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ITエンジニアの転職|40代からの戦略

ITエンジニアの転職|40代からの戦略
多くのサラリーマンは40代に入ると岐路に立たされます。
とくに技術革新のスピードが速いITエンジニアは、新たな技術に適応することが難しくなりだします。
- 「生涯一SE」として現場にとどまり続ける
- PMや部門長などの管理職の階段を上っていく事務系職種に転じる
など、今後のサラリーマン人生の過ごし方について頭を悩ませるようになります。
ここでは、そうした40代ITエンジニアが転職によりキャリアを切り拓くことを想定した戦略をご紹介します。
ITエンジニアとしての転職
1.ITベンダー・コンサルティング会社
国内
一番身近な転職先は、国内の同業他社です。
ただし、いまより恵まれた待遇の職場へ移ることができる人は限られます。
ヘッドハンティングされた人や地元の企業に転職する人を除けば、よい条件で会社を移ることは容易ではありません。
欧米
日本人が欧米IT企業に採用されるためには、エンジニアとしての高度な能力を認めさせる必要があります。
並みの人材であれば、わざわざ日本人を採用する必要はないからです。
アジア
中国、韓国、インドには世界レベルのIT企業があり、そうした先への転職を目指す人にはかなり高い能力が求められます。
一方、日本企業の下請け先の場合は、それほど高度なスキルや知識がなくても務まりますが、あまり高い給料は得られません。
2.大学・研究機関
教員・研究員
エンジニアとして一定水準の評価を確立している上に、学会などを通じたコネクションを持つ人は、大学や研究機関へ転職する道もあります。
ただし最近は任期付きのポストが増えており、終身雇用を前提とした教授・準教授や正規職員採用の門戸は狭くなっています。
職員
大学や研究機関の事務局にもIT担当者が何名かいます。
組織全体のITインフラを管理したり、情報セキュリティ業務を行ったりする職員に転じることも考えられます。
3.ユーザー法人
製造業
ある程度の規模のメーカーであれば、何らかのERPシステムを導入しています。
こうしたシステムは、外部パッケージを利用したりITベンダーを使って開発したりして構築します。
その開発計画の策定や運用を行うためのIT担当者としての採用を目指す手もあります。
小売・サービス業
小売、飲食、ホテル、鉄道、バス、航空などのサービス産業でもITインフラは欠かせないものです。
サービス業では外部ネットワークとの接続が重要になるため、とくにセキュリティ技術に強いエンジニアは製造業より向いているかもしれません。
金融業
金融業はリレー式計算機が開発された頃からIT産業の上得意先です。
最近ではFinTechという言葉がもてはやされており、伝統的な勘定系システムや顧客情報システムの開発、保守、運用だけでなく多様な分野でITエンジニアに対するニーズが高まっています。
公的機関
民間企業と比べ、官公庁などの公的機関はITに対する取り組みが遅れていますが、あらゆる分野でITエンジニアに対するニーズがあります。
変化のスピードが速いIT分野では新卒プロパーの採用が追いつかないため、人数は多くないものの多くの機関がITエンジニアの中途採用を行っています。
教育機関
教育はITエンジニアにとって注目すべき分野です。
教育機関としてITサービスの管理運営を任せる人材が必要なだけでなく、プログラミング、ウェブデザイン、情報セキュリティなどを教える人材に対するニーズが高まるためです。
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管理職・経営者としての転職
1.ITベンダー・コンサルティング会社
いまの職場で管理職として十分な経験を積んでいれば、他社の管理職や経営者に転じることも考えられます。
もっとも上級管理職や経営者になれば、いまの会社から「裏切者」扱いされるかもしれません。円満退社のための周到な準備が求められます。
2.ITベンチャー企業
ITベンチャー企業の中には、数人の若手エンジニアが始めた学生サークルのような会社も少なくありません。
こうした会社には社会人(組織人)としての常識や基礎能力を備えた人材が乏しいため、大企業で揉まれた経験のある人が必要とされます。
3.ユーザー法人
ITサービスは多くの消費財と異なり、「売り切り」で終わることはありません。
受託開発の完了後やパッケージ導入後にもメンテナンスやバージョンアップ、新機能追加のためのサービスが続きます。
このため業者の言いなりにならず主体的にITを利用する上でインハウスのITエンジニアは不可欠な存在となります。
事務系職種としての転職
1.セールスエンジニア
中小零細企業を除けば、必ず組織内にITリテラシーの高い人がいます。
そうした人たちの納得感を高めるためには、技術的な説明が欠かせません。
「●●ができます」ではなく、「●●ができるように▲▲を××しています」といったようにサービスを実現できる根拠を論理的に説明できるエンジニアが営業現場で重宝される機会は少なくありません。
2.転職エージェント
エンジニアのニーズを把握したり能力評価を行ったりする際、事務系担当者では困難な部分があります。
このため元エンジニアの転職エージェントが活躍できる余地は大いにあります。
ITエンジニアは他分野と比べ人材の流動性が高いため、受託開発プロジェクトなどを通じ、多くのエンジニアと面識のある人には大きなチャンスがある業種です。
アピールポイントの整理
1.専門性
知識・技術力
まず十分な専門知識・技術が備わっていることのアピールが必要です。
プログラミングなど、プロが見れば一目瞭然の能力を的確に伝えることが大切です。
またITの知識だけでなく業法や監督官庁による規制など、システム開発の前提となる知識が重視されることもあります。
狭い範囲の技術に偏ることなく、豊富な知識をアピールできるようにしましょう。
思考力
ITは極めて論理的な世界です。
プログラミングには人間のような曖昧さは一切ありません。
このため何事も理詰めで考える力が必要です。
エンジニアの中には、プログラミングは得意だが文章を書くことが下手という人もいます。
こうした人は、データや数式を活用しながら全体として筋の通った話ができるようにしましょう。
2.応用力
ITは人間が手作業で行ってきたことを効果的、効率的に実行するための仕組みを提供するサービスです。
このためITビジネスのネタは、世の中にたくさん転がっています。
それに気づいて具体的な仕組みとして提供できる発想力と実行力のアピールが重要です。
また異分野の専門家の力を借りて、ITニーズの掘り起こしに務めるなどの取り組みも大きなセールスポイントになります。
3.体力・忍耐力
ITの現場には力仕事の面があります。
地道にバグをつぶしたり納期を守るために睡眠時間を削ったりすることがあります。
毎日定時退社できる職場は限られるため、体力・忍耐力でも若手に負けないことをアピールしましょう。
4.管理力
プロジェクトマネジメント
ITは進化のスピードが速く、40代以降も若手と同じ土俵に立って勝負し続けられるエンジニアは限られます。
スポーツ選手と同じで40歳を過ぎても現役でいられる人はわずかです。
大半の人はプレーヤー経験を踏まえマネージャーに転じなければ生きていけません。
開発プロジェクトや運用チームのマネジメント実績、組織運営の理想像などを語れるように準備することが大切です。
組織管理
課長、部長などの中間管理職として、部下の行動管理や人事考課を行ったり毎期の予算策定・管理を担ったりした経験があれば、より強くマネジメント能力をアピールできるはずです。
なぜならプロジェクトと異なり組織運営は目標(あるべき姿)があいまいになりやすく難しい面があるため、より高度なマネジメント力が求められるからです。
40代のITエンジニアは転職戦略を
新卒入社した会社で待遇に恵まれ、気持ちよく働き続け定年を迎えられれば素晴らしいです。
しかし、実際にそうした幸運に恵まれる人は稀です。
ITエンジニアは業界全体の拡大が続く中で汎用性の高い知識・技術を身につけられるため、転職しやすいという特徴があります。
一方で40代以降になれば、技術確認についていくのが大変になったり体力が衰えたりするため、現場のSEを続けることが徐々に難しくなってきます。
40代のITエンジニアは、業界の特徴や自らが置かれた環境を踏まえた上で冷静に転職戦略を検討することが大切です。
ITは裾野が広い分野なので、じっくり考えればよい転職先を見つけられるはずです。
エンジニアの転職理由については、
→「エンジニアの転職|転職理由のホンネとタテマエ」
ITエンジニア向けの転職エージェントは、
→「ITエンジニアをもっといい条件の会社へ導いてくれるIT業界専門の転職エージェント」
あなたが定年まで気持ち良く働ける仕事に転職できますように。
2019/08/09