事務職から法務職への転職|実現へのステップを詳しく解説

事務から法務へも転職

事務職から法務職への転職|実現へのステップを詳しく解説

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「現在は事務系の仕事だが、定型的で飽き足らないのでぜひステップアップさせたい。」

「できれば、事務系の専門職でなにか良い職種はないだろうか?」

向上心があるにもかかわらず、ルーチン的な事務系の仕事を日々こなしていると、もっと専門性の高い仕事を希望したくなりますよね。

今回はそんな人のために事務系の専門職のひとつ、「法務」の仕事を紹介しましょう。

法務職は現在の企業活動において、なにかと注目されている職種です。

法務に転職するにはどういうことが重要か、またどんな勉強をすればいいのかについて解説していきましょう。


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1. いま、なぜ法務担当か

事務系の専門職の中で、いまなぜ法務担当が注目されているのかについて最初に説明しておきましょう。

⑴IT化の影響を受けにくい

IT化の進展から果てはAI搭載の機械が浸透しても、法務担当の仕事は人間の判断部分が多く、機械化の難しい職種だといえます。

⑵訴訟社会化

もうひとつが、アメリカに劣らず日本もだんだん訴訟社会化しつつあるという背景です。

企業活動を監視する世間の目が厳しくなり、同時にマスコミによる不祥事を糾弾する姿勢もだんだん手厳しくなっています。

ひとたびことが起これば、第三者委員会の立上げや訴訟にまで発展し、決着をつけなければならない状況が頻発しています。

そんな中、企業防衛、コンプライアンス順守、内部統制、危機管理といった一連の対策は多くの企業の必須の課題となっています。

これまでも、担当する人や部署がなくはなかったのですが、総務部員や人事部員の兼任で済ませていたという実態があり、今後は専門職が求められてくるのは間違いありません。

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2. 法務担当への転職で心得ておきたいこと

さっそく法務職を紹介しながら、転職に当たって心得ておきたいことを紹介していきましょう。

⑴企業の法務職とは?

法務職に対するイメージとして会社ルールや規則を守らせ統制するという、なんとなく指導員的でカッコ良さをイメージしているならちょっと勘違いです。

法務=法律ではありません。

もちろん仕事をする上で、法的な根拠として法律や規則の知識は必要です。

法務をひと言でいえば、企業活動を企業の内部にあって法的な根拠に基づき管理する仕事です。

管理とは事業内容の法的なチェックもあれば、いかにすれば法令から逸脱しないよう仕組みづくりをするかという予防対応の意味もあります。

⑵法務担当の心構えで重要なこと

カッコ良いかどうかは本人の印象ですが、少なくとも上から目線で仕事を捉えていると反感を買います。

日々、実際の事業活動の最前線にいるのは営業部門であったり、事務系の管理部門であったりするので、いわゆる関連部署との良好な連携が大切となります。

一方、あくまで企業の中枢スタッフなので、経営者との連携も非常に大切になります。

連携というのは、経営者の方針や指示にしたがう反面、彼らに対して注意喚起をしたり、時にNOと言ったりすることもあるということです。

⑶求められる能力とは

では、どういった能力を有している人が法務職に向いているのか考えていきましょう。

法律知識があるに越したことはありませんが、なにはさておきこれが最優先ということもありません。

法律知識が必須であれば、経営幹部から参考意見を求められた時に答える法律顧問や評論家で十分です。

ここでいう能力とは、企業にあって企業の法的課題や問題を解決できる能力でなければなりません。

その意味で代表的な能力を紹介しましょう。

①問題分析および解決能力

法務に求められる日々の能力は、経営トップや各部門から持ち込まれる問題に対して、問題のポイントはどこか、原因はなにか、本質がどこにあるかなど一連の分析力です。

たとえば、営業部門が取引先と売買契約の相談に来たとします。

すると、分析すべきは契約上のポイント、取引先の経営状況や取引内容といったところです。

そして、いざ締結となれば、契約書は定型的なものでいいのか、あるいは特別にケアしなければならないポイントはどこかといった、順序だてた解決能力が求められます。

②課題抽出および提案能力

①の場合は、受け身的立場ですがここでいう課題抽出と提案能力は、経営トップや関連部署に積極的に働きかけ、法務課題を見つけることです。

たとえば、契約が未締結なためトラブルになる可能性が高いとなれば、この組織や部門は脇が甘いという課題があるということになります。

課題が発見・抽出されれば、次は解決に向けた提案です。

脇の甘い営業部門への直接の働き掛けもあれば、経営トップに対して営業部全体の管理体制の甘さを改善するための提案をするということもあります。

③調整力とコミュニケーション能力

①②のように、問題解決にせよ課題解決にせよ、実際の実務となると経営トップや関連部署との調整実務が必要です。

ここが、弁護士を雇えばいいとか、法律顧問に任せればいいといったこととの大きな違いで、必ず行動が伴います。

法務担当といえども、企業の円滑な事業活動を支える事務系スタッフである以上、自らが考え行動しなければなりません。

たとえば、法的になんら問題のない売買契約も、実行する関連部署にとっては現実的でないこともあります。

そのため、彼らと現場事情に合わせて調整しなければならない場面が起こります。

また、コンプライアンス的に必要な施策を提案しても、納得できない経営幹部や反対する経営者がいれば、どこで折り合うか、またどのような次善策を打ち出すかなど、コミュニケーションをしっかり取り、調整する力が求められるのが法務担当です。

場合によっては、法務担当だけでは解決できない難解な問題や、いざ訴訟となることもあります。

そんな時のために契約した、顧問弁護士・司法書士・社会保険労務士といった士業資格者がいるはずです。

彼らはまさに専門家なのですが、彼らとの折衝・調整も法務担当の仕事で、ここではまさにコミュニケーション能力が求められます。

3. 法務をめざす人の専門知識・資格・自己啓発

では、企業の法務担当をめざすは、専門知識・資格・自己啓発について、どんな勉強をしていけばいいのか解説しましょう。

⑴専門知識

①法律文書に慣れ親しんでおく

法務の専門知識というと、すぐに法律知識を思い起こします。

法務担当をめざすならいろいろな法律知識を勉強しなければならないのではと思いがちですが、そう決めつけることもありません。

法律と言っても日本語なので、どんな法文でも読めばどんなことが書いてあるかは理解できます。

あえていうなら、文章読解力は身に付けておいた方がいいでしょう。

業務に必要な内容が、ややこしくて何が書いてあるかちんぷんかんぷんでは話になりません。

あらゆる法律に通じるなんて無理なので、現在、事務系の仕事をしていれば何か身近な関連法規があるはずです。

たとえば、人事系の事務なら労働基準法や雇用契約に関連した法規、総務系なら会社法や商法などに慣れ親しんでおくことをおススメします。

②得意分野を深く耕す

現在の事務系の仕事に関連した法規に慣れ親しむと同時に、そこから得意分野をひとつ深耕しておきます。

事務・管理系の仕事には、人事、総務、経理、庶務、秘書、購買、調達、管財などいくつもの専門的な仕事があります。

どれも極めていけば深い仕事です。

もし、今企業で正社員として何らかの事務の仕事に携わっているなら、それだけでも、ある程度専門性はあると言って過言ではありません。

仮に日々の仕事に作業的要素が強くても、少し視野を広くして周囲を見渡せば、働きながら習得できる専門知識はいくらでもあります。

人事なら、企業の労務管理のやり方、就業規則や社内規定、給与規定、職能資格制度の仕組みなど、周囲は業務知識の宝庫です。

③法務担当に求める専門知識とは

法務担当の専門性は、はじめからオールラウンド、オールマイティの人はいません。

得意分野をコアにして、守備範囲を徐々に広げてきた人がほとんどです。

面接で得意分野を聞かれるのは、業務上、ある程度任せられる強みを知りたいからです。

その時、得意分野のまったくない人が選考に残ることはまずありません。

しかし、ひとつの専門分野を持っていると、他分野への拡大の可能性に期待してもらえます。

⑵資格

公的な資格を持っていると、法務職への転職には有利です。

特に、国家資格になる弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士などの士業は法務業務と直接関係することが多く、優遇されるはずです。

しかし、いずれも資格取得の勉強だけでも数年はかかるものばかりなので、転職を目指すためにこれらの資格を取ろうというのは主客転倒です。

持っていればいいに決まっていますが、なければ絶対無理ということはありません。

なぜなら、とどのつまりは前段にある顧問契約の士業の人に相談すればいいからです。

また、企業経営全体を俯瞰できる資格として、中小企業診断士と言う資格があります。

これを持っていれば大丈夫という意味でなく、会社全体のことや経営とは何かという基礎知識があると捉えてもらえます。

名前は「中小企業」とありますが、勉強内容は経営全体についてのことです。

⑶自己啓発

①最低でも2分野で強みを持つ

勉強と言えば、最後に必ず出てくるのが「自己啓発」です。

専門性・専門知識のひとつは、自分の前職の経験から深めていきます。

前段で述べたように、いまの仕事にいまひとつ専門性を感じなくても視野を広げれば大丈夫です。

そしてもうひとつは、仕事はまったくの未経験でもいいので、専門書やセミナー、あるいは公開勉強会、資格取得の勉強から培っていきます。

面接で得意分野を聞かれた時、たとえば

「昨今、個人情報漏えいの問題がよく言われるので、個人情報保護法について勉強しています。」

と言えるような分野を作ります。

特に、志望企業が法務的に神経質になっている分野を推測してアピールするようにすると効果的です。

②法務関連ニュースを元に事例研究

勤務している会社で発生する法務関連の事故や事件は、勉強になるほど頻発するのではありません。しかし、世の中では毎日どこかで発生しています。

たとえば、「法務・厚労省=〇〇社の技能実習計画認定取り消し」といったニュースがあったとします。

これは昨今の、外国人労働者の受け入れ問題に関し、〇〇社にとっては現実的に起こった法務関連の重大案件です。

さっそくこのニュースの顛末を追いかけていけば、事前にとるべく法務対策や企業の危機管理対策の事例研究になります。

対岸の火事、そして明日は我が身としてノウハウを蓄積していけば、これだけで立派な法務の専門知識の集積ができます。

③文章をまとめる練習をしておく

自己啓発の最後は、文章をまとめる練習です。

たとえば前段の法務関連のニュース記事をピックアップし、ニュースの要点を文書で整理する練習をしておくといろいろな点で役に立ちます。

整理の仕方は、事件(事象)の経緯、発生の原因、訴追(追及)されるポイント、訴追の元となる法規や法令、加害者と被害者それぞれの言い分、訴追を避けるポイント、そのための手順…といったように文書作成をします。

これを時系列でまとめると、実際の法務担当の仕事をしたとき必ず役に立ちます。

たとえば、法務案件(事件・訴追内容など)を経営者に伝える時や、顧問弁護士に相談する時は、この整理の仕方如何が仕事の出来映えを左右するからです。


4. 法務担当の出世と給与面

法務担当のニーズが高まっているのは、冒頭に述べた通りです。

では、実際に転職となった時に将来の待遇面、いわゆる出世はどうなのか、また給与面はどうなのかについて紹介しましょう。

⑴経験積めば給与は一般事務の2倍も

法務担当への転職を考えるということは、将来、危機管理や企業機密も扱う企業の中枢に入ることを意味します。

経験値の少ない入社直後は、一般事務とほぼ同等の給料かもしれませんが、その後が大きく違ってきます。

最低でも3年、あるいはそれ以上の年数を経過しそれなりの経験と実績を積んで行けば、一般事務の給与の伸び率とは格段に違う高額の処遇があると思ってもいいでしょう。

一般事務なら、年間所得が約250万円から300万円といったところです。

実績の積んだ(あるいは実績のある)法務担当の給与は、最低でも約400万円です。

入社後、中枢に入り将来管理ポストに就けば約800万円以上も見込める職種です。

また、それぐらい責任と仕事の重さに見合った給与相場と思って下さい。

いずれにしろ、自分なりに成長プロセスをイメージして、自己研鑽をすることが大切です。

⑵給与は出世に比例して上がる

一般に出世と給与は比例し、社内の位置づけ(役付きや資格等級)が上がるにつれ給与も上がります。

一般事務の場合も、経験を積んで管理職や専門職になる道もあります。

しかし、そもそも仕事自体の専門性が弱いため初級管理者(係長級)止まりで、中級管理者(課長級)や上級管理者(部長級)は厳しいのが現実です。

したがって、一般事務の昇給ペースは年功的な昇給だけで、結果、緩やかにならざるを得ません。

しかし、法務担当は実績や経験から専門性が深まる職種なので、手腕や知識の習熟が認められれば自ずと進級・昇格し、結果、給与があがることが期待できます。

⑶経営者との二人三脚がポイント

法務担当が扱う具体的な業務の中で、危機管理、コンプライアンス、訴訟対応といった仕事は、ほとんどの場合会社の利害に直結します。

不利益が予想される事件などは、それを回避するのが法務担当の使命なので、仕事の結果によって経営者の信任を取り付けるチャンスのある職種です。

経営者と二人三脚で仕事をすすめることが多く、手際のよい仕事や損害の未然防止につながる成果は確実に経営者の目に留まり、評価といわゆる出世に直結する特徴があります。

ただし、逆の場合は厳しい評価を受けざるを得ないのも事実です。


まとめ

法務職への転職は、募集企業の求めるものによって大きく変わるので募集内容をよく見て応募することが大切です。

法務業務そのものは未経験だとしても、いま勤務している企業が大企業の総務や人事業務なら、そこで得た業務知識は中小企業では手広く歓迎されることがよくあります。

また、大企業が募集する法務担当は、何人もいる法務スタッフの中で、今回は特に〇〇分野に強い人を求めるといった募集になりがちです。

より良いマッチングのために志望先の募集内容をよく研究するとともに、今回の記事をぜひ参考にして下さい。

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2019/08/21

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