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金融業界への転職|転職しやすい人と転職エージェント
2019.05.29

金融業界への転職|転職しやすい人と転職エージェント
バブル以前ほどではありませんが、大手の銀行、証券会社、保険会社など、金融業界の給与は相変わらずメーカーやサービス会社と比べ高い水準を維持しています。
外資系金融機関も依然として高い給与を支払っており、20代で年収1,000万円を超える人も多くいます。
このため金融機関で働いている多くの人は、業界内での転職しか考えない人もいるようです。
その一方で、他業界の人も恵まれた待遇の金融業界への転職チャンスをうかがっています。
ここでは金融業界経験者と未経験者、その中で転職しやすい人と難しい状況にある人の特徴を解説した上で、おもな転職エージェントをご紹介します。
金融業界経験者の転職
転職しやすい人
(1)FinTech専門家
今、金融業界でもっとも期待されている人材はFinTechの専門家です。
FinTechとは、例えば「スマートフォンでの送金」など、金融サービスとITの技術を結びつけたさまざまな動きのことを言います。
ITエンジニアはもとよりエンジニアの発想を活かしたり規制や社内体制の整備に尽力したりできる人材は、大手・外資系金融機関から引っ張りだこです。
(2)国際部門経験者
今後、経済的に成熟した日本で資金需要が高まる可能性はほとんどありません。
このため日本の金融機関は欧米がリードしているデリバティブ、インベストメントバンキングやアジアを始めとする発展途上国の資金需要に応えるビジネスに注力しています。
また、国際業務経験者は外資系だけでなく日系でも重視されています。
(3)不動産ファイナンス経験者
不動産と金融は極めて密接な関係にあります。
銀行融資の代表的な担保は、不動産です。
MBS、REIT、私募ファンドなど幅広い金融商品で不動産は用いられているため、不動産と金融の知識をもち合わせている人材はさまざまな場面で活躍できます。
(4)個人営業エリート
金融は法人だけでなく個人にとっても重要なサービスなので、個人営業に強い人材は引っ張りだこです。
とくに保険営業では、豊富な個人ネットワークを有する人材が高く評価されます。
外資系でも個人営業部門は語学力をほとんど考慮しません。
転職しにくい人
(1)50歳以上の中間管理職
従来の大手日系金融機関は、実質的に50歳定年制でした。
50歳を境に生き残り競争が激化し、出世の道が断たれた人は関連会社や取引先へ転籍していました。
転籍せずに残っていても55歳から給与カットが始まります。
こうした状況下で他の金融機関へ転職できる50歳以上の中間管理職はほとんどいません。
(2)企画・管理部門エリート
金融機関に限ったことではありませんが、企画・管理部門のエリートの大半は他社でも通用する専門的な能力を身につけていません。
学歴と豊富な社内人脈を他社の人が高く評価することはないでしょう。
(3)一般職
大半の金融機関では、一般職の人が長く働くことを想定していません。
IT化の進展により事務作業が激減していることもあり、一般職の中途採用を積極的に行う金融機関は稀です。
ただし、非正規雇用(契約社員、パート)でも構わなければ、十分に転職できます。
(4)地方在住者
金融業は東京一極集中が進んでいます。
IT化により立地が決め手となるビジネスが減少の一途を辿る中で、地方金融機関が中途採用を積極化する可能性はほとんどないでしょう。
また、大手金融機関が地方で正社員の中途採用を行うこともほとんどありません。
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金融業界未経験者の転職
転職しやすい人
(1)IT・数学に強い人
これからの金融業はITや数学に強い理工系人材が中枢を担います。
伝統的なバックオフィス事務(勘定系)のシステム業務だけでなく、資産運用や商品開発などでもITや数学の能力が重要になっています。
(2)語学が得意な人
多くの金融機関が国際業務に活路を見出そうとしています。
最近では中東(イスラム諸国)やアフリカへの進出を模索する動きもみられます。
英語のほか中国語(おもに北京語)、スペイン語(中南米諸国の公用語)、フランス語(アフリカ諸国の公用語)、アラビア語などに強い人には、金融業界へ転職するチャンスが大いにあります。
とくに第二新卒の人は、これらの語学を身につければ大手金融機関へ転職する可能性が広がります。
(3)不動産に強い人
不動産の価格評価をしたり投資したりするスキルの高い人に加え、運用(利用)能力のある人も保険会社や不動産ファンド会社などで重宝されます。
不動産は使い方により価値が大きく変わるため、運用力は金融業界も重視しています。
(4)個人営業に強い人
自動車ディーラーや住宅販売会社などで個人営業に従事してきた人は、保険、投資信託、住宅ローンなどを販売する保険代理店や銀行(営業店)になじみやすいと考えられます。
(5)富裕層人脈が豊富な人
デパートの外商、高級外車ディーラー、高級マンション専門の不動産仲介会社などの勤務経験があり豊富な富裕層人脈をもつ人の場合、プライベートバンクへ転職することを検討してもよいでしょう。
転職しにくい人
(1)30歳以上の人
ITコンサルタントから銀行のシステム部門への転職や、不動産会社から不動産ファンド会社へ移籍するなど隣接分野から金融業界へ移ることはそれほど困難ではありません。
一方で金融業は専門的な知識を問われる仕事が多いため、30歳以上の人がまったく畑違いの業種から転職することは難しくなります。
(2)転職回数が多い人
大雑把にみて銀行、信託、保険(本社部門)は保守的な業界でいまだに終身雇用を前提とした企業文化が染みついています。
このため転職回数が多い(腰の軽い)人は、敬遠されがちです。
ジョブホッパーには、人の動きが激しい証券系企業や保険代理店の方が向いています。
(3)企画・管理畑の人
金融機関にとって企画・管理部門はコストセンターなので積極的に人を増やす企業は限られます。
また企画部門には生え抜きのエリートが多く在籍しているため、外様の中途採用者は冷遇されがちです。
(4)工場勤務の人
高度な数学やコンピューターを駆使して機械制御を行うような仕事をする一部のエリートを除けば、工場勤務の経験を金融機関で活かせる余地はほとんどありません。
現金輸送や警備などを担う庶務職員以外では、金融機関へ転職することは難しいでしょう。
(5)広告・メディア業界の人
広告・メディア、芸能業界は、よくも悪くもお金をドンぶり勘定で処理する傾向があります。
銀行のように1円の誤差も許さないという緻密な文化はありません。
証券業、保険業なども含め金融機関の業務運営は、どんどん厳格になっています。
こうした風土になじめない人は、金融業に向きません。
おもな金融転職エージェント
1.ムービン・ストラテジック・キャリア
https://www.movin.co.jp/finance/
名前のとおり金融業に特化した転職エージェントです。
主たる取扱い案件はインベストメントバンキング、ファンド業務です。
伝統的な預貸金業務、個人営業、バックオフィス、システム開発などに関する案件はあまり多くないようです。
外資系金融機関の案件も多く、英語、法律、会計、FinTechなどに強いハイクラス人材をおもなターゲットにしている印象です。
2.JAC Recruitment
http://www.jac-recruitment.jp/
ロンドン発祥の転職エージェントです。金融業に特化している訳ではありませんが、外資系金融機関の転職支援に関する豊富な実績を有しています。
会社全体で650名のコンサルタントを有し年間登録者は67,000人に上ります。インターネットが発達する前の日経新聞には、同社が仲介する外資系金融機関の求人広告が多数掲載されていました。
3.ロバートウォルターズ
https://www.robertwalters.co.jp/
JAC Recruitmentと同様にロンドン発祥の外資系企業に強い人材紹介会社です。東京のほか大阪にもオフィスがあります。
金融業界におけるグローバル(バイリンガル)人材の採用動向レポートを定期的に公表しており、職種別の採用動向や給与水準を示しています。また外資系企業の面接対策、英文履歴書作成などに関するアドバイスも行っています。
4.ビズリーチ
https://www.bizreach.jp/
登録ヘッドハンター数2,600人、採用企業数9,000社、公開求人数97,000件を誇るエグゼクティブ向けの大手転職サービス企業です。金融業に特化したエージェントではありませんが、高収入案件に絞っているため必然的に金融機関の案件が多くなっています。
金融業の求人は、法人営業、アナリスト、金融システム、カストディ業務、PEなどと細分化されているため、ターゲットを絞った転職活動が可能です。
5.リクルートエージェント
https://www.r-agent.com/
総合人材サービス業のリクルートが運営する転職エージェントサービスです。金融専門ではありませんが、実績、取扱件数ともトップクラスのエージェントです。
このため地銀や信金などの地域金融機関、保険代理店、貸金業など国内畑の職場へ移ることを視野に入れている人に適したエージェントと言えるでしょう。
6.DODAエージェントサービス
パーソルキャリアが運営する日本最大級の転職エージェントサービスです。
基本的な特徴はリクルートエージェントに似ていますが、対象年齢層がリクルートと比べ低い印象です。
国内系の金融機関への転職を検討している若手や第二新卒者適したエージェントではないでしょうか。
金融業界への転職のチャンスはある
従来の金融業界は規制で守られ、給与水準が高く失業の心配もほとんどありませんでした。
このため、とくに銀行では「上に言われたことを忠実に実行する」控えめで真面目な秀才タイプが好まれました。
しかし時代は変わり、金融機関も激しい競争にさらされるようになりました。
ネット取引が主流となった証券業界では、多くの中小業者が淘汰されました。
保険業界でもダイレクト保険(ネット保険)のシェアが高まっています。
地域に根差した営業を展開してきた地銀、第2地銀、信金、信組などでは、IT化の進展により地域密着の優位性が薄れています。
金融機関は生き残りを図るため、多様な人材を確保せざるを得なくなっています。
業界経験者、未経験者のいずれも何か売りになるスキルやノウハウがあれば、金融機関へ転職するチャンスは大いにあります。
腕を磨いて積極的にチャレンジしましょう。
異業種への転職を考えているなら、
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金融業界への転職チャンスをつかめますように。
2018/12/20 2019/05/29