人事考課には、
- 上司が採点する日常での業務の能力と会社への貢献度
- 自分自身による自己評価
という2つの大きな要素があります。
人事考課の点数をつけるのはあなたの上司ですので、日頃、上司から高い評価を得ておきたいものです。
しかしまだ新人のあなたにとっては、「具体的にどこをどうみて判断されるのか」それすら想像しづらいことでしょう。
ここでは、新入社員のあなたが人事考課での評価点数をうまく上げられるように、自己評価の書き方と普段の仕事での評価を高める方法について述べます。
人事考課(人事評価や査定とも言う)の攻略法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 人事考課における自己評価の書き方
人事考課において、自己評価は一つの大きな判断基準です。
ここはどんどんアピールしたいと思うところですが、しかし実際に自己評価をレポートとして作成するとなると、あなたもどう自分自身を評価すべきか悩んでしまうかもしれません。
初めてする自己評価なら尚更ですよね。
特に次のようなことが気になってしまうのではないでしょうか。
- あまりよく書きすぎると、傲慢や自信過剰に思われないか?
- アピールした事で、今後自身のレベル以上に高レベルな事を求められないか?
こういった不安が頭をよぎり、なかなか思うように自己評価できないのが現実です。
そこで自己評価がこれでいいのか自分でチェックする時の一つの例を紹介します。
2. 自己評価コメントに書くべきこと
(1) 自信を持っていること
まず、あなたが自信を持っている事に対しては、それを堂々とアピールし、採点すべきです。
傲慢や自信過剰に感じるか、それは上司が決める事です。
あなた自身、上司が求めている基準が明確に分からない以上、そういった心配をしても仕方がないからです。
もちろん過度の採点はマズいですが、堂々と誇れる事に対しては、自信を持って採点に反映させるべきです。
(2) 自信のないこと。失敗や欠点
また、失敗や欠点においては、素直にそのまま書くのではなく、プラスに活かせる書き方を意識すべきです。
例えば、仕事の手順を間違えて顧客に迷惑をかける大きなミスを犯した場合、そのまま書いてしまってはただのマイナス要素になります。
そこで、この場合、「手順を間違えるミスを犯し、その中で正確な手順とそうしなければならない意味も知り、反省と同時に学んだ事があった」と書けば、失敗をプラス要素に変える事ができます。
自己評価の書き方について詳しくは、
→「自己評価の書き方は? 人事考課シート記入の重要ポイント8」
自己評価コメントの例文は、
→「人事考課表 自己評価コメントの例文・文例・記入例!」
よく考えてみると、このスタイルは就職活動での自己PRにとてもよく似ています。
これが就活での自己PRの鉄則ですが、人事考課における自己評価もこの鉄則を基本にするといいですね。
後は上司の判断に委ね、自己評価を作成する時点では上司の心理は深く考えすぎない方がいいでしょう。
3. 人事考課とは?
人事考課を上げると言っても、
- 実際どんな評価項目があり、どんな基準でどこをどう判断するのか
それを知らない事にはアピール自体も難しいですね。
〈人事考課とは〉
人事考課とは、一言でいえば企業が従業員に対し企業が行う評価のことを指します(人事考課は法律上の定義があるわけではありませんので、用いられる文脈によって多少意味内容が異なることがあります。以下では一般的な内容に絞って説明します)。
従業員の職務遂行能力・仕事に対する姿勢や勤務態度・勤務成績(業績)の3つの評価要素が重視されることが多く、企業ごとに細かく作成された評価項目に沿って評価が行われることが多いでしょう。
実際の評価は、直近の上司(例えば課長)が従業員を観察して一次評価を行い、さらに上位の上司(部門の長)が二時評価を行い、役員等によって部門間の調整が行われるといったプロセスを経るのが一般的です。
人事考課と査定は、ほぼ同義で使われる例もありますが、評価の結果を人事考課と呼び、評価をつける際に行われる作業を指して査定と呼ぶ例も見られます。
人事考課は、人事全般、特に職能資格制度における資格や職位を決定する判断材料として大きな役割を持っています。
この他にも、定期昇給やベースアップ、一時金(賞与)の額の決定といった様々な場面で重要な役割を担っています。
出典:Q14.人事考課(査定)について法律上留意する点は何ですか。|労働政策研究・研修機構(JILPT)http://www.jil.go.jp/rodoqa/07_jinji/07-Q14.html
4. 人事考課はどう行われてる?
会社によって、どんな項目を評価するか、またその評価の点数などの付け方はさまざま。
しかし、一般的な会社での人事考課の方法を大まかに分けると、以下の三つに分類する事ができます。
- 日頃の行動や仕事に対する姿勢などを見る「行動査定」
- 仕事の出来映えや結果を見る「成果査定」
- その人の持っている力量や能力を査定する「能力査定」
具体的にどんな内容が評価基準になっているのか、詳しくは、
→「人事査定の決まり方:あなたを評価する基準はどうなってる?」
さらに、それぞれ次のような評価により判定されます。
あらかじめ設定されている基準との比較
・・・会社が定めた標準レベルに対しての、あなたのレベルで判定
従業員同士での比較
・・・あなたを含めた従業員同士のレベルを比較して、順位付けした上で判定
上司による人物評価
・・・あなたの人物評価、人柄や自己申告も含めた上で判定
これら三つの要素が人事考課において深く関わってきます。
・・・と言う事は、これらをしっかり押さえておき、それぞれの項目で高い評価を獲得できれば、人事考課においてあなたは高得点を得られるのです。
5. 人事考課の査定評価アップを狙うには
あなたの給与やボーナスに関わる人事考課。
サラリーマンにとっては、ある意味成績表のようなものです。
ということは、少しでもいい点数を取りたいですね。
会社の人事考課である以上、査定のメインとなるのは職務、仕事におけるレベルの高さ、どんな成果を上げたかです。
これは普段の仕事を頑張ることが一番です。
新人の場合は、それほど成果というものが表に見えてこないことが多いので、次に紹介する査定を上げる手段に気を配ってください。
これは、いわば底上げとなるプラスアルファの部分です。
「プラスアルファ=付加要素」まで気にしている社員は少ないでしょう。
だからこそしっかりと実践すれば、良い評価してもらう事ができます。
6. 新入社員が査定アップを狙うポイント
<日常会話でのなにげない発言に注意する>
何でもない日常会話の中で、会社と仕事にどれくらいの熱意を持っているかを判断されます。
飲み会の場での仕事と関係ないような雑談の中でも、調子にのって会社の悪口や批判を言ってしまうと、上司はその事をしっかりと覚えていて、人事査定に影響を及ぼしてしまう事があります。
このため、常に見られているという意識を持つ事が大切です。
<職場での態度や姿勢に注意する>
また、仕事中の態度や姿勢も関わってきます。
会社のルールを守った身だしなみはもちろん、明らかに悪い意味で目立つ態度や姿勢は厳禁です。
例え会議や社内研修に積極的に参加したとしても、その時の態度や姿勢が悪ければ逆効果です。
社会人に最も求められるのは真面目さです。
その真面目さは、こういった外見で判断されてしまうものです。
<先へ先へ、仕事を早くこなす>
期限内に仕事を終わらすだけでなく、どうせならいち早く仕事を終わらす事を意識してみてください。
もちろん、質をおろそかにしてまで早めるのはNGですが、毎回誰よりも早く仕事を終わらせる事ができれば、上司はあなたの事を大きく評価します。
誰しもミスをしたくない意識が強いため、確実性を重視しすぎてスピードにこだわらない社員が多いのです。
むしろ〆切ギリギリになって間に合いました!と堂々と書類を提出するような人が多いのが現状です。
そんな中で質だけでなく、仕事の早さにもこだわるあなたの姿は間違いなく印象に残りますね。
<上司の価値観に合わせる>
上司も一人の人間である以上、仕事において重視する部分を必ず持っており、それは上司によっても違います。
例えば、基本となる「報告」、「連絡」、「相談」を考えた時、上司によっては何よりも「報告」を重視するタイプもいれば、「連絡」を重視するタイプもいます。
そんな上司の価値観を毎日の仕事の中から知り、その価値観に合わせたスタイルを意識してみてください。
仮に「報告」を重視する上司なら、あなたも何よりも「報告」を意識する部下となれば、あなたは上司の好みの部下になる事ができ、人事査定において有利になりますよ。
<仕事のできる先輩を見てスキルアップを狙う>
ただ先輩の仕事を見るのではなく、その時の先輩の行動にも注目してみてください。
- 判断力
- 企画力
- 指導力
- 協調性
- 積極性
など、知識と経験が豊富な先輩は、こうした部分にも長けています。
そしてこれらはいずれも、人事考課の対象となってきます。
これらの部分はマニュアルでは覚えられないですし、実際に先輩を見てそれを手本にして学ぶべき事なのです。
7. 正しい人事評価をしてもらうための一番の基本
人事考課でいい点数をとるには、なんといっても仕事で業績を上げること、仕事に取り組む姿勢やその能力を見せることが肝心です。
しかし、まだ仕事を始めたばかりでは、同期と差をつけることも難しいですよね。
人事評価で一番ウエートが大きいのは直属の上司です(たいてい課長)。
その次が、その上の上司(例えば部長)。
普段一緒に仕事をしている上司と言えど、あなたの事を完全に把握しているわけではないですから、正しい人事評価をしてもらうには、上司にあなたの事をしっかりと理解してもらう必要があります。
新人の評価の基本「ほうれんそう」
そこでキーになってくるのが、「報告」、「連絡」、「相談」の三つです。
これらは社会人の基本であり、それぞれの頭文字をとって「ほうれんそう」と呼ばれています。
この「ほうれんそう」のそれぞれにおいて、しっかりとした部分を見せれば、あなたの人間性が理解され高評価につながります。
同時に、同期や周囲の同僚たちと差をつける事ができます。
では実際に、「ほうれんそう」のそれぞれで意識すべき具体的なポイントを紹介していきます。
<報告>
上司に報告をする事自体は、意識するまでもなく必要です。
つまり、この場合は報告の仕方自体が重要になります。
報告する手段としては、
- 口頭で直接報告する
- 書面やメールで報告する
のどちらかですが、最も効果的なのは、口頭と書面の両方の手段で報告する事ですね。
少し話がそれますが、あなたを理解してもらう上で重要なのは上司とのコミュニケーションです。
ただ実際には上司と直接会話し、コミュニケーションをとる機会は限られているのが難点です。
そんな中、口頭で報告するのは上司とコミュニケーションをとる貴重な機会となるのです。
<連絡>
成果を挙げるたびに連絡する部下、それは上司の視点から見るとかわいい部下の特徴の一つでもあります。
また、逐一連絡をくれることで、上司は現場の状況をリアルタイムで知ることができ、その結果あなたの事を頼れる部下としても認めてくれます。
ただし連絡と言ってもメールでの連絡は禁物です。
確かにメールでも連絡をする事はできますが、印象の意味ではあまりいいとは言えないですね。
ここはあなたの熱意を伝えるためにも、必ず電話で連絡するように心がけてください。
<相談>
何事も上司に相談するのは、上司の視点で考えれば頼られている証でもあります。
部下から頼りにされている事を実感すれば、当然上司としても悪い気はしないでしょう。
仮に部下の気持ちを掴めなくて悩んでいる上司なら、あなたからの相談は嬉しくすら感じます。
頼れる部下と思ってもらう事はもちろん大切ですが、人事考課を意識した場合、かわいい部下と思ってもらう事も大切になってきます。
これを狙って、仕事や会社関連で悩みがあれば、上司に相談してみるといいですね。
人事考課の査定アップでボーナス、昇給を目指そう
人事考課というのは目に見えない分、どこをどう意識すべきか分かりにくいものです。
この記事で挙げた評価のポイントを日頃から意識し、しっかりと実践していきましょう。
そして、自己評価でも冷静に自分自身の業務がどうだったかを振り返り、未来へ向かって成長する姿を見せれば、きっと、高い評価点数を得る事が出来ます。
いい評価を受けて、しっかりと昇給、昇進の階段を登っていってくださいね。
人事査定の決められ方は、
→「人事査定の決まり方:あなたを評価する基準はどうなってる?」
人事考課の自己評価の書き方のポイントは、
→「自己評価の書き方は? 人事考課シート記入の重要ポイント8」
人事査定での自己評価コメントの具体的な例文は、
→「人事考課表 自己評価コメントの例文・文例・記入例!」
あなたが上司の立場で、部下に対して評価コメントを返す側であれば、
→「人事考課の上司コメント。部下へ返す評価コメント例文と注意点」
言うまでもなく、あなたを査定する上司との人間関係は、人事考課に大きく影響します!
→「苦手な上司との人間関係を改善する~上司を味方にする方法4ステップ」
職場での普段からの評判を高めたい人は、
→「仕事で評価されないのはなぜ?…社内での人物評価を上げる5つの方法」
こちらも実践して、周囲からの応援も勝ち取りましょう。
しっかり高評価されて、あなたの仕事がもっと楽しくなりますように。