看護師の転職余地はこんなに広い!看護師4つの転職パターン | はたらくす

看護師の転職余地はこんなに広い!看護師4つの転職パターン

看護師の転職パターン 医療・健康

日本には現役150万人以上、元職70万人超の看護師がいます。

このうち、新卒で就職した病院などに定年まで勤務する人は少数であることがわかっています。

大半の看護師は、病院を移ったり他の業界に転職したりしています。

看護師をしていた人は、どんな仕事に転職をしているのでしょうか。

ここでは看護師の転職実態と主な転職パターンを解説します。


看護師の転職実態

1. 看護師の離職率推移

日本看護協会の調査によると2010年から2014年までの離職率は、常勤看護師が11%前後、新卒看護師は8%前後で推移しています。

規模別に比較すると常勤・新卒のいずれも、病床数が多くなるほど離職率は低くなる傾向が窺えます。

2. 看護師と他業種の離職率比較

2012年の離職率:全産業計、女性一般労働者
職業離職率
常勤看護師11%前後
医療・福祉従事者14%強
介護職員17%程度

厚生労働省「看護職員需給見通しに関する検討会(第1回)」配布資料

3. 看護師の離職理由

上記と同じ厚生労働省資料によれば、看護師の離職理由の上位は以下のようになります。

1位出産・育児のため22.1%
2位その他19.7%
3位結婚のため17.7%
4位他施設への興味15.1%

厚生労働省「看護職員需給見通しに関する検討会(第1回)」配布資料

4. 看護師の異業種転職の実態

同資料では、2012年の免許保持者数から64歳以下の看護師就業者数を引いた、「潜在看護職員」は約71万人と記載されています。

出産・育児、その他、結婚以外の理由で看護師を辞めた人(合計で離職者全体の41.5%)が全員就業していると仮定すれば、約28万人(71万人×41.5%)が他の仕事に就いている計算になります。

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看護師の転職パターン1: 看護師のまま転職

看護師のまま転職

1.主な転職先

1位:病院

2012年では看護師の70.9%が病院で働いています。(厚生労働省医政局看護課調べ、以下同じ)

当然ですが、看護師として転職する場合の第1候補先は病院になります。

2位:診療所(クリニック)

病院に次いで多い勤務場所が診療所です。

全体の15.8%、病院と合わせれば85%を超えた人が働いています。

なお准看護師の場合は病院が42.5%、診療所が35.5%で両者の割合が拮抗しています。

3位:介護施設等

3番目に多い勤務先は介護施設等の7.1%です。

准看護師は19.6%で病院と診療所を含む3施設で97.6%の人が働いています。

4位:訪問看護ステーション

次に、訪問看護ステーションで2.8%の人が働いています。

上位3施設以外で勤務する看護師はかなり少ないことが分かります。

5位:学校等

学校等は2.0%です。

大学など大規模校以外では需要がないと思われます。

6位:市町村

医療施設以外の市町村機関で勤務する人は0.6%とごく僅かです。

7位:保健所

保健所勤務の看護師も0.1%にとどまっています。

8位:その他

看護師として一般企業、健診機関、産業保険会社、国内・海外ボランティア団体などで働く人は0.7%です。

2. 転職先での留意事項

期待される役割を的確に把握すること

転職先は前職と比べ規模、職員数、診療科数などが異なります。

そのため、期待される役割も変わります。

できるだけ早く正確に、自らの役割を把握することが大切です。

人間関係の特徴を把握すること

同じ総合病院への転職であっても経営母体、学閥、年齢構成、給与体系など、人間関係に影響する要素は異なります。

それらを知らないと地雷を踏む恐れがあります。

十分に注意して、できるだけ早く人間関係の特徴をつかみ適応することが大切です。

郷に入っては郷に従うこと

まずは、転職先の風土や仕事の進め方を受け入れ実態を把握することが大切です。

地方の小規模病院より都会の大病院の方が格上、といった態度は厳禁です。

自分に対する評価を過度に気にしないこと

転職すると周囲の評価がすごく気になりますが、あまり神経質になってはいけません。

うまくいかないことがあっても「もう採用されているんだから」と開き直り、仕事に打ち込みましょう。

看護師の転職パターン2: 上位資格を取得して転職

看護師の転職 上位資格

1. 主な上位資格と転職先

保健師

看護師は1年制の保健師養成学校か4年制大学の保健師養成課程の3年次へ編入すれば、保健師の国家試験を受験できます。

保健師の主たる勤務先は市町村(46.5%)、保健所(13.1%)です。学校でも9.2%の人が働いています。

助産師

看護師は1年制の助産師養成学校か4年制大学の保健師養成課程の3年次へ編入すれば、助産師の国家試験を受験できます。

助産師の主たる勤務先は病院(62.4%)、診療所(25.1%)ですが、助産所でも5.0%の人が働いています。

自分で助産院を開業することも可能です。

認定看護師

看護師が認定看護師審査を申請するためには、以下の2工程が必要です。

  • 通算5年以上の実務研修(うち3年以上は専門看護分野)
  • 6か月・615時間以上の認定看護師教育機関(課程)を修了

認定看護師の主な職場は総合病院です。

専門看護師

看護師が専門看護師認定審査を受けるためには、全国に60校ある専門看護師認定大学の修士課程を修了しなければなりません。

    さらに通算5年以上の実務研修(うち3年以上は専門看護分野)を要する

専門看護師は、いわば看護系資格の最高峰です。

専門看護師の主たる職場は大学などの総合病院です。

医師

いうまでもなく医療系資格の最高峰です。

意欲、時間、お金がある人はチャレンジしましょう。

大卒者であれば医学部へは3年次から編入できます。

医師の62.6%は病院、32.7%は診療所で勤務し、他の施設で働く人は圧倒的な少数派です。

2. 転職先での留意事項

期待される役割を的確に把握すること

看護師と上位資格者とでは、主たる勤務先や職場内での立場が異なります。

期待される役割の幅が広くなったり高度な専門能力を求められたりします。

同じ医療機関であっても、看護師とは違う仕事をするという意識を持つことが大切です。

人間関係の特徴を把握すること

立場や職場が変われば人間関係も変わります。

職場内で自分の立場(資格)がどのように位置づけられているか、周囲にどのような資格・経歴の人がいるかを把握することが大切です。

看護師とうまく付き合うこと

上位資格を取った元看護師は、現役看護師の羨望や妬みの対象になります。

とくに専門看護師や医師は格上の人とみられます。

仕事面では立場の違いを明確にして命令や管理を行う一方、プライベートではフレンドリーに接するなどオンとオフを区別してうまく付き合いましょう。

郷に入っては郷に従うこと

新しい職場では新参者として控えめに過ごしましょう。

元ベテラン看護師でも、新人の保健師だったり医師だったりすることを忘れてはいけません。

自分に対する評価を過度に気にしないこと

上位資格を取得した元看護師は医療業界の経験者であるため、周囲の期待値も始めから高いでしょう。

それでも新人であることに変わりはないので、あまり肩に力を入れ過ぎないことです。

過去の実績に対する自信と新人としての謙虚さのバランスをとることが重要です。


看護師の転職パターン3: 看護師経験を活かして転職

看護師の転職 資格を生かす

1. 主な転職先

製薬会社

製薬業界は医療機関と密接な関係を有するため、元看護師にとって馴染みやすい業種です。

医師や病院の実態が分かっていることは大きな強みになるはずです。

医療機器メーカー

医療機器メーカーも製薬会社と同様に、元看護師にとって親近感を持ちやすい業種です。

営業だけでなく商品開発スタッフとしても活躍できる余地があります。

スポーツ/レジャー施設

スポーツ/レジャー施設ではお客さんがケガをするリスクがあるため、医療経験のあるスタッフは歓迎されます。

教育関連企業

塾・予備校などの教育関連企業でも看護師経験は歓迎されます。

ただし、保健師資格を有する人と比較した場合に劣後する可能性があります。

保険会社

保険と医療は密接な関係があるため、看護師経験は有力なアピール材料になるはずです。

「元看護師だから、こんなことができる!」ということを説明できれば確実に興味を持ってもらえます。

国内・海外ボランティア団体(NPO・NGO)

困っている人を支援するという意味では看護師もボランティアも同じです。

医療系団体に限らず看護師経験者には向いている職場です。

2. 転職先での留意事項

期待される役割を的確に把握すること

元看護師の自分に何が期待されているのか的確に把握することが重要です。

医療知識・経験なのか勤勉・誠実など看護師の特性なのかを理解して臨みましょう。

新参者として謙虚に振る舞うこと

看護してしての経験があっても転職先では新人です。

新人らしく謙虚に、一生懸命仕事に取り組むようにしましょう。

前職のやり方にこだわらないこと

病院・診療所などの医療機関は特殊な職場です。

製薬会社や医療機器メーカーであっても風土が異なります。

看護師や医療機関の常識に拘ってはいけません。

自分に対する評価を過度に気にしないこと

世間の人は看護師に対して良くも悪くも勝手に「白衣の天使」という良いイメージを抱いています。

周りのイメージや評価を気にしすぎてしまうと、自分らしく仕事に取り組めません。

医療啓蒙・職場改善に貢献すること

職場に馴染んだ後は、元看護師の専門性を発揮して医療に関する啓蒙活動を行いましょう。

例えば元看護師が食中毒の防止や症状についてレクチャーすれば説得力が増します。

また医療現場のさまざまな確認・検証手続きに関するノウハウは一般企業の業務管理に応用できる部分があるはずです。


看護師の転職パターン4: 看護師と無関係の職場へ転職

看護師の転職 その他

1. 主な転職先

看護師資格を持っているからといって、病院や医療関係の仕事に就かなければならない訳ではありません。

元看護師で、家業の機械工場や飲食店を継いだ人もいます。

一般事務職、販売職、飲食店員、工員など学歴や職歴に対する要件が厳しくない仕事であれば、未経験でも十分に転職できます。

また、公務員や士業(税理士、司法書士、社労士など)にチャレンジすることも考えられます。

国家資格取得という実績を持った看護師には、「まじめで勤勉」という特徴があります。

こうした点は多くの業務に活かせますので、畑違いの仕事はできないとあきらめる必要はありません。

2. 転職先での留意事項

偏見を認識すること

看護師には「白衣の天使」とか「過剰なストレスを抱えた遊び人」といった固定イメージがあります。

そうした偏見を抱いている人が少なくないことを認識しましょう。

期待される役割を的確に把握すること

始めに自分に対する期待が

  • 医療知識・経験と直接関係あることなのか
  • 看護師としての経験を応用することなのか
  • あるいは両方なのか

を確認することが重要です。

新たな知識やスキルを吸収すること

医療業界以外では、完全な新人であることを認識して貪欲に新たな知識やスキルを吸収しましょう。

前職のやり方にこだわらないこと

病院など医療機関では、効率性よりも安全性が重視されます。

一方、民間企業は利益を上げなければ存続できないため効率性を徹底的に追求します。

こうした違いを認識して、新たな職場のやり方を受け入れることも重要です。

医療啓蒙・職場改善に貢献すること

転職先に慣れてきたら、医療に関する啓蒙を行ったり医療業務プロセスを応用した業務改善を提案したりしましょう。

とくに期待されていなくても肥満、冷え性、花粉症などに関する知識を、小まめに教えてあげれば確実に株が上がります。

また、患者の管理手順は企業の顧客管理に応用できるかもしれません。

看護師の転職は幅広い

元看護師で異業種転職を果たしている人は大勢います。

また、多くの企業は看護師の基本的な特性である勤勉性、誠実性を高く評価しています。

そのため、看護師は同業・他業種問わず転職に有利である場合がほとんどです。

看護師のみなさんは自らに対する社会的な評価も踏まえ、病院・診療所などの医療機関に限らず最適な職場を探しましょう。