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退職代行サービスとは何か?|主な業者のサービス内容
2019.07.04

退職代行サービスとは何か?|主な業者のサービス内容
「退職代行サービス」自体を初めて聞くという方も多いかもしれません。
退職代行サービスは、その名の通り、退職に関して困った場合に、退職を支援してくれるサービスです。
自分では会社を退職できない人を支援する主な業者と、いったいどんなことをやってくれるのかを紹介します。
退職代行サービスとは何か
職業選択の自由は憲法第22条により保証された権利です。
厚生労働省もモデル就業規則の解説文の中で、
- 「労働者はいつでも退職を申し出ることができます。
- また、会社の承認がなくても、民法の規定により退職の申出をした日から起算して原則として14日を経過したときは、退職となります(民法第627条第1項及び第2項)。」
と明確に述べています。
なのですが、会社を辞められない、辞めることを自分では言えない、言いたくない、……という人が増えています。
そんな人のための退職代行サービス業者について、詳しくみていきましょう。
1. 退職代行サービスは何をしてくれる?
(1)退職交渉
どの業者でも必ず対応することは退職交渉の代行です。
電話・電子メール連絡が中心ですが、業者によっては会社へ出向き面談することもあるようです。
(2)書類作成
電話交渉に特化した業者もありますが、退職届などの書面作成の代行を請負う業者もあります。
(3)給与・残業代請求
日払いの仕事でもない限り、最終勤務日、退職日、給与支給日が一致するケースは稀です。
このためタダ働きが生じないように交渉してくれる業者もあります。
金銭面は特に自分では言いづらい内容ですので、頼るのもありでしょう。
(4)社宅の退去交渉
退職しても基本的人権や賃借権は保証されます。
退職後も一定期間は社宅に住むことができるため、この点の交渉を請負う業者もあります。
2. 退職代行業者の料金は?
主だった業者はすべて「固定報酬の前払い」で請け負っています。
追加費用の負担や成功報酬を要求するのは実績が乏しい業者です。
固定報酬額は、30,000~100,000円です。
代表的な退職代行サービス業者の料金をこの記事の下にまとめましたので、詳しくは一覧をチェックしてください。
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退職代行を利用する理由
自分で退職をする人が当たり前、マナーであると考えられている中、なぜ退職代行を利用するのでしょうか。
(1)退職話を聞いてもらえないから
わざわざ人に退職代行を頼む最大の理由は、会社や上司がまともに話を聞いてくれないことにあります。
いろいろと理屈をつけて退職話を聞かない(なかったことにする)人もいるようです。
(2)退職手続きを進めてくれないから
本人の退職意思を把握していても手続きを進めない上司がいます。
大企業でも安心できません。
大きな組織では所属長経由で人事部へ退職届を提出する業務フローになっている場合が多いため、現場で情報を握りつぶすことがあります。
(3)忙しいから
外食チェーンなど正社員が少ない現場で働いている場合、本人、上司とも多忙で退職手続きの話をする時間がとれないケースが少なくありません。
(4)言いにくいから
(1)~(3)などの背景もあり、「退職したい」と言い出せない気が弱い人もいます。
また家族の反対が想定されるため、退職話ができないというケースもみられます。
退職代行を利用するのはどんな人?
(1)ブラック企業に勤めている人
もっとも典型的な利用者は、社員の事情を顧みようとしないブラック企業に勤めている人です。
「勝手に辞めたら損害賠償請求をする!」などと脅す上司もいます。
(2)気が弱い人
ブラック企業というほど上司が怖くなくても気が弱い人は、退職したいと言い出せないことも珍しくないでしょう。
(3)家族が反対する人
とくに有名大企業に勤めている人は家族にも退職を反対され孤立することがあります。
そうした人が支援者となる退職代行サービスを利用するケースがあります。
(4)コネ入社した人
コネで入社した人は自分から退職を言い出しにくいでしょう。
そうした人にとって退職代行はありがたいサービスです。
退職代行サービスのメリットとリスク
退職代行のメリット
(1)精神的苦痛の軽減
退職代行サービスを利用する最大のメリットは、精神的苦痛の軽減です。
退職は労働者の正当な権利であり、精神的に余裕のある人はすべて自力で対応します。
(2)事務負担の軽減
退職を認めたくない上司などは、事務手続きを教えてくれないかもしれません。
労務にうとい人であれば、退職届のほか社員証や健康保険証など会社へ提出・返還するもの、離職票、退職証明書、年金手帳など会社から受け取るものが分からず困ります。
(3)転職活動時間の捻出
退職手続きを業者に任せれば、本人は転職活動に専念できます。
転職先が決まっていなければ、これが一番大きなメリットでしょう。
退職代行のリスク
(1)弁護士法違反
弁護士法第72条では、非弁護士による法律事務の取扱い等の禁止を定めています。
その中では、「一般の法律事件に関して代理、その他の法律事務を取り扱い」することができないと規定しています。
このため、会社側が「退職代行は不法行為であり効力を有さない」と主張する恐れがあります。
(2)退職の失敗
法令や主要業者のウェブサイトの記載を踏まえれば退職できない可能性は極めて低いと考えられます。
しかし、もし失敗すれば職務環境は一段と悪化し地獄の日々を過ごすことになりかねません。
(3)転職活動の妨害
業者を関与させることにより会社側が一段と態度を硬化させる可能性も考えられます。
その結果として、更に残業が増えてしまい転職活動の妨害になる恐れもあります。
(4)依頼できない
主要業者のクライアントがほぼ100%退職している背景には、「面倒な案件は受託しない」という方針もあると考えられます。
超有名ブラック企業や当人にも一定の落ち度がある場合などは、代行依頼を断られるかもしれません。
退職代行サービスの評判
【汐留パートナーズ法律事務所】
弁護士が行う退職代行サービスです。
相談は無料で、退職代行を着手金54,000円(税込) の料金は、弁護士事務所としては安価。
何と言っても弁護士が実行するので安心度が高いです。
退職代行からトラブル交渉まで弁護士が直接対応する「退職代行サービス」は、あなたが辞めた後の法的なサポートも期待できます。
電話のほか、LINE、メールでも相談できます。
安心、確実を求める方。交渉事もある方は、こちらでの相談がまずは第一候補になるでしょう。
【退職代行サービスSARABAくん】
退職代行
電話、電子メールによる退職連絡の代行サービスです。
弁護士法に抵触することを恐れているためか未払残業代の請求、社会保険等に関する書面作成、有給休暇の買取り交渉などは行っていません。
また、社員証や健康保険証等の返却も本人が行うことになります。
退職成功率はほぼ100%です。
利用料金は他社より安い30,000円である上に退職できない場合の100%返金保証もついています。
とにかく会社を辞められればいい(残業代の請求や退職後の書面手続きは自分でやる)という人に適したサービスのようです。
【辞めるんです】
退職の意思を会社に伝えてくれ、郵送で手続きを完了してくれる退職代行サービスです。
依頼者一人一人に合わせて退職プランを提案してくれ、即日退職が可能です。
利用料金は他社より安い30,000円である上に、退職できない場合の100%返金保証もついています。
全額返金保証はありますが退職成功率は100%だそうですので、退職できる自信の表れと言えるでしょう。
『顧問弁護士からの業務指導を受け、コンプライアンスを徹底して、適切な業務範囲での活動に努めております。』とあり、非弁活動についての注意喚起をしています。
電話、メールだけでなく、LINEでも無料相談ができるため、退職を悩んでいる方や退職方法について不安がある人は気軽に相談できて良いでしょう。
【退職代行コンシェルジュ】
サービス内容の詳細は記されていませんが、退職に関する連絡手続きをすべて代行してくれるようです。
依頼後は本人が会社側の人物と一切話す必要はないと謳っています。また有給休暇の申請代行や転職相談も行っています。
取扱い件数や成功率などの実績は不明です。正社員の利用料金は49,800円です。
弁護士法については、「退職支援事業の非弁リスクを回避する為、顧問弁護士から指導を受け業務範囲の適正化に努めています。※サービスの主体は弁護士では御座いません。」と述べており、一定のリスク認識はあるようです。
【電話代行専門店メンター】
https://www.kaike2.jp/contents/category/support/
電話代行サービスの一類型として退職代行を手掛けています。
「累積退職者数1,500人以上、退職成功率ほぼ100%」です。
サービス内容は電話での退職交渉の代行に限定されています。
退職届は本人が提出することを明示していますので、書面作成はすべて自分で行う必要があるようです。
正社員の利用料金は、期間1か月で50,000円です。
同社の特長は「何度でも電話をかけてくれる」点にあると思われます。
本人が退職する正当性を徹底的に主張して相手が根負けするまで交渉するというスタイルではないでしょうか。
電話連絡に特化しているようなので、相対的に弁護士法に抵触するリスクは低いと考えられます。
【退職代行ニコイチ】
退職代行EXITと並ぶ有名業者です。累計4,000人超の利用者がおり、退職成功率100%を標榜しています。
正社員の標準料金は70,000円です。サービス内容としては電話・メール等での連絡・通知、書面作成の代行を掲げていますが、個別の事情に応じより綿密なシナリオを練ることをアピールしています。
弁護士へ依頼するより低コストで退職できることを強調していますが、弁護士法に関する見解は示されていません。
【退職代行EXIT】
https://www.taishokudaikou.com/
退職代行サービスの草分け的存在です。
サービス内容は、「弊社がお客様の代わりに、退職に必要な連絡を代行します。退職が完了するまで、電話・メールにて回数無制限で対応いたします。」としています。
「即日対応」、「会社への連絡不要」を謳っており、費用(正社員・契約社員で50,000円)の支払い後に本人が会社と直接交渉することはないようです。
また同社によれば、過去の退職できなかったケース、会社から訴えられた事例は一切ないとのことです。
なお同社は「弊社は退職代行事業の非弁リスクを回避するため、顧問弁護士から指導を受け、業務範囲の適正化に努めております。」と述べていますが、弁護士資格をもたない者の活動に法的リスクが残ることに変わりがない点は注意しましょう。
退職代行サービスの利用は、退職で困っている人に価値あり
退職という憲法でも保証された権利をまともに行使させない会社は、許されるものではありません。
しかし大企業も含め、そうした会社がまだまだ存在しているのも実態です。
会社を辞めるためにお金を払うのは勿体ないように思われがちですが、さまざまな嫌がらせによる精神的、肉体的、経済的負担を考えれば業者に任せる方がトクということもあり得ます。
一応は世話になっていた会社の人に、退職したいという意思を伝えるのは、気が引けるという人もいるでしょう。
会社を辞められずに困っている人にとって、退職代行サービスの利用を検討する価値は大いにあるのではないでしょうか。
まずは、自分で円満退職できるようにしようと思っている人は、
→「上手く会社を辞める方法~円満退職してアレコレ言われない3つのコツ」
会社を辞めさせてくれない時の相談先は、
→「会社を辞めさせてくれない…相談先の優先順位1~15」
あなたが無事に退職し、次のステップへ進めますように。
2018/10/26 2019/07/04