管理職の役割は?管理職になったらまずやるべき5つのこと

管理職になったら

管理職の役割は、部門(部署、チーム)目標を達成することです。

平社員は自分に課せられた個人目標の達成を目指しますが、管理職に個人目標はありません。

課長、係長など初めて管理職になる人は、この点を肝に銘じましょう。

管理職はプレーヤーとして成果を上げる人ではなく、与えられたヒト、モノ、カネを上手にマネージメントして、チーム全体の目標を達成に導く人です。

管理職に期待される具体的な役割について紹介します。


管理職の役割1:部門目標の確認

管理の役割を果たすためには、まず会社が示す部門目標を把握することが大切です。

たとえば、営業部の係長であれば、自分の係について以下の点をすぐ上の上司である課長に確認しましょう。

1.売上目標(金額、件数、数量)

2.既存取引の維持目標(金額、件数、数量)

3.新規取引の獲得目標(金額、件数、数量)

4.利益目標額

5.経費予算総額

6.行動指標(KPI: Key Performance Index)

7.人材育成・能力開発の目標

8.各目標の優先順位

部下に嫌われる管理職のタイプとして、“優柔不断な人”、“なんでも丸投げする人”、“指示が二転三転する人”などがよく言われます。

こうしたダメな上司にならないためには、まず自分に与えられた目標を正確に認識することが大切です。

とくに、(8)各目標の優先順位について、自分の上司(係長であれば課長、課長であれば部長など)と認識を一致させることが重要です。

これをしないとあらゆる仕事が中途半端になり、1つも十分な成果を上げられなくなる恐れがあります。

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管理職の役割2:業務条件の確認

管理職の役割を担うことになったら、目標だけでなくそれを達成するために会社が与える条件も確認することが重要です。

たとえば営業部の係長であれば、以下の点を押さえましょう。

1.取扱商品、サービス

2.取引先法人、販売テリトリー

3.販売価格、リベートの決定権限

4.新規取引先の承認権限

5.部下の人数、属性(職種、年次、スキルなど)

6.部下に対する指揮・命令権の範囲

7.部下の人事考課、異動、採用権限

8.施設、設備、機器の管理権限

9.経費支出権限

管理職が部下にきちんと指示できない理由には、業務条件をしっかりと把握していないこともあります。

テリトリーをよく理解していなくて隣の課からクレームがきたり、勝手に値引き交渉をして部長におこられたりする管理職では、部下に適切な命令ができません。

自分の指示に問題があることを認識しないで部下の責任を追及すると、“自分のミスを部下に押し付ける管理職”という印象が広まり、部下のモチベーションが下がりますので注意しましょう。

管理職の役割3:ヒトの管理

管理職の具体的な役割は、目標達成のために自ら立案した戦略を実行することです。その中で一番重要なことは、ヒトの管理です。

自分の戦略を実行するのは部下です。管理職はその人たちが目的達成に向け100%以上の力を発揮できるようにモチベーションを高めなければなりません。

1)組織の目標を共有し、個人の目標を割り当てる

そのためには、まず自分が与えられた部門目標と業務条件を一人一人の部下に割当て、部下と自分の認識を一致させることから始めましょう。

ほとんどの管理職は、前任者からその立場を引き継ぎます。このため、自分が何もしなくても部下は前任者の指示どおりに動きます。

しかし、こうした前任者が引いたレールに乗っかっているだけでは不十分です。

どんな組織にも何らかの問題点があります。新任管理職は、新鮮な目で部門の課題や改善余地を整理し、部下に与える目標や業務条件をアジャストしなければなりません。

部下は自分の目標と業務条件に納得すれば、自発的に動きます。

さらに管理職が目標の優先順位を示したり、成果が上がらないときに改善の道筋を示したりすれば、高いモチベーションを持って一生懸命に働きます。

そして、たとえ部下のミスであっても、仕事を命じた管理職が最終的な責任を負う姿勢を示せば、部下のモチベーションは大いに高まります。

部下の指導に関し、山本五十六・旧日本海軍元連合艦隊司令長官が、「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」という格言を残しています。

この4つを適切に実践できれば、部下の成果、モチベーションとも必ず向上します。

2)部下の教育、育成

管理職の役割には、中長期的な観点から部下の能力開発を図ることもあります。

部下が様々なポジションでより高度な仕事をおこなったり、IT化など社会情勢の変化に適応したりするためには、管理職の直接的、間接的な指導や教育も欠かせません。

人材育成の目的には、免許・資格取得などのスキル向上だけでなく、その会社の一員にふさわしい人格形成も含まれます。

部下を持つ上司となったら、単なる「先輩」以上に、会社の中で脈々と受け継がれる伝統的な精神や行動規範などを伝えていくことが大切です。

豊富な経験があり高い位置から組織全体を見渡せる管理職が浸透させることにより説得力が高まります。

3)部下同士の人間関係の調整

会社で働く従業員の悩みナンバーワンといえば今も昔も人間関係です。

部下同士の仲が悪いとチームの士気は下がり、目標に向かって統率をとることも難しくなります。

単に感情的なものであればそれぞれの言い分を聞いて、さらに部下同士で話をさせるなどして和解にもっていきます。

仕事のやり方、仕事に対する考え方の違いなどで衝突している場合は、管理職であるあなたがしっかりした方針を示す必要があります。

チームの目標を達成するために各々の役割を果たすことが仕事であることを理解させましょう。

新入社員や社員としての年次が浅い部下と比較的ベテランの部下でタッグを組ませて仕事を教えていくといったマネージメントも管理職の役割です。


管理職の役割4:モノの管理

管理職は、部下がモチベーションを高められる職場環境を整えなければなりません。

環境には、企業風土や人間関係など目にみえないことに加え、オフィス、工場、倉庫、IT機器、営業車、製造機械などのモノがあります。

環境整備とは、部下が望むものをすべて与えることではありません。

子供と同じで部下は何でもほしがります。それをすべて与えることはできませんし、無理して要望に応えるべきではありません。

大事なことは部門目標の達成です。そのために必要な条件を整理し、優先順位をつけた上で、できることから対応すればよいのです。

営業部門であれば、快適なオフィス空間の優先度はあまり高くない一方、モバイルPCやタブレットを全員に配布することは必須でしょう。

逆にほとんど外出することがない総務部門では、空調、デスク、イスなどの整備は重要ですが、電話やパソコンは旧型機の共用でも構わないかもしれません。

管理職は、部門目標の達成に不可欠なモノは絶対に手に入れなければなりません。

営業部門では、通信手段と交通手段の確保は必須です。経理部門は、財務会計ソフトやネットバンキング・システムを利用できなければ話になりません。

ここまで極端でなくても、必要なモノを調達できなければ、業務に支障が生じかねないだけでなく、部下のモチベーションが大幅に低下します。

モノの整備状況は分かりやすいだけに、ここで汗をかかない管理職を部下は尊敬しません。とにかく必要なモノは、自らの上司や予算管理部署と交渉してでも手に入れることが大切です。


管理職の役割5:カネの管理

ヒトとモノの管理は、最終的にカネの管理につながります。管理職の役割は、部門目標の達成に必要なヒトとモノを最もうまく動かすようにカネを配分することです。

予算には限りがあるため、まず部門に与えられた仕事をおこなう上で必要不可欠なヒト、モノにカネを回します。その上で管理職には、部下のモチベーションの最大化を図るための生きたカネの使い方が求められます。

日本のサラリーマンは、仕事に対し真面目に取り組む協調性の高い人が多いため、職場環境の整備や評価結果のフィードバックに対する要求が強い傾向があります。

こうした特徴を押さえて、最新のIT機器をそろえたり、分かりやすい報奨金制度を導入したりして、モチベーションの向上を促すことが大切です。

業績が悪化すると、よく全部門に対し一律5%、10%などの経費削減目標を設定する会社がみられます。予算を管理する立場にとって、こうした施策は分かりやすいのですが、現場の管理職は同じことをしてはいけません。

係など最小単位の組織を任される管理職の場合、そもそも自らの裁量によりコントロールできる予算の範囲は狭いですが、たとえば、社内向けの印刷物は徹底的に減らす一方、顧客向けの資料は引続き見栄えのいいものを用意するといったメリハリのある対応が重要です。

管理職の役割6:業務改革

ほとんどのサラリーマンは、今の仕事のやり方を変えれば劇的に成果が上がったり、コストを削減できたりすると思っていることをいくつか考えているはずです。

とくに部門の統括責任者である管理職には、業務改革のポイントがよく見えているはずです。

ある程度、管理職としての日々の業務に慣れたら、次の業務改革に着手しましょう。日常の業務をおこないながら、業務運営体制の改善を進めることは大変ですが、それも管理職に期待される役割です。

さらに業務改革を超えて事業構造そのものを変革することも、管理職の役割の1つです。

10年、20年先を見通して、今の主力事業が賞味期限切れになる前に新規事業を育てることが、とくに上級管理職や幹部社員にとって大切な役割となります。


管理職の醍醐味は組織で成果を上げること

いかがでしたでしょうか?

つまるところ管理職の役割は、自分が任された部門の目標を達成することにつきます。

プレイング・マネージャーであっても、部下と同じ意味での個人目標はありません。

組織として目標を達成するために戦略を立案し、部下をマネージメントして実行するのみです。

特に中間管理職にはいろいろ大変なこともありますが、個人で物事を進める一般社員とは異なるやりがいがあります。

自分の方針にしたがい一生懸命働く部下に感謝しつつ、明るく前向きにより大きな仕事にチャレンジしましょう。

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あなたが管理職として大きく飛躍できますように。