うつ病での休職手続き~治療~スムーズな職場復帰のための手順

スムーズな職場復帰のための休職の手続きは? 人事

うつ病を発症してしまい、会社を休職せざるをえない状況になったら…。

復職して再発しない為にも、まずはしっかりと休むこと。そして徐々にリハビリをしながら復帰を目指しましょう。

うつ病は「心の風邪」ではなく「骨折」と考えた方がしっくりきます。

骨折は安静し、治ってきたらリハビリが必要です。そして徐々に動かす量を上げて行きますよね。

うつも同じように、安静し、徐々に動かし、動かす量を少しずつ上げて行くことが求められます。

うつ病で休職する方の、スムーズに職場復帰を果たすための流れと、休職手続き、休職中の会社との連絡、復職手続きのポイントを説明します。


[ INDEX ] この記事の目次

休職から職場復帰までの3段階の治療時期

うつは心の風邪とも呼ばれますがその治療過程を考えると「心の骨折」と考えた方がしっくりきます。

風邪は寝ていれば数日で治りますが、うつ病はそうは行きません。
その治療過程が似ているのは骨折です。

うつ病の治療

骨折したらまず固定して安静にします。ある程度良くなったら今度はリハビリをしますよね。そして徐々に動かす量を上げて行きますよね。

治りかけで急に運動などの激しいことをしたらどうなるでしょう?きっと骨がずれたりします。

うつも同じで休むべきときに休み、リハビリをするときにはリハビリをするという過程をふみます。

そして、職場復帰の時も、出勤していきなり全力で仕事をしたら再発しかねません。

「徐々に動いて行く」「少しずつ仕事をする」ということが大切です。


1.要治療期

2.復職準備期

3.復職期

それぞれの過ごし方を解説します。

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うつ病の診断から休職までの手続きと流れ

うつ病で休職するにあたって大切なことは「休職の手続きをキチンと行い、会社との連絡や連携を調整する」ことです。

それにより休むことに集中でき、結果としてスムーズに職場復帰を果たすことが出来ます。

うつ病になってしまった…と不安も多いことかと思いますが、上司と医師と連携をとって手続していきましょう。

ステップ1. まずは病院で受診

うつと言っても色々症状がありますし、その時期ごとにもやるべきことが違います。病院で受診し医師の判断を仰ぎましょう。

1. 休むべきときに休むことが大事

骨折も安静にすべきときに動かすと骨がくっつかないように、うつ病も休むべきときにしっかり休むことが大事です。

また、少し良くなったからといって、無理をすると再発しかねません。

徐々にリハビリをし、動かす量を増やして行きます。

ステップ2. 会社に診断書を提出し休職手続きを行う

1. 医師に診断書を書いてもらう

まずは受診し医師に診断書をかいてもらいます。発行には数千円の費用がかかります。

2. 診断書を勤務先(主に上司)に提出する

当然ですが勤務先(主に上司)に診断書を提出しないといけません。黙って仕事を休むのは問題です。

もし会社に出社して届けることが困難であるならば、会社と相談して郵送などの手配をとります。

3. 窓口はひとつに絞る

情報が分散してしまうので窓口はひとつに絞る方が良いでしょう。基本は上司です。

もしくは人事労務担当者の場合があります。

ステップ3. 上司や会社と休む際に、報告することや確認すること

1. 会社との連携の必要性を理解する

しっかりとした治療に専念し、職場復帰をするためにも、会社(上司)に報告連絡相談を行うことを理解する
    
長期療養を強いられる場合がありますし、また復帰の際にも徐々に仕事になれていくなどの配慮がなされると思います。

うつ病で辛い状況だと思いますが、報告連絡相談だけは行うことが大切であることは理解しましょう。

2. 職場の上司に説明をする

上司と相談

「どのような病気?」「どんな症状」「どんな治療を行っていくか?」などの説明をします。

病気は以外と知られているようで分からないことも多いです。そして偏見も多いです。

相手が「鬱」について理解しているとは思わず、丁寧にわかりやすく説明をしましょう。

3.上司に医療機関まで同行してもらうことも考慮する

とはいえ病気を伝えるということはとても専門的な知識が必要な場合もあります。医学的な説明が難しい場合、理解してもらえない場合もあります。
     
その場合、上司に医療機関まで同行してもらい、主治医に説明をしてもらうという方法もあります。

4. 休職期間中の業務の引き継ぎ

休職期間中の業務の引き継ぎを話しあいます。

5. 取引先へのどのように伝えるかなど上司と相談

上司や職場の人には休職して長期療養するので、ありのままに話す必要がありますが、取引先や外部の関係者にはどのように伝えるか、上司と相談します。

個人的でデリケートな問題ですから、どの程度知らせるのかはケースバイケースになります。

6. 職場の療養制度について聞く

会社には休職中にも給与補償など色々な使える制度があります。
溜まっている有給もあるかもしれませんね。

収入が無くなると不安で治療にも影響してきます。
安心して休めるためにも確認しておきます。

7. 復帰の手順を決めておく

回復してきたら医師から働いて良いという「復職診断書」などを提出することがあります。これも事前に確認しておくと良いです。

8. 休職中の相談先についての共有

休職中の相談先など(上司or人事労務担当者)も決めておくと良いでしょう。

9. 定期的な連絡のタイミングと方法を決める

本人としてもまったく会社と連絡を取らないと不安になると思います。

月に1度くらい状況の連絡をするということを会社と本人とで決めておくのがおすすめです。

 

・・・・・ここまで会社と話し合いをがきっちりできれば、安心してゆっくり休職に入りましょう。

1.うつ病 要治療期「心と体のエネルギーを充電する時期」

医師からうつ病と診断されて治療に専念する時期です。

休職、または退職して、しっかり休むことが最優先です。

薬物療法と併行しながら何もせずに心と体を休めます。

特に病気になったばかりの頃は心も体も疲れはてており、動くことすら大変なこともあります。場合によっては入院することも検討します。要治療期のポイントを3つご紹介します

1 「仕事をしなくては」という罪悪感を捨てる

うつになる人の中にはまじめな方が多いので、仕事を休み始めた時期は仕事をせずに家でじっとしていることに罪悪感を強く感じてしまう人がいます。

罪悪感から家で仕事をしたり、メールをしたりする方もいますが罪悪感を捨て、休むことが大事です。

2 「◯◯しなくては」という思いを捨て休む

これまで仕事に邁進してきた方が多く、休養するといってもどうして良いかわからず戸惑ってしまう方もいます。

休養のポイントは「◯◯しなくては」という思いを捨て、自分のしたいようにすることです。

睡眠

起きるのがつらければ、1日中ゴロゴロしていても怠惰な生活に後ろめたさを感じる必要はありません。

反対に動きたいと思ったら少し散歩に出ると良いでしょう。この時、「健康的な生活をしなければ!」と思って無理な運動など禁物です。

判断も鈍っているので会社を辞めるなど、大きな決断は避けた方がよいです。

3 要治療期後半には身の回りのことなど出来る範囲で行う

後半には、少しずつ身の回りのことが出来るようになってきますので「読書をする」「身の回りの家事を少しずつ行う」「体を少し動かしてみる」など少しずつ動かして行きます。

この時期焦って職場復帰を考えて、復帰してしまうと十分なエネルギーが戻っていないので再発しやすいものです。

焦らず少しずつ休養をしながら動きたくなったら動くというように心がける必要があります。

4 定期的な医師の診察を受け、治療の状況を確認する

復職に向けて動き出してもいいだろうという診断が医師から出れば、復職に向けての動きをゆっくりと取り掛かっていきます。


2.うつ病治療 復職準備期「少しづつリハビリにとりかかる」

症状が落ち着き、心に余裕が出てくる時期です。少しずつ職場復帰に向けた準備を始める時期です。とはいえすぐに職場復帰するのは症状が再発しかねません。

徐々にリハビリをしながら職場復帰へむけて準備を整えて行きます。復職準備期のポイントを3つお知らせします。

1 生活リズムを整え、規則正しい生活が出来ることを目標にする

リハビリの第一歩は「生活リズムを整えること」です。

休養を第一としたこれまでの生活では、生活リズムが乱れていることが多いものです。

しかし職場復帰して社会に出れば、出勤のための時間通りに起床したり、食事も決められた時間に取るという生活に戻さなくてはなりません。それを辛く感じないよう少しずつ心身をならして行きます。

「生活の記録」などを着けることで、生活のリズムを戻していきます。

2 同じ時間に起床し、体を動かす

生活リズムの中でも最も重要なのが睡眠に関わるリズムです。朝7時か8時には起きるというリズムに戻すことが大事です。

その為には日中軽く体を動かすことが大事になります。ウオーキングなどの軽い運動がおすすめですが、最初は散歩程度でかまいません。また日常生活には体を動かすチャンスが結構あります。

散歩

例えば家の掃除をする、ウインドウショッピングをする、エスカレーターを使わずに階段の上り下りをするなどです。注意したいのが、がんばりすぎないことです。少しずつ行うのが良いです。

3 電車に乗って移動する

基礎体力が付いてくると電車に乗れるようになってきます。最初は昼間の空いている電車から始め、だんだんとラッシュの電車にのって通勤出来るよう練習してみるというのも良いですね。

4 図書館で本を読んでみる

静かな図書館のような、緊張感のある空間に長時間身を置けるか、集中して読書が出来るか練習してみるのも良いです。

5 復職プログラム(リワークプログラム)を利用する

復職を目指す人も退職された人も、医療機関や地域職業センターなどの関連施設では「復職プログラム(リワークプログラム)」が実施されています。

これは、職場復帰などのリハビリテーションを行うプログラムです。

パソコンを使った資料作成のトレーニングや運動療法やグループワークなどを行っています。

復職プログラムには心理プログラム(認知行動療法)も含まれていることが多いです。

これは自分の考え方や認知を見直し、病気の再発を予防する療法です。

うつ病などの精神疾患の治療効果の高い心理療法として注目を浴びています。

リワークプログラムは、決まった時間に起床し、通勤し、決まったプログラムを行うのでリハビリには最適です。

また同じ境遇の仲間も出来ますので、一緒になってやっていくことも出来ます。まずは主治医に相談してみるのが良いです。

復職プログラムを行っている団体

●全国の都道府県に設置されている地域障害者職業センターリワーク支援事業

※東京のリワーク支援のプログラム (http://www.jeed.or.jp/location/chiiki/tokyo/om5ru80000009ilf-att/om5ru80000009iqq.pdf)

●病院やクリニックなどのデイケア
心療内科のある病院やクリニックで復職支援のデイケアを受けることができます。

●リワーク活動している医療機関や施設を検索
うつ病リワーク研究会 http://www.utsu-rework.org

うつ病で休職・退職した人が⇒仕事・職場復帰・再就職する復職支援プログラムの利用法
うつ病が回復してきたら、休職中だった人は復職を、退職した人は再就職を考えることでしょう。 しかし、いきなり仕事復帰すると、再発の恐れが大きくなります。 また、すぐには職場復帰へ気持ちが向かない人もいるかもしれません。 そん...

6 退職者は「就労以降支援制度」を使い、再就職の準備が出来る

退職した方で再就職を目指す方は「就労移行支援制度」を利用することも出来ます。

就労移行支援とは、障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスのひとつで、障害を持っている方が就労に付くことをサポートしてくれる場所(事業所)です。

働くことへの意欲がある障害者に、仕事をする上で必要なスキル等を身につける職業訓練、面接対策などを通して就職活動をサポートしてくれます。

役所やハローワーク、病院等の関連機関と連携しながら、個々の適性に合った就職を目指します。就職後には職場への定着支援もあります。

就労移行支援事業所を利用するには、行政が発行する「受給者証」が必要です。

お住まいの市区町村の窓口(保健福祉部健康福祉課など)で、障害福祉サービスの支給申請の手続きを行います。医師と相談してみてください。


3.うつ病治療 復職期 「少しづつ仕事を始める」

あせらずじっくり復職復帰に向かう時期です。骨折も治りかけで行きなり全力で動くとまた痛めるのと同じように「徐々に、少しずつペースを上げて行くこと」が必要になります。

1) 医師、職場、本人の3人の判断が必要

いくら医師が働いても大丈夫と判断しても職場も大丈夫というとは限りません。

医師は詳しい業務内容まで分からないからです。その為にも職場とも良く話し合います。また自分でもどんな働き方なら大丈夫か伝えるとよいでしょう。

2) 医師、職場、本人の合意が必要

職場と話し合い、どのように職場復帰をするか話し合います。

面談で話すことは以下のようなことがあります。

・今の自分に出来ることは何なのか?何から始められるか?

・復職プログラムで行ってきたことなど集中力や仕事を遂行する能力がどの程度戻っているか

・薬の服薬状況など もし車を運転するならそれへの影響など

・・・それらを踏まえ復職のプラン等を考えて行きます。

職場復帰には本人、主治医、会社の合意が必要です。

症状が回復し、主治医から「働ける」と言われても、すぐに会社でも働けるというわけではありません。

主治医はあなたの性格や業務の特質、自己管理などを考え「働ける」と言いましたが、会社や業務の詳しい状況などはわかりません。

会社とも話し合い、会社がどの程度、どのくらい働けるか、どのように働けるかを判断し、合意することで職場復帰が出来ます。

1. まず主治医に診断書を書いてもらう

主治医から働いても良いと言われたら「職場復帰可能診断書」を医師に書いてもらいます。

3. 職場に本人が連絡し、必要な書類を提出する 

職場の指示に従って必要な書類を提出します。主に必要なものは下記です。

  • 診断書
  • より詳しい情報 復職プログラムなどで行ったレポートなど

2. 本人と会社が面談をする

本人と上司や人事労務担当などを含めて、職場復帰に向けた面談をします。会社側としては下記のようなことが聞かれると思いますので、用意しておくと良いでしょう。

  • 職場復帰に必要な体力や気力が戻っているかどうか。生活リズムが戻っているかどうか
  • どんな働き方なら出来るか(試し勤務や部署変更、仕事内容の変更)
  • 服薬はあるか。業務への影響はあるか。例えば車の運転など

職場復帰へ

3. 面談での本人からの情報提供のポイント

面談では本人からも具体的に伝えるとよいでしょう。

  • 出来ることをつたえる(例:書類整理などは出来ます)
  • いま出来ていることを伝える(例:リワークプログラムで行ったことなど)
  • 具体的な希望を伝える(例:簡単な作業から徐々に始めたいです)

4. 具体的な復職に向けたプランを作成する

具体的な職場復帰に向けた計画を決めます。

  • 職場復帰の予定日はいつか?
  • 職場復帰の予定部署は?仕事内容は?
  • 働き方(例:慣らし勤務から始めるなど)
  • 給与などの補償の確認

3) 試し勤務などで徐々に始める

「午前中3時間」だけの短縮勤務から始めるなど、職場と話し合い勤務の条件を確認しましょう。

4) 意識的に仕事量をセーブする

仕事に戻っても、しばらくは意識的に仕事量をセーブすることが大事です。

調子が良い!と初めから飛ばすと後々疲れてしまうこともあります。意識的に仕事量を押さえることが大事です。

職場復帰すると「遅れを取り戻さなきゃ」と思い焦る気持ちが出てきますが、まだ本調子ではありません。

焦る気持ちはわかりますが意識的に仕事をセーブして行くことが大事です。

朝、出社が辛い場合も同様です。無理をすると回復が遅れます。

5) 1人で溜め込まず相談する

復職後すぐは、不安や焦り、ストレスになることが多いと思います。大事なことは1人で溜め込まないことです。

上司に相談し、早退などの対応を取りましょう。

無理して再発する方が周りは困ります。早退で迷惑を掛けると思わずにすぐに相談しましょう。

不安や焦り、悩みなどは話せる相手に話しましょう。主治医や家族、また復職プログラムの仲間などと話すのが良いでしょう。

6) 体力、気力が戻るまでに数ヶ月はかかる

職場復帰した頃には100%は回復していません。焦る気持ちはあるとは思いますが数ヶ月はかかると思いじっくり取り組んでください。

7) 日頃から出来るストレスケアを心がける

実社会ではストレスを避けることはできません。そこで心身の疲れを取る為にもリラックス方法を持つと良いでしょう。

半身浴なども良いです。散歩などの軽い運動や睡眠をしっかり取ることも引き続き大切です。

8) 出来たことに目を向けるようにする

遅れを取り戻そうと焦ってしまいそうになりがちですが、まずは、しっかり回復することが大事です。

人と比べたり、結果だけにとらわれず、出来たことに目を向けることが大事です。

9) 医師と連携し、予兆を感じたらすぐに相談する

うつ病は再発の可能性がある病気です。主治医などのこまめに報告し、再発の兆候などないか報告しておきましょう。

すぐに疲れたり、頭痛やめまいなど体の不調をはじめ、食欲がない、眠れないなど「いつもと何か違う」と思ったらすぐ相談してください。

職場復帰には医師と会社との連携が欠かせない

うつ病の治療には長い期間を要します。また復職しても再発ということもありますので長い目で見た取り組みが必要です。

そのためにも多くの方の協力や連携が必要になります。特に医師や会社との連携がかかせません。

また、職場の手続きを知ることは、治療に集中し、スムーズに職場復帰をするためにも必要になります。

主治医、会社との連携がうまくいけば、治療がしっかり行き届き、職場復帰がスムーズになります。

また、病院や障害者職業センターなどで実施している復職プログラムなど、復帰への足がかりになる制度はたくさんあります。休業補償などの制度もご活用ください。

うつ病からの仕事復帰のサポート制度の活用は、
うつ病からの仕事復帰は? 復職支援プログラムと再就職支援

うつ病で休職した時の収入の補償制度については、
休職したいと思ったら…休職の理由、休職中の給料は?

中途半端な休みや治療で、復職を果たしたところで再発しかねません。ゆっくり休んでスムーズに職場復帰できますように。