退職理由の嘘でピンチに…「ウソも方便」と言えないケースとは? | はたらくす

退職理由の嘘でピンチに…「ウソも方便」と言えないケースとは?

退職理由の嘘 退職手続き

円滑な人間関係を維持するためには、ホンネとタテマエの使い分けは欠かせません。

転職の際にも、この「ホンネとタテマエの使い分け」が重要です。
会社を辞める理由10…嘘も方便、ホンネとタテマエ「退職理由」の具体例

しかし、退職~転職の流れの中で、絶対に嘘を言ってはいけない場面もあります。

会社を辞める際に「嘘も方便」の意味を正確に理解していないと大きな失敗をする恐れがあるからです。

ここでは転職する時についてはいけない嘘とそのリスクについて解説します。


退職時に嘘をついてはならない場合

基本的にはどんな理由で会社を辞めようが自由です。

退職のときにウソの理由を述べても、あとでバレたときに誠実さや人間性を疑われるといったこと以外には基本的に問題はありません。

しかし、嘘により不正になにかを得る場合は別です。

1. 割増退職金の適用

経営再建中の企業が人員削減を目的とする場合など、割増退職金の支給が行われることがあります。

またベンチャー企業などでは、

  • 起業
  • 留学
  • 家族の扶養・介護

などを支援するために割増手当を支給する例があります。

その場合、割増退職金の支給理由に関することで嘘をついていたことが事後的に発覚すれば、割増相当額の返還請求を受ける恐れがあります。

2. 競業先への転職

会社法や労働基準法には、従業員が競業先(ライバル企業)へ転職することを禁止する条文はありません。

職業選択の自由は憲法で保証された権利だからです。

しかし、会社と労働者間の取極めである就業規則や退職時に提出する誓約書の中で、競業先への転職を禁止する会社があります。

通常はこれらの規定を無視して問題ありませんが、執拗な嫌がらせを受ける可能性もあるので注意が必要です。

そうした会社では、会社の重要情報(営業秘密)を競業先に持ち込めば、不正競争防止法違反で訴えられる恐れもあります。

嘘をついてはいけない場合

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転職先へ再就職する時に嘘をついてはならない場合

1. 懲戒解雇

懲戒解雇は、就業規則に基づく懲罰として行われるものです。

これを自己都合退職したように偽れば重要事実に関する虚偽申告とみなされ再就職先での解雇事由に該当します。

もし懲戒解雇されたのであれば、その点を率直に伝えた上で再就職先では心を入れ替え仕事に励む意欲があることをアピールすべきです。

また懲戒解雇が不当な処分であると認識している場合は、その旨を正々堂々と述べるべきです。

いずれにしても懲戒解雇を隠してもろくなことはありません。

会社がその気になって調べればすぐに判明します。

2. 整理解雇

会社の業績悪化に伴うリストラ策の一環として整理解雇が行われる場合もあります。

通常、こうした人員削減策は希望退職者の募集として行われますが、指名解雇のケースもあります。

そうした際に会社から不要な人材として名指しされたことを隠したいとの心理が働き、再就職活動を進める中で自己都合退職と偽る人もいます。

整理解雇は懲罰ではありません。

このため秘匿しても再就職先の解雇事由には該当しないはずです。

しかし、その事実を隠していれば(自己都合退職と偽れば)、印象が悪くなることは間違いありません。

3. 退職勧奨

退職勧奨(希望退職)に応じたこと自体を隠しても経歴詐称との指摘を受ける可能性はほとんどありません。

ただし少し調べれば前職企業が退職勧奨を行っていたことは分かります。

年齢、職位などから該当者に含まれるか否かはすぐに判別できるため、下手に隠し立てしないほうが無難です。

嘘をついて転職するリスク

転職 嘘をつくリスク

1. 採用取消し・解雇

言わずもがな、学歴、資格、懲罰実績など重要な経歴を偽った場合採用取消しや懲戒解雇になる恐れがあります。

必ずこうした目に遭うわけではありませんが、就業規則や過去の判例からみて、処分の取消し要求が受け入れられる可能性はほとんどありません。

この場合、懲戒解雇処分となりますので、次の仕事を探すときに苦労することになります。

2. 無資格営業に対する罰則

  • 宅地建物取引士
  • 証券外務員

など業務の前提となる資格の保有状況を偽り無資格で営業すれば、業法違反で逮捕される恐れがあります。

弁護士、会計士、税理士、不動産鑑定士などの場合、自社内だけの業務を担当する限りにおいては、資格の有無が法令上の問題になることはほとんどありません。

しかし、有資格者のように装えば経歴詐称になります。

会社が従業員の資格要件で許認可を得ているような場合は、単に個人の問題にとどまらず、会社の事業全体の大問題に発展する可能性があります。

3. 手当の不正受給に対する罰則

  • 資格を持っていると嘘をついて資格手当を受け取る
  • 転職に伴い転居したにもかかわらず、旧住所から通勤する前提で実際より多めの通勤交通手当を受け取る
  • 独立した子供や離婚した妻を扶養家族と偽って申告して扶養手当を受給する

などすれば、詐欺や横領の罪を問われかねません。

刑事事件にならなくても、ほぼ確実に懲戒処分の対象になります。

4. 営業秘密の持ち出しに対する罰則・損害賠償

前の会社の許可を得て営業秘密を持ち出したと嘘をついた場合、不正競争防止法違反で逮捕されるリスクがあります。

それにより前の会社や転職先に経済的な損失が発生すれば、民事で損害賠償請求を起こされる可能性もあります。

5. 過大な期待・職責の発生

営業、商品開発などの実績を偽って転職すれば、過大な期待をかけられたり責任を負わせられたりします。

その結果、まったく仕事がでないことが発覚して左遷されたり退職に追い込まれたりするかもしれません。

6. 評判の悪化

法令や就業規則に抵触するか否かにかかわらず、経歴を過大に「盛った」人には、嘘つきとの悪評が広まります。

その結果として、自分のことを知っている人がいない異業種や地方企業への転職を余儀なくされる恐れがあります。


退職理由で安易に嘘を使わずにすむようにするには

日本には「嘘も方便」という言葉があり、「嘘も方便」をうまく使える人が「いい大人」と言えます。

一方で、嘘つきとか詐欺師と呼ばれる人たちもいます。

両者の嘘のつき方の違いはどこにあるのでしょうか。

それは誰のために嘘をつくかという点にあります。

「嘘も方便」というのは、嘘をつかれる相手のことをおもんばかって言うことです。

それに対し嘘つきや詐欺師は、自分の利益のために虚言を弄します。

退職理由に関し嘘をつくことも同じです。

自分の利益だけを考えて、経歴をごまかしたり過去の実績を誇張したりすることは絶対に許されません。

一方で、前職の同僚や家族を傷つけないためにつく嘘には、許されるものもあるはずです。

一番大事なことは誠実な人間性

それを前提とした上で、退職理由について嘘をつくことに意味があるか否かを考えることが重要です。
 

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あなたが何もかも正直にとはいかなくても重要なところの線引きをして、うまく転職できますように。