就職、転職を有利にすすめるのに役立つのが資格の取得です。
資格の中にも、実務経験が必要な資格から未経験からチャレンジできる資格まで、たくさんの種類があります。
民間資格や区や市で認められた資格もありますが、どこで働いても重宝されるのが国家資格です。
民間の資格よりも需要が高く、場合によっては入社後の毎月の手当や昇給に役立ったりします。
取得が難しいイメージの国家資格ですが、実は短い期間且つ受験資格なしで取得できるものもたくさんあります。
働く業界やこれから身につけたい知識に応じて、あなたに合ったものを選んでみましょう。
簡単に取れる国家資格
<女性向け>
オフィスワークやサービス業に従事することの多い女性向けの、簡単に取得できる国家資格をご紹介します。
防火管理者
消防法に基づいて、防火に関する講習会の課程を修了し、さらに、その防火対象物において防火上必要な業務を適切に遂行できる資格を指します。
資格取得後は、防火対象物の管理権原者から選任されて、その防火対象物の防火上の管理を行ないます。
発生しうる火災の原因を防ぎ、事業所の財産やお客様、社員の生命を守る責任者の資格です。
オフィスに持っている人が1人必要な資格と言えるでしょう。
この資格を持っていると、消防計画の作成や提出、消防訓練の企画など、防火的な作業を経営者や所有者の代わりに行うことが可能です。
甲種が2日、乙種が1日で取得可能です。簡単な終了試験を行いますが点数が取れなくても全員合格となります。
登録販売者
登録販売者とは、2009年に誕生した、かぜ薬や鎮痛剤などの一般用医薬品(第2類・第3類に限る)販売を行うための国家資格です。
薬剤師が不在でも一般用医薬品販売ができる専門家として、薬局やドラッグストアからもとても需要があります。
こちらの資格は、講習などはなくテキストをご自身で購入したり、通信講座を受けたりするなど、独学で受験が可能な国家資格です。
勉強する期間は、講習で取得できる国家資格とは異なり、自分で勉強するため数か月かかることが多いでしょう。
食品衛生責任者
食品衛生責任者の役割は、施設において食中毒や食品衛生法違反を起こさないように、食品衛生上の管理運営を行う資格のことを指します。
食品を扱う営業を行う場合、営業許可を受ける施設ごとに1名以上、食品衛生責任者を置かなければなりません。
そのため、資格取得後も保健所が実施する講習会などを定期的に受講する必要があります。
講習を1日受け、最後に終了試験に合格すると資格を取得できます。
こちらも真面目に受講していれば、落ちることはないでしょう。
注意したいのは、名前が良く似ている資格で食品衛生管理者がある点です。
食品衛生管理者は、乳製品、食品添加物、食肉製品、食用油脂など、特定の食品を製造する施設に1名置く必要のある資格のことを指し、食品衛生責任者とは異なりますので注意しましょう。
赤十字救急法基礎講習
赤十字救急法基礎講習とは、手当の基本から人工呼吸や心臓マッサージの方法、AED(自動体外式除細動器)を用いた除細動などが習得できる国家資格です。
救急員養成講習では、日常生活における事故防止や止血の仕方、包帯の使い方、骨折などの場合の固定、搬送、災害時の心得などについての知識と技術が習得できます。
講習時間も4時間と短く、最後に検定がありますが全員合格ができるレベルと考えて問題ないでしょう。
さらに2日間の救急法救急員養成講習を受ければ、災害時にも対応できる知識を身につけられる救急員の認定を受けることができます。
<男性向け>
女性よりも肉体的にハードな仕事や、やや危険な作業に従事することが多い男性向けの、簡単に取れる国家資格を紹介します。
ガス溶接技能者
ガス溶接技能者とは、酸素、アルゴン、窒素、可燃性ガスなどを使用して溶接を行う技術者のことを指します。
実は、ガスの溶接はこの資格を持っていないと行えないため、ガスの溶接をする現場ではこの資格取得が必須です。
受験資格に指定はなく、講習を2日間受けて終了試験合格で取得できます。
終了試験も真面目に授業を聞いていれば、まず落ちることはないでしょう。
玉掛技能者
玉掛技能者とは、クレーンで荷物が落ちないようにバランスを保って吊り上げる技術を持った人を指します。
吊り上げ荷重1トン以上のクレーンの玉掛け作業は、必ず玉掛作業技能者の国家資格を持った者が行う必要があります。
そのため、クレーンを取り扱う建築現場、土木関係の職場では非常に重宝される資格でしょう。
玉掛技能者の資格も、3日間の講習を受けるだけで取得ができます。
こちらも最後に終了試験を行いますが、ほぼ全員合格となります。
真面目に受講していれば落ちることはないでしょう。
鉛作業主任者
鉛や銅などの精錬、鉛蓄電池などの製造工程作業、半田付け作業を行う現場では、鉛作業主任者を必ず配置しなくてはならないという決まりがあります。
そのため、鉛作業主任者の資格を持っていると、製造業や化学物質をつくる工場などの職場で優遇されることが多いでしょう。
この資格者の役割は、鉛を取り扱う作業を行う場合に作業者の体に悪影響を及ぼさないように、しっかり管理を行うことです。
この資格を持っていると、現場で作業に従事する労働者が鉛や焼結鋼などに対しての作業方法の決定や指揮、換気装置の点検、退避指示、検査指示、汚染の除去などを行うことができます。
鉛作業主任者資格は2日間で簡単に取得でき、簡単な終了考査を行いますがほぼ全員合格となります。こちらも真面目に受講していればまず落ちることはないでしょう。
特定化学物質等作業主任者
あまり聞きなれない資格名ですが、特定化学物質等作業主任者とは、工場など特定化学物質を取り扱う現場で、作業者が特定化学物質に汚染されないように作業方法の指導や、局所排気装置や除塵装置などの設備の点検、保護区使用の監視などを行うことができる国家資格です。
「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習」を受講することで取得する事ができる資格です。
資格取得後は、現場で必ず選任しなければならない特定化学物質作業主任者・四アルキル鉛等作業主任者に選任される資格となるため、活躍が広がります。
特定化学物質を取扱う職場では、必ず有資格者を設置する義務があるため、資格取得者は非常に重宝されると言えるでしょう。
この資格も講習のみで、たった2日間で取得できます。
こちらも簡単な終了試験を受けて、合格となります。
四アルキル鉛等作業主任者
ドラム缶などの容器の積卸しの業務に係る作業をする場合、現場では、四アルキル鉛等業務四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者のなかから、四アルキル鉛等作業主任者を選任しなければなりません。
四アルキル鉛等作業主任者の仕事の役割は、作業に従事する労働者が四アルキル鉛により汚染され、又はその蒸気を吸入しないように、作業の方法を決定し指揮をとること、換気装置を点検することです。
現場では、保護具の使用状況を監視することもあります。
労働者が四アルキル鉛中毒にかかりそうな場合は、この資格を持った者がすぐに労働者を作業場所から退避させる義務があります。
また、専門的な話になりますが、作業に従事する労働者の体又は衣類が四アルキル鉛によつて汚染されていることを発見したときは、直ちに過マンガン酸カリウム溶液により、又は洗浄用燈油及び石けんなどにより汚染を除去させる義務もあります。
四アルキル鉛等作業主任者の資格は、2日間で簡単に取得ができます。最後に終了考査を行いますがほぼ全員合格となります。こちらも真面目に受講していればまず落ちることはありません。
有機溶剤作業主任者資格
有機溶剤作業主任者資格とは、作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染されたり、吸入したりしないように作業の方法を決定し、労働者を指揮する資格です。
それ以外にも、局所排気装置、ブッシュブル型換気装置または全体換気装置を1ヶ月を越えない期間ごとに点検する義務や保護具の使用状況を監視する義務もあります。
また、開口部の開放、退避のための設備または器具などの整備、労働者の洗身などの措置を確認することも役割の1つです。
シンナー、トルエン、キシレン、ガソリンなどを使用する作業場に必要な資格であるため、この資格を取得していると職に就く際に優遇を受ける事があります。
有機溶剤作業主任者は、簡単な講習のみで2日で取得できます。
最後に終了試験を行いますがほぼ全員合格となります。普通に受講していればまず落ちることはありません。
乾燥設備作業主任者資格
この資格は、製紙会社、印刷会社、パン屋、食料品加工製造会社など乾燥設備を使用して、ものを加熱・乾燥する際の業務指導・監督にあたる責任者のことを指します。
様々な場所で必要とされる資格であるため、この資格を持っていると就業の際に優遇を受けられ、重宝されます。
作業方法や設備についてもこの資格を持った者が、従事者に詳しい手順の説明をする義務があります。
また、乾燥設備に不備なところがないか、こまめに点検するのも大切な仕事の1つです。
乾燥設備作業主任者も、簡単な講習を2日間受けるだけで取得できます。
最後に終了考査を行いますがほぼ全員合格となります。こちらも真面目に受講していれば落ちることはないでしょう。
受験資格なし(不要)で、給与UPが狙えるおすすめ国家資格
ここからは、やや資格試験のための準備が必要ですが、比較的カンタンに取れて企業側の需要も多いおすすめの資格を紹介します。
ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士) 3級
将来的にFPを狙える資格として、国家資格のFP技能士3級があります。
受験資格なしで受験でき、3級を取得できれば実務に活かせると言われる2級も受験可能です。
取得できれば企業へのアピールにもなり、上級試験を受けて給与UPも狙えるかもしれません。
学科試験と実技試験がありますが、合格率80%と高く取得しやすい資格と言えるでしょう。
第二種電気工事士
電気工事士とは、一般住宅やコンビニなどの小規模店舗の電気工事が行える資格のことを言い、第一種と第二種でその工事範囲が異なります。
第二種では、一般住宅や小規模店舗の電気工事が行えることに対し、第一種はビルや大きな商業施設、駅や路線などの工事も可能です。
合格率も70%と言われ、二種は比較的取得しやすい上に、ニーズが高い国家資格の1つです。
さらに、二種、一種に関わらず受験資格もありませんので、誰でも受験することができます。
ビルクリーニング技能士1〜3級
ビルにおける環境衛生維持管理業務のうち、ビルの所有者から委託を受けて行うビルクリーニング作業について必要な技能を示すことができるのが、このビルクリーニング技能士です。
取得することで、ビルクリーニングに関する知識をアピールでき、昇給に繋げることもできます。
どこの業界、企業でも清掃分野は必ず必要であり、特に商業施設やビルが多い都心では注目されている国家資格です。
受験資格はありませんので、誰でも3級からチャレンジできます。
3級を取得すると、2級の受験資格がもらえるようになり、実務経験が無くても1級まで取得することが可能です。
合格難易度は、1~3級全体で50~60%と言われており、比較的取りやすい資格です。
取得&活躍の幅が広い!国家資格ランキング
ここまで、資格取得が簡単な国家資格をご紹介してきました。
そこで、ご紹介してきた資格の中で、簡単に取得できる且つ活躍の幅が広い資格をランキングでご紹介します。
1位、食品衛生責任者(6時間の講習のみで取得可能)
1日で終わる、たった6時間の講習だけで取得可能な資格な上に、飲食店、サービス業などの食品を扱う施設、店舗ですぐに活躍することができます。
2位、甲種(乙種)防火管理者(2日間の講習のみで取得可能)
2日間の講習だけで取得することができ、オフィスでも店舗、ビルでも活躍することができる資格です。
3位、玉掛技能者資格(2日間の講習のみで取得可能)
たった2日間の講習で取得でき、且つ吊り上げ荷重1トン以上のクレーンの玉掛け作業に必須なため、様々な現場で活躍ができます。
4位、ガス溶接技能者資格(2日間の講習のみで取得可能)
こちらも2日間の講習で取得が可能で、さらにガス溶接に関わる仕事では必須の資格のため、現場で重宝する資格です。
5位、鉛作業主任者資格(2日間の講習のみで取得可能)
こちらも同様に2日間の講習で取得でき、鉛や銅などの精錬、鉛蓄電池などの製造工程作業、半田付け作業を行う現場では、必須の資格です。
ご自身の進みたい仕事に合わせた国家資格を
ひとくくりに国家資格といっても種類は豊富です。
いずれの資格も、まずはご自身の興味のある資格の情報を集め、自分に合った資格かどうかを見極めることが大切です。
資格があっても活かせないまま持っている方がとても多くなっていますので、仕事や趣味などどの場面でどれくらい活かしたいかを明確にし、取得までの計画を練って勉強していきましょう。
転職に有利な資格を詳しく知りたいなら、
→「社会人におすすめの資格5|転職に有利で取得しやすいランキング」
あなたにぴったりな資格を身につけられますように。