後輩指導のポイントは、見せる、聞かせる、させる、ほめる

後輩指導のコツ

みなさんが後輩指導を任されたときは何をすべきでしょうか。

自分の仕事だけで手一杯なのに後輩の指導までするのは難しい……と思うかもしれません。

実際に後輩の育成というのは大変な役割で、これまでとは違ったストレスを感じることもあるでしょう。

ただ漠然と後輩に仕事を教えればよいと考えているだけでは、上司が期待するような指導ができず失敗するかもしれません。

  • 何を心がけて後輩指導に臨むべきか
  • 何を指導するのか
  • 後輩や上司は指導役の先輩に何を期待するのか

ここでは、はじめて後輩を指導する役割を与えられた先輩社員のために、後輩指導のコツを解説します。


後輩指導で心がけるべき10の留意事項

元連合艦隊司令長官の山本五十六は、

    「やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ」

との名言を残しました。

さらに「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」と続きます。

ここに後輩指導の要諦が示されていますが、これを実践すべく以下の点に留意し誠実に取り組むことが大切です。

1.後輩の期待を把握すること

まず、指導を受ける後輩が何を望んでいるか把握します。

仕事については十分に理解していないでしょうから、指導方法や接し方に対する要望を中心に聞けば良いでしょう。

2.上司の期待を把握すること

自分を指導役に任命した上司の期待も最初に確認します。

とくに後輩が身に着けるべきスキル・ノウハウ達成すべき数値目標を明らかにすることが大切です。

3.目標を明確にすること

後輩と上司の期待内容を整理して指導目標を明確にします。

それを後輩、上司と共有することが指導の第一歩となります。

4.ルールを明確にすること

目標だけでなく、指導の手順や基準を明確にすることも重要です。

先輩が個人的な見解や感情に基づき指導していると思われないようにしましょう。

5.仕事に厳しいこと

ルールに照らし期待どおりの仕事ができない場合は、根拠を明確にした上でしかることが大切です。

早めに仕事の厳しさを教えることも親心です。

6.人にやさしいこと

仕事に対し厳しい姿勢を見せることは重要です。

ただし、日頃は柔らかい物腰で後輩に接し丁寧に教えることが求められます。

しっかり指導せずに結果だけを求めてはいけません。

7.辛抱強く待つこと

「後輩はできないもの」と思って辛抱強く待つことも欠かせません。

イライラすることもあるかもしれませんが、ここは我慢です。

始めのうちは仕事の絶対水準よりも、ベクトル(向上しているか否か)をみて評価しましょう。

8.失敗を的確に指摘すること

後輩のミスは客観的、具体的に指摘することが大事です。

お客さんの前で上司の行動に尊敬語を使っていたとか、明確に理解できる指摘を行うことが求められます。

9.成功を心からほめること

後輩が仕事をやり遂げたときは心からほめましょう。

ただし、安易な過大評価は禁物です。

本人の増長を招いたり逆に不信感を抱かれたりします。

10.自らの誤りを率直に認めること

先輩も万能ではありません。

間違ったときは素直に認め謝罪することが重要です。

謝り方を後輩に示すことも先輩の役目です。

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後輩に指導すべき8つの重要事項

後輩指導の一番の目的は、その後輩を会社が期待する一人前の戦力に育て上げることです。

この点は新入社員から社長の後継候補者まで同じです。

指導対象の後輩が新入社員や若手の場合は、主に以下の内容を指導します。

1.社会人としての常識

まず、社会人としての常識を教えましょう。

  • 言葉遣い
  • 時間厳守
  • ほうれんそう(報・連・相)

などの指導から始めます。

2.会社・職場の常識

人が集まれば必ず内輪のルールができます。

よその会社や職場ではみられない用語や慣行を教え、早く職場に溶け込ませることも必要です。

3.上司・先輩との付き合い方

上司や先輩との付き合い方も職場により異なるため、きちんと教えましょう。

上司を職位と名前のどちらで呼ぶかも組織の風土により異なります。

4.担当業務のスキル・ノウハウ

当たり前ですが、後輩の担当業務のスキル・ノウハウを教える必要があります。

その際に仕事の意味を理解させず表面的な「技術」指導に終始しないように気をつけましょう。

5.社内関係者の人脈作り

後輩を社内の関係部署のキーパーソンに紹介し、良好な人間関係を構築させることも先輩の大切な役割です。

6.社外関係者の人脈作り

社内だけでなく取引先など、社外関係者の人脈づくりを支援することも重要です。

仕事と人はセットなのできちんと紹介しましょう。

7.仕事に取り組む姿勢

仕事はつねに成果を求められるものです。

学生と違いがんばっても、成果を上げなければ評価されません。

任された仕事をやり抜く姿勢を教えることも大切です。

8.キャリア形成

ほとんどの人は20歳前後で社会に出てから40年以上働くことになります。

長期的な視点からキャリア形成について指導することも必要です。

後輩社員の指導

後輩が指導役に望む8つの期待

指導を受ける後輩は先輩に何を期待するでしょうか。

一言でいえば、後輩は誠実な対応と自らの能力向上に役立つことを求めています。

単なるいい人や仕事の鬼で強面な人は敬遠されます。

1.親身な態度

後輩は自分のことを育てるという親身な態度で接してほしいと考えています。

自分に対する指導を余計な仕事と認識し、いい加減な態度をとる先輩は尊敬されません。

2.優しい態度

厳しさの中にも優しさを感じられる態度であれば問題ありませんが、高圧的な態度をとるだけの先輩に心を開く後輩はいません。

どう言えば、相手がわかるように伝わるか、言い方にも注意をはらいます。

3.話を聞く姿勢

全般的な傾向として今の若手は「納得感」を重視します。

先輩に言われたからという理由だけでは動きません。

自分の質問や意見を聞いてくれることが重要だと考えています。

4.仕事の実務能力

いくら人柄が良くても仕事ができない先輩に指導されたくないと思うのは当然です。

仕事の面で尊敬できることは指導役の先輩に求める絶対条件です。

5.仕事を任せる姿勢

自分が失敗することを恐れ、何も任せてくれない先輩も嫌われます。

まったく実力が伴っていなければ話になりませんが、極端にリスク回避的な先輩は慕われません。

6.適時適切な評価

成功したときはほめ、失敗したときは冷静に指摘することができる先輩が好まれます。

厳しいだけの先輩は敬遠され、ほめておだてるだけの先輩は信用されません。

7.社内の人脈

後輩は仕事を円滑に進められるように、社内関係者を紹介してもらうことも期待しています。

最初は関係者の元へ同行し自分から後輩を紹介してくれることを求めています。

8.社外の人脈

社会人としてステップアップしていくためには社外の人脈を開拓することも重要です。

この点でも後輩を支援しましょう。

自分の人脈を囲い込む先輩は尊敬されません。


上司が指導役に望む5つの期待

後輩指導 上司の期待

上司が指導役の先輩に期待することは、後輩を後一人前の戦力に育て上げることだけではありません。

後輩指導を通じ先輩自身が以下の点で成長することも期待しています。

1.担当業務の一層の習熟

まず、現在の担当業務について一層習熟することが求められます。

自分がよく分かっていない(身についていない)ことを人にうまく教えることは困難です。

2.対話能力の向上

仕事のノウハウや社会人としての常識が身についていない後輩の指導は骨の折れる仕事です。

それを上手にこなすためには対話能力の向上が欠かせません。

3.文書・資料作成能力の向上

あうんの呼吸で話が通じない後輩を指導するためには、文書や資料を的確に作成する能力も必要です。

自分の都合ではなく、相手に合せて資料を作成する能力が求められます。

4.危機対応力の向上

指導中に後輩が予期せぬ問題を引き起こすことも考えられます。

そうした事態をあらかじめ想定し問題が生じたときに的確に対処することも大切です。

5.指導・管理能力の獲得

後輩の指導役に指名されるということは、広い意味で管理職としての第一歩を踏み出すことになります。

少しでも管理職としての資質に磨きをかけることが求められます。


後輩指導で先輩も成長する

後輩指導 先輩も成長

後輩指導とは人を育てることであり、簡単ではありません。

それでも誰かがやらなければならないことなので、歳を重ねれば順番に巡ってくることでもあります。

かつて自分が後輩だったころを思い出しながら、自分に回ってきた役割を気負わず誠実にまっとうすることを心がければよいでしょう。

 
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ゆとり世代が、しっかりと仕事の姿勢やビジネスマンとしての基本、心構えを身につけさせ、教えられるのだろうか、と上の世代の人からは、少し不安に思われているかもしれません。いつの時代も新人教育というのは、難しいものですが、現代の若者に合わせた指導法を心がければ育成の成功が見えてきます。

あなたが後輩の指導を通して、さらに成長できますように。