職人になるには?修行は何年?収入?年齢?いまから職人を目指す方法

職人になるには?修行は何年?収入?年齢?いまから職人を目指す方法

職人になるには? 自分に合う仕事探し

職人の種類|職種一覧」では、どのような仕事があるのか幅広く紹介しました。

    「手に職をつけたいけれど、どこでどうやって学べばいいの?」

    「40歳でもなれる職人はあるの?」

    「女性や主婦に向いているのは?」

この記事ではこのような疑問に答え、職人技を学ぶ方法一人前になるまでにかかる年数期待できる収入などについて紹介します。

併せて、中高年や女性に向いている職人についても見ていきます。


職人になるには?

職人になるには、「弟子入り」「就職」「学校」「体験教室・講座」の4つの方法が一般的な道筋としてあります。

弟子入り

まずは「弟子入り」です。以前はほとんどがこの方法でした。

職人を自分で見つけたり知り合いに紹介してもらったりして、その人を師匠あるいは親方として、一定年数の修行、つまり下積みを経験します。

見習いとして、親方や先輩の手伝いをしながら仕事をコツコツ覚えていくというスタイルです。

最初はそうじ、片付けなどの下働きが中心で、仕事も丁寧に教えてもらうというより見て学ぶ自主的な姿勢が求められることが多いようです。

衣食住の面倒はみてくれますが、最初の数年の収入は小遣い程度です。

弟子入りは、受け入れ側に相当な負担をかけますので、入る側はしっかりとした覚悟が必要です。

入門して数日で荷物をまとめて逃げ出すということにならないよう、真剣に検討してから決断しましょう。

就職

次に「就職」は、たとえば大工の仕事を学ぶために工務店に就職するなどが挙げられます。

伝統工芸や料理人、菓子やパンの製造など、メーカーや小規模な工房、店舗など、仕事ができるところはたくさんあります。

収入面では「弟子入り」よりはよいかもしれません。

最近では、後継者不足のために跡継ぎを募集しているような工房もあります。

ただし、技術がなにもない未経験者は、最初はバイト扱いの見習いとなることも覚悟しておきましょう。

機械化や分業制が進んだ大手と、個人経営の規模の小さなところとでは、学べる技術、待遇も違ってきます。

自分がどんな技術・能力を身に着けたいかによって就職先を選ぶことが大切です。

学校

3つ目は「学校」で学ぶ方法です。

大学、高等専門学校、専門学校、職業訓練校などでたくさんの技術を学ぶことができます。

例えば、織物や染色の技術を学ぶには美術系や家政系の大学や学部、工業系の専門学校を探すとよいでしょう。

また、陶磁器、漆器、木工品、金工品の技術は教育大学、専門学校、職業訓練校などで学べます。

日本建築や造園も大学や専門学校、職業訓練校でコースが開設されています。

インターネットで検索すると、たくさんの学校や施設を見つけることができます。

国家資格を取得するような場合は実務経験の長さよりも指定の学科の単位が有利なものもあります。

ただし、入学にはまとまった費用と数年間通学する覚悟が必要です。

また、卒業してもすぐに一人前という訳ではなく専門の会社や工房などに就職し、実地で数年間経験を積む必要があります。

体験教室・講座

最後に「体験教室」「講座」ですが、伝統技術の継承や生涯学習、地域振興などさまざまな目的のために、各地で伝統工芸の体験教室や講座が開かれています。

インターネットで検索すると、ガラス工芸、陶芸、宝飾加工、靴やかばん作りなど趣味としても楽しめるものも含めてたくさん出てきます。

民間の資格と絡めた講座で、通信教育で学べるものもあります。

体験教室は、初歩的な技術の手ほどきなので、費用も手頃で、どのような技術が自分に合っているかを試してみるにはぴったりです。

体験して打ち込めるものが見つかれば、中級・上級のクラスに進む、あるいは専門家を紹介してもらい弟子入りするというステップを踏むのもよいでしょう。

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習得にかかる年数

職人の技術習得にはどれくらいの年数をみておけばよいでしょうか?

もちろん職種によって違いますが、主なものの目安を挙げておきましょう。

ただし、経験を積めば積むほど職人としての技術は向上します

一流の職人になるのか、三流の職人でいいのか、どこを目指すのかによっても変わってきます。

新しい技術や素材も出てきますから職人技の追求や研さんは一生続き、これで終わりということはありません。

●伝統工芸

織物職人

機織りの技術だけであれば1年から数年で習得できます。

ただし、オリジナルのデザインや工夫を凝らしたものが製作できるようになるには、10年程度かかるといわれます。

刺繍(ししゅう)職人

基本的な技術は3年程度で習得可能です。

しかし、細かな細工をきれいに仕上げられるようになるにはやはり10年程度かかるようです。

陶芸家

それなりのものを作れるようになるには5年程度。オリジナルの作品を作れるようになるには、10年程度が必要です。

塗師(ぬし)

4年程度といわれます。

指物(さしもの)師/指物大工

10年から20年。

緻密な作業が求められるため、一人前といわれるまでに長い経験が必要です。

竹細工(たけざいく)職人

5年から10年。

●建設関係

大工

基本的なことはおよそ3年で覚えられるようです。

しかし、一人前といわれるには最低7年、通常は10年程度かかります。

鳶職(とびしょく)

3年から5年。

瓦葺き(かわらぶき)職人

7年から8年。

左官

7年から10年。

その他

建設関係には、国家資格を取得することで職人として仕事ができるものがあります。

  • 防水工事(防水施工技能士)
  • 解体工事(解体工事施工士)
  • 電気工事(電気工事士)など
  • 消防施設工事(消防設備士)
  • 熱絶縁工事(熱絶縁施工技能士)

これらの受験資格はまちまちですが、高校、高等専門学校、大学などで専門教育を修了している、あるいは、2年から7年の実務経験が必要などの要件があります。

したがって、一人前といわれるまでには、5年から10年かかることになります。

●工業

建設関係と同じく、多くの国家資格が設けられています。

  • 鍛造工(鋳造技能士)
  • 鋳造工(鋳造技能士)
  • 切削工(切削工具研削技能士)
  • 電機組立工(電気機器組立て技能士)
  • めっき工(めっき技能士)

建設関係の国家資格同様に受験資格はまちまちですが、高校、高等専門学校、大学などで専門教育を修了している、あるいは、2年から7年の実務経験が必要などの要件があります。

つまり、一人前といわれるまでには5年から10年かかることになります。

●食

料理人(寿司・日本料理/フレンチ料理/イタリア料理)

見習い3年、一人前になるには10年といわれます。

料理学校に行けば2年ほどで基本的な技術は学べますが、卒業後、料理店やレストランで実務を学ぶのが一般的です。

一流を目指す人は有名な店を渡り歩いたり、海外の名店へ修行に出たりします。

和菓子職人

基本的なことは3年程度で習得可能ですが、独創的なものを作るには10年程度の経験が要るといわれます。

パン職人

独立開業までは3年から5年の修行が必要とされています。

職人の収入

職人 収入

気になる職人の収入はいくらでしょうか?

経験によって当然収入は異なりますが、一般的に独り立ちしている人で、年収200万円から500万円の間が多いようです。

売れっ子になれば1千万円以上稼ぐ人もいますが、ごく一部です。

また、工務店や工房など会社に勤めるか個人か、会社でも大手か中小かで収入は変わってきます。

例えば、会社勤めの場合はボーナスなどの賞与がある他、厚生年金などの社会保険、有給休暇、退職金などの福利厚生が充実しています。

一方、独立事業の個人の場合、収入や福利厚生は会社勤めに及びませんし、休むとその分収入が減ります。

その代わり、自分のペースで仕事ができますし、定年がないので、体力と気力が続く限り仕事を続けることができます。


女性に向いている職人

「職人願望」をいだく10代から30代の女性が増えているといいます。

女性の場合、

  • 就職しても男性社員よりも給与が低い
  • 結婚・出産でキャリアが中断してしまう

という事情があるので、技があれば性別も年齢も関係ない職人の世界は働きやすいかもしれません。

今では建設現場にも女性の専門職がいる時代ですから、大工や作庭などの世界に飛び込む女性もいます。

しかし、力仕事は苦手、日焼けする仕事は避けたいと思う人も多いことでしょう。

ここでは、一般的に女性が取り組みやすい職人をリストアップしておきます。

  • 織物職人
  • 染付(そめつけ)職人
  • 刺繍(ししゅう)職人
  • 和裁(わさい)士
  • 陶芸家
  • 切子(きりこ)職人
  • 靴職人
  • かばん職人
  • 宝飾職人
  • 日本料理職人
  • フランス料理シェフ
  • イタリア料理シェフ
  • パン職人
  • 和菓子職人
  • 洋菓子職人(パティシエ)
  • ソムリエ/ワインエキスパート

もちろんこれらはあくまでも例です。

「自分でこれがどうしてもやりたい」「ほれ込んだ」というものがあれば、どんなものでも取り組んでみるのがよいでしょう。

ただし、一人前といわれるようになるには10年近い修行や経験が必要になるものが多い、ということは覚えておきましょう。

たとえば、10年後にほとんど需要のなくなる職人を選んでしまうと、せっかく技を身につけても生かせる場所がなくなってしまいます。


中高年でも挑戦できる職人

率直にいって、中高年の人がこれまでの経験と無関係な道をゼロから進むのは並大抵のことではありません。

多くの職人技は独り立ちするまでに10年の歳月が必要ですし、弟子入りすると10代や20代の若者と一緒に見習い修行をこなさなければなりません。

ですから、職人に転身するには遅くとも40歳までにスタートすることが肝心です。

体力や気力が充実し、10年スパンの修行に絶えることが必要だからです。

しかし、40歳以上でも思い切ってやってみたいということであれば、会社勤めをしながら自分の好きなこと、自分に合った技を趣味として始め、ある程度の技量にまで高めておいて、定年などをきっかけに独り立ちを目指す方が安全といえるでしょう。

とはいえ、10年かけなくてもなれる職人の例を挙げておきます。

●男性向き

庭師

造園会社や職人に直接弟子入りか、職業訓練校などで基礎技術を学んでから造園会社などで実務を覚えます。

修行期間は合計で5年から10年です。

本格的な庭づくりは体力も必要なので、中高年には厳しいですが、剪定(せんてい)や庭木の手入れであれば十分こなせます。

大工

工務店に就職するか、職業訓練校などで技術を学ぶかになります。

2級建築士の受験資格を得られる7年が修行期間の目安です。

表具内装

内装会社に直接就職するか、専門の学校で技術を学んでから内装会社に就職することになります。

技術習得には2年から3年かかり、独立するまでには合計4年から5年かかります。

和竿師

技術の習得期間は約3年です。

ただし、近年はグラスやカーボン製の竿が多く、和竿の需要は一部の固定ファンに限られますので収入面で不安があります。

そば職人

技術は学校などで数日あれば学べますので、中高年でも習得しやすい技です。

ただし、競争が激しいので、特徴を出すためには研究と試行錯誤が欠かせません。

さらに、開業ともなると数百万円から1千万円単位のお金が必要ですし、お客さんがつくまでは赤字覚悟で営業する決意が必要です。

ラーメン職人

基本的な技術は数カ月から1年程度でマスターできます。

開業には数百万円から1千万円単位の資金が必要で、競争も激しいので他店との差別化が必要です。

●女性向き

和裁士

職業訓練校や和裁学校で3年ほど学びます。

国家資格の和裁士補からはじめ3級和裁士、2級、1級と上り詰めていくと独立が見えてきます。

一人前になるには5年ほどかかるといわれます。

宝飾職人

学校で1年から2年技術を学び、工房や宝飾メーカーで4年から5年修行してから独立となります。

手先の器用さとデザインのセンスが必要です。

●性別に関係なくチャレンジできるもの

陶芸家/陶芸職人

基礎技術は専門学校などで2年から3年でマスターできますが、卒業後、工房などで数年の実務経験が望まれます。

学び始めてから4年から5年で独立は可能ですが、特徴ある作品づくりには創造性が必要です。

また、土をこねる作業は結構体力が必要なため、早いうちに始めた方がよいようです。

靴職人

学校などで基礎技術を1年から2年で習得し、その後靴メーカーや工房で1年から数年経験を積みます。

合計3年から4年の経験で、メーカーなどから製甲(革の裁断、革すき、接着、縫製などの作業で、靴の足の甲の部分を作る作業)などを下請けして独立可能です。

洋菓子職人

製菓学校で2年間で基本的な技術を学び、その後、現場で実務を1年から数年経験したのち独立という流れになります。

開業には数百万円から1千万円単位の資金が必要ですし、競争も激しいので、新商品を開発するなど独立後も創意工夫が欠かせません。

料理人

本格的な修行をして一人前になるには、10年の修行が必要です。

ただし、調理師学校に通えば2年ほどで基礎的な技術は身につき、調理師の免許も取れます。

また、数カ月で寿司職人を養成する学校も出てきました。

家庭料理の店や地域密着の居酒屋であれば、料理の腕はそこそこでも、立地や接客のよさなどによって商売を成り立たせることは可能です。

社交的な性格であれば中高年でも検討してみる価値はあるでしょう。

とはいえ、開業には数百万円から1千万円単位のお金が必要ですし、居酒屋は昼夜逆転した生活になりがちです。

職人への道は平坦ではない

職人 難しい

見てきたように職人への道は平坦ではない上、ラクして稼げるような仕事は存在しません。

5年から10年修行して、独立した後も10年以上その仕事を貫き通すには、毎日まじめに働くことや創意工夫、試行錯誤が欠かせません。

さらに独立にはお金がかかり、軌道に乗るまでは利益も出ない状態に耐える必要があります。

好きな道でなければ長続きしませんし、家族の理解や協力も不可欠です。

まずは体験教室など気軽なところから始めて、自分に合ったものを見つけてみてはいかがでしょう。
 

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