看護師がブラック個人病院を円満退職する方法

看護師 ブラック病院 円満退職す方法 仕事辞めたい

給料が高い病院に就職できたと思ったら、とんでもないブラック個人病院と気がついて呆然。

    長時間労働は当たり前。

    残業代は出ないし、全然割に合わない。

    いつも人手不足で、有給休暇もとても取れる雰囲気じゃない。

    師長も気分屋で、気に入らないことがあるとイジワルされるし、一刻も早く他の病院に移りたい。

    でも他のスタッフから、なかなか辞めさせてもらえないっていう話を聞くし、自分が辞めたら残る人に迷惑がかかるし……。

そんな悩みを抱える人に、円満退職のコツをお知らせします。


ブラック個人病院の特徴

まずブラック個人病院の特徴を確認しておきましょう。

看護師が信じられないくらい少ない

病院は設置基準によって必要な看護師の数が定められています。

いわゆる10対1とか、13対1というものです。

患者さん10人に対して看護師1人が10対1、13人の患者さんに1人の看護師が13対1。

ちなみに50床の病院を例にとり計算式に当てはめると、10対1ではおよそ26人、13対1では21人の看護師が必要となります。
(1日の平均入院患者数が病床の9割、看護師の平均勤務時間が月150時間、一人年間10日間の有給休暇を取得すると仮定)

もちろん、退職者や休職者がいて一時的にこの基準を下回ることもあるでしょうが、明らかに少ない場合はブラックの疑いが濃厚です。

幽霊看護師がいる

化けて出る幽霊のことではありません。

先に述べた看護師の数が少ないことと関係しています。

厚生労働省の地方組織である厚生支局は、病院の設置基準が守られ必要な人員が確保されているかなどを監査しています。

病院が受け入れ準備を整えるため、監査は事前に通知されます。

病院は監査に向けて、カルテや診療記録など保険請求の根拠となる資料を分かりやすく整理します。

ブラック個人病院の場合はカルテや資料の整理の他に、すでに退職した人のタイムカードを偽造したり看護師免許のコピーを流用したりしてつじつまを合わせる、看護師の数不足の偽装工作が行われます。

つまり、実際は働いていない看護師が監査の時だけ登場する水増しが行われるのです。

辞めていく人が多い(離職率が高い)

転職サイトや求人誌にいつも求人広告が出ている病院は、それだけ辞めていく人が多いことを示しています。

人が居付かない職場は、何らかの問題があると考えて間違いありません。

残業代が出ない(無給での残業がある)

給料が高いと思っていたら、残業が多く、しかもその分の残業代が出ない病院があります。

事務長や院長に話しても「うちは年俸制だから、残業代は給料に含まれている」などと言われて取り合ってもらえないのは、ブラック個人病院の可能性があります。
(年俸制であったとしても所定労働時間を超えた分については雇用主は残業代を支払わなければなりません。)

勤務時間が異常に長い/始業開始1時間前出勤が義務化

人手不足とも関連していますが、1日あたり3、4時間の残業は当然というような雰囲気が詰所にあるようなら、ブラックの可能性大です。

しかも、そこで働いている人もあきらめて、仕方なく従って無気力状態になっているようなら要注意です。

休みが取れない

人を補充してもすぐに辞めてしまい、いつも人手不足。

それでも患者はどんどん受け入れるというのでは、常勤の人が有給休暇を全く取れないのも無理ありません。

スタッフのことを考えず、経営優先のブラック個人病院にありがちです。

退職をなかなか認めない/引き止めがすごい(看護師を辞めさせない)

慢性的な人手不足な訳ですから、「辞めたい」といっても簡単には認めてもらえません。

「もう半年、1年だけガマンして」などと泣きつかれて、辞め時を失ってしまうことも考えられますので用心が必要です。

パワハラ・セクハラがある

人手不足、長時間労働となると多忙のためにストレスが溜まるのも当然です。

そんな職場はモラルもなにもあったものでなく人間関係もすさんでいることが多いものです。

当然、部下や同僚への気遣いも薄れ、パワハラやセクハラなどが発生してしまいます。

スタッフ間の人間関係が悪い/いじめがある

多忙、休暇が取れない、パワハラ、セクハラがある職場では、スタッフの人間関係もギクシャクして上手くいっていないことがほとんどです。

院長がワンマン

ワンマンが必ずしも悪い訳ではありません。

しかし、院長や院長夫人の自己中心的な態度や筋の通らないことが平気でまかり通るようであればブラック個人病院の可能性大です。

スポンサーリンク

引き止められるワケ

ブラック個人病院の場合、退職したくてもなかなか認めてもらえないばかりか激しい引き止めに合います。

引き止めるのは主に人手不足が理由です。

職場の看護師が人手不足で余裕がない/シフトが回らない

当然ですが、雇っても雇ってもすぐに辞めていくため常に人が足りません。

厚生労働省の監査にも幽霊看護師を登場させるぐらいですから、とにかく一人でも頭数を確保しておきたいのです。

プリセプターや経験5年以上の中堅看護師が辞めると影響が大きい

仕事ができる経験者や新人教育ができる人が抜けると職場への影響が大きいのは当然です。

仕事ができる人、経験者であればあるほど引き止められます。

他にも辞めようと考えている人や、産休・休職に入る人がいる

ブラック個人病院からは一刻でも早く抜け出したいのは、みな同じです。

集団で離職されると診療が成り立たなくなるので病院も必死で引き止めます。

辞める理由

ブラック個人病院は、基本的にあなたを手放したくないのです。

まずは、「引き止めることができない」と思われる理由を伝えることが大切です。

「辞めたい」という希望を言うのではなく、また「どうしたらいいでしょうか」と相談するのでもありません。

「辞めなくてはいけなくなった」という事情を前面に出し、自分だけではどうしようもない理由を挙げるのが良いでしょう。

例としては、次のようなものがあります。

  • 結婚が決まったので、当面準備に専念したい
  • 子供が欲しい、妊活したい
  • 育児・家庭と仕事のバランスをとりたい
  • 親を介護しなくてはいけなくなった
  • 夫が転勤になった
  • 親の病気で実家に戻らなければならなくなった(遠方に引っ越す)
  • 家族が自分の体調を心配して、仕事を辞めて休養するように説得された

家庭の事情が使えない場合は、スキルアップしたいなどできる限りポジティブな理由を使うのが良いでしょう。

例を挙げておきましょう。

  • 大きな病院でスキルを高めたい
  • 今の病院にない診療科で経験を積みたい
  • 勉強したい、進学したい
  • 資格をとりたい

注意したいのは、退職理由にウソはNGということです。

ウソは必ずバレます。

バレなくても、なんとなくおかしいと疑われる可能性が高いのです。

退職前にウソがバレてしまうと退職がこじれる原因にもなります。

全てが本当でなくても、なるべく事実に即した退職理由を考えましょう。

さらに、つい本音が出てしまいネガティブな理由を言ってしまいがちです。

  • 職場の悪口
  • 人間関係のこじれ
  • 教育・指導体制の不備
  • 給料が低い
  • 福利厚生が良くない
  • 休みが取れない

よほど信頼関係ができている場合を除いて、上記のようなネガティブな理由は持ち出さない方が無難です。


退職意思の伝え方

辞める理由が固まって病院側の説得にも屈しない心構えができたら、いよいよ退職したいということを病院側に伝える段階です。

退職の意思を伝える相手は、直属の上司か師長などです。

辞めるというのは雇用契約の解消という大事な話になりますから立ち話は絶対に避けましょう。

5分でも10分でも時間を取ってもらい、個別に話をすることが大切です。

病院側としては辞めてもらいたくないのですから、最初の面談では一旦話だけを聞いておき、別の日に改めて時間をとって説得しようとするはずです。

しかし、日を改めたからといってそこでブレてはいけません。

繰り返しになりますが、「辞めたい」という希望ではなく「辞めざるをえなくなった」退職理由をはっきりと主張し退職日を決めるようにしましょう。

法律的には退職の通告は退職希望日の2週間前で構いませんが、就業規則では30日前までに通知するとなっている施設が多いと思います。

とはいえ、引き継ぎや後任がすぐに見つからないなど業務上の都合もありますから、常識的には1カ月から3カ月程度の間で双方の話し合いで退職日を決めることになります。

しかし、相手はブラック病院。

しかも、あなたには何としても辞めてもらいたくない訳ですから、「あと半年、あと1年」などと泣きついてくるかもしれません。

そんな場合でも、情に流されてはいけません。

かといって、ケンカ腰になるのも話がこじれますから、自分の都合が許す限り「◯月◯日までならお手伝いできます」などと、こちらから時期を区切って退職日を確定させるようにしましょう。

とにかく円満退職にする努力が大切です。


それでも職場が認めてくれないときは?

看護師 辞めさせてくれない

それでも退職を認めてもらえない場合はどうすれば良いでしょうか?

その場合は、少々度胸は必要ですが法律を持ち出すのが効果的です。

先ほども述べましたが、法律上は民法627条1項の規定で労働者側から2週間前に退職通告すれば、いつでも退職できることになっています。

ですから、そのことを持ち出せばブラック病院とはいえ対抗することはできません。

就業規則などで「退職は30日前に申し出る」、となっているかもしれませんが、退職予告については就業規則より民法の規定が優先します。

ただし、引き継ぎが終わらないのに30日経ったからといってさっさと辞めてしまい、業務に支障が生じた場合は損害賠償を求められることもありうるので、引き継ぎはきっちりと行いましょう。

不安があれば厚生労働省が職場のトラブルを解決するために設置している、総合労働相談コーナーを利用するのも手です。

相談コーナーは、各都道府県の労働局、全国の労働基準監督署内などに、380カ所設置されていますので、最寄りの窓口を利用すると良いでしょう。

総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

看護師が円満退職する方法

看護師は患者さんの命を預かる大事な仕事です。

不満を溜めながら仕事をしていると、取り返しのつかないミスにつながることもあります。

職場がブラック個人病院だと分かったら、なるべく早く行動をとりましょう。

あくまでも円満退職が前提ですが、必要な場合は法律を持ち出す総合労働相談コーナーを利用することも心に留めておきましょう。

とはいえ、まずはポジティブな理由、家庭の事情など「引き止めても仕方がない」と思われる理由を前面に出して、恨みを買わないようきれいに退職しましょう。

いっそ、看護師の仕事をやめてしまいたい!と思ったら、
看護師の仕事を辞めたい理由はなぜ?次のステップを目指す3つの質問

看護師は結婚できない?素敵な出会いを見つける方法
看護師の仕事の特性や不規則な生活スタイルを考えると「出会いが少ない」「結婚できない」「未婚率が高い」というのは納得できるはず。 でも一方で、実際に出会いを見つけ結婚している看護師たちがいるというのも事実です。 結婚している看護師

あなたがブラックな個人病院を辞めて、ホワイトな職場に移れますように。