新卒でも転職でも、入社したらまずは「試用期間」という時期があります。この時にもう「辞めたい…」と思ったら、どうすればいいのでしょうか?
「この会社もう無理!」と感じても、
「まだ、1ヶ月もたってないけど辞めてもいいの?」と疑問に思うのではないでしょうか?
確かに、入社してすぐに辞めるのは気が引けることですよね。まわりからは「我慢が足りない!」と言われそうだし・・・。
しかし、入社直後であっても、本当に「ここで働いていてはダメだ!」と思ったら、退職は差し支えないと言えるのです。試用期間中だけれど辞めたい方に、そのポイントをご紹介していきます。
1.試用期間中に辞めるために、知っておきたいこと
辞めるなら早いうちに! 正社員になると、さらに辞めにくくなる
試用期間とは、会社側が「新たに入社した社員は会社に適しているだろうか?」ということを見極める期間のことです。試用期間は3ヶ月程度の会社が多いですが、企業によってまちまちで、1ヶ月から半年となる場合があります。
試用期間は、見方を変えれば「社員が会社の様子を見る期間」でもあり、同時に「あなたが会社の様子を見る期間」でもあるのです。
そのため、試用期間中に「この会社は合わない」と判断し、退職を決意するのであれば、あとに引きずるものはなくなります。
逆に、正社員になってから会社を辞めようとすると、正社員という立場上、会社もそこまでのあなたの教育などへの投資額も大きくなっており、さらに辞めにくくなります。
会社の側は、「この社員を本格的に育てていくべき人材かどうか?」を見極めようとしている途中で辞められるのですから、試用期間中に退職された方が、まだ、痛手が少ないのです。
「長く務めることは出来ない」と判断したら、早めに退職を決断し、次は、長く勤められる会社を探しましょう。
上司に辞めたい理由を告げる
退職すると決めたら、上司に相談しましょう。
ただし、上司は忙しいものです。いきなり話を進めるよりも「相談があるのですが、ご都合の良い時にお話を聞いていただけませんでしょうか?」など、上司の都合を考えるようにしましょう。
上司と直接話をするのは苦手に感じるかもしれませんが、ここは思い切って上司に相談しましょう。
中には、退職の連絡を電話やメールで済ませてしまう人がいますが、これは、社会人のとる行動ではありません。重要な話は、直接会ってするものです。それは、たとえ試用期間の社員であっても同じことです。
会社の手続きにしたがって退職手続きを進める
退職することになったら、会社の手続きに沿って退職手続きを進めていきます。
退職手続きの方法は会社によって異なりますが、退職届などの書類を記入したうえで、会社が定めた一定の期間(2週間から1ヶ月程度)は、勤務を続けなければなりません。
なぜなら、勤務シフトがすでに決まっているケースも多いからです。
また、会社から預かった備品(タイムカードや制服など)は、必ず返しましょう。
中には「試用期間中だから、すぐに退職できるだろう。」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、試用期間中とはいえ、社員です。突然会社を辞められたら、会社としても困ります。
無断で辞めない
無断で会社を辞めることも論外です。無断で退職となる場合には、事前に無断欠勤をしているケースが多く見られます。
会社での仕事があまりにもつらく、会社に行きたくないのも分かりますが、学生とは違うのです。社会人なら、会社には必ず出勤する、もし、会社に行けない場合は、事前に連絡することが基本です。
無断欠勤の習慣をつけてしまうと、今後、ますます出勤しづらくなってしまいます。退職したいのなら、会社から逃げずに、堂々と上司に相談することが大切です。
次の会社で長く勤めるため、今回の経験を生かす
みんな、会社には長く勤めようとして入社するのですが、実際に入社してみると「こんなはずじゃなかった」というケースは多いと思います。
そこで、今回の経験を次に生かすのです。特に、「なぜ今の会社が嫌だったのか?」ということを明確にしておきましょう。
長時間労働、パワハラ、仕事が合わない、など、いろいろな理由があると思います。特に、給料面など、待遇だけで判断すると、同じような失敗を繰り返しかねません。
次に就職する時は「第2の人生を送る」くらいの気構えで、職を探すと良いでしょう。焦らず、じっくりと職を探すことも大切なことです。
2.どんな時に辞めたいと感じる?
パワハラがひどい
「使えないやつだな~。なんで、そんな簡単なことすら覚えられないんだ? バカか! お前は!!」
入社早々、暴言を浴びながらの罵声を受けてしまうことがあります。これから仕事を覚えなければならないのに、いきなり暴言を浴びてしまうと、やる気が失せてしまうのは当然です。
そのほか、ネチネチと注意されるケースや、あからさまに無視されるケースなどもあります。
パワハラに該当するか判断するには、
→「これはパワーハラスメント?パワハラの定義に当てはまるか確認6項目」
長時間勤務・長期間の連続出勤
- 入社早々、12時間労働・・・
- おまけに、繁忙期だからと言って、週休2日のはずが1日に・・・
- 労働時間って、8時間が普通じゃないんですか??
試用期間中は、残業がなく、休みは普通に取れるケースが多いですが、現在は、多くの会社が人手不足ということもあり、試用期間中から長時間労働、長期間勤務を強いられる会社もあります。
いきなりの長時間勤務・連続出勤は勘弁して欲しいですよね。
サービス残業が横行
長時間勤務で残業代が支払われれば話はまだ分かりますが、会社によっては、残業代が支払われない「サービス残業」が行われている場合があります。
しかも、サービス残業は巧妙に行われる例が多く、例えば、「みなし残業」があります。
みなし残業の例をあげると、「基本給には、月20時間の残業が含まれる」というものです。
これは、見方を変えれば、「20時間分のタダ働き」とも言えます。タダで働かなければならないことほど、バカバカしく感じることはありませんよね。
ノルマがキツすぎる
営業職の場合、試用期間からノルマが課せられる場合があります。しかも、試用期間だからと関係なく、先輩社員とほとんど同じ内容のノルマをこなさなければならないこともあり、そのノルマの多さに気が滅入ってしまうことがあります。
営業のノルマを達成までは、常に緊張を強いられます。ノルマを達成しないと、上司からの怒号が・・・。
試用期間の厳しいノルマは、とてもつらいものですよね。
精神的、体力的に辛い
試用期間とはいえ、先輩同様の仕事をこなさなければならないケースもほとんどです。しかも、先輩社員は、試用期間中の社員であっても、高い成果を求めることが意外と多いのです。
もちろん、試用期間中は、一日も早く仕事を覚え、仕事の結果を出すために、フルに頑張らなければなりません。しかし、フルに頑張ることで、体力的にかなりつらく感じられますし、また、仕事の成果が出せないと、先輩社員から「使えない!」とののしられ、精神的にこたえてしまうものです。
仕事をこなすために、自分の能力以上の体力、精神を必要とすると、試用期間であっても、「辞めた方が良いのではないか」と感じてしまいます。
3.会社が辞めさせてくれないケースも!そんな時どうする?
試用期間中でも退職を引き留めるケースは多い
試用期間中だと、意外と簡単に辞められそうなイメージがありますが、現在は人手不足となっている会社も多く、そう簡単に辞めさせてくれない会社も多いのです。
会社側は、「辞めるなんてもったいない!」「次の就職に不利だ!」などと、退職を引き留めてようとすることが多いです。
会社側も、せっかく採用した社員が辞めると、人手不足に拍車をかけてしまうので、必死になって引き留めようとするのです。
引き留められたら、
→「退職を慰留された…引き止めの断り方。スパっと辞める方法4」
会社を辞めるには、強い意志が必要
それでは、会社を辞めるには、どのような考えを持ち、どのような行動をとれば良いのでしょうか?
実は、会社を辞めるには「強い意志」が必要なのです。就職するのも大変ですが、退職するにも、大きなパワーを要することを理解しておきましょう。
退職しようとする人に対して、会社は全力で引き留めにきます。そのため、退職するためには、退職の意志をしっかりと固めなければなりません。
会社が「辞めるなんてもったいない!」などと引き留めようとしても、辞めると決めたら、意志を固めておきましょう。
ただし、上司に退職の意志を伝える時は、意志はしっかりと固めつつも、冷静に相談することが大切です。
退職理由の主な例としては「会社の考え方と、私の考えが一致せず、このまま勤め続けることにメリットを感じられません」という内容があります。
言葉はやんわりとしながらも、意志はしっかりと固めることが大切です。
会社を辞める手続きは、
→「仕事を辞めさせてくれない…絶対に退職する方法9」
辞めると決めたらしっかりと退職の意思を伝えましょう。
4.退職の決断は、早い方が良い
辞める方がよいと判断できたらすぐ行動
退職すると決めたら、早めに行動に移しましょう。
せめて、試用期間だけでも勤め続けよう、という考え方もあるかもしれませんが、長く勤めれば勤めるほど、退職しにくくなります。自分にとって合わない会社に勤め続けるよりも、自分に合う会社を探した方が、あなたの今後のためになります。
また、現在は「すぐに辞めるのは、悪いこと」という考え方が一般的ですが、必ずしもその考え方が合っているとは限りません。無理に勤め続けることによって、身体の調子が悪化するケースもあるからです。
体力的、精神的に辛い状態で働き続けることは困難
無理をして働き続けると、精神的、体力的に負担となり、体調不良の原因となることがあります。
過度のストレスにさらされて、胃に穴が空いてしまう場合もありますし、身体を酷使することで、足腰を痛めてしまうこともあります。そして、身体的な面に限らず、精神面に負担がかかることもあります。
精神的に追い詰められることによって、うつ状態となってしまい、判断力が低下してしまうこともあります。さらに症状が進むと、会社に行こうとする気力すらわかなくなってしまうのです。
無理をして働き続けると、体調不良に悩まされてしまうこともあるのです。そのような状態になるまで、働き続ける必要はありません。
仕事のストレスについては、
→「仕事・職場のストレス。よくある原因17の対処の仕方」
割り切って、次へと進む
何度も面接を繰り返し、ようやく決まった会社をあっという間に退職することは、ためらいがちになってしまうものです。
しかし、自分にとって合わない会社に長い間勤め続けるのは、自分にとってもデメリットになるばかりではなく、会社にとってもデメリットになってしまうことが多いのです。
試用期間で入社した会社であっても、「あまりにも自分には合わない」と感じた場合は、割り切って、次へと進むことも大切です。次こそは、長く勤められるよう会社を探しましょう。
仕事が長続きしなくて困っている人は、
→「仕事が続かない…仕事が長続きしない人のための12の対処法」
転職に失敗して試用期間中だけど辞めたい…というような人は、
→「転職に失敗した…すぐ辞めるべきか?再転職へ6つの考え方」
仕事を辞めたいけど、やっぱり本当に辞めていいのか気になる…
→「仕事辞めたい、でも辞めて失敗したくない人の13の確認事項」
新入社員だけど辞めていいの?と思ったら、
→「仕事を辞めたい! 新卒はむしろ早く辞めた方がいいケース9」
あなたが次の道を早く見つけられますように。