良な企業へ就職しなおすことも十分可能です。
まずは現状をしっかり認識した上で、自分に合った求人を探しましょう。
第二新卒で転職活動を成功させるには、
→「第二新卒で就活をやり直す!もう一度志望企業・業界へチャレンジする方法」
あなたが希望通りの職場で働ける日が早く来ますように。