サラリーマンが副業で農業に挑戦するには?兼業農家が教える手順6ステップ | はたらくす

サラリーマンが副業で農業に挑戦するには?兼業農家が教える手順6ステップ

副業で農業に挑戦 副業

安全な食材をつくりたい、自然に親しみたい、いずれは農業で独立したい、など副業農業を行いたい動機はさまざまだと思います。

しかし、実際に農作業をやったことのある人ならわかると思いますが、サラリーマンが、作業時間を確保するのは大変

また、農地はもちろん、土壌の耕耘から撒種、育苗、薬剤散布、収穫までを行うためには、さまざまな道具が必要となります。

栽培ノウハウも習得しなくてはいけません。

さらに収入を得るには、販売方法も考えておかなければならないなど、多くの事前の準備が必要となるのです。

実際に副業農業を行うために知っておきたいことを順を追って紹介します。


副業で農業を営んでいる人の収入は?

農業を副業にする」ということは、農作物を販売して収入を得るということ。

農業ではどれくらいの収入があるのか、経費を差し引くとどれくらいの利益が出るのでしょうか。
 

農林水産省は経営耕地面積が10アール(1000平方メートル)以上で、農業の年間収入が15万円を超えると「農家」と定義づけています。

まずはこのレベルを目指しましょう。ここから「経営耕地面積が30アール未満かつ調査期日前1年間における農産物販売金額が50万円未満の農家」までは「自給的農家」と定義されています。

参考:農林水産省 農業関連用語 http://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/2000/dictionary_n.html

これを超えると(耕地面積30アール以上、販売金額が50万円以上)、「販売農家」となり、農家として一人前(?)の区分です。

平成27年の全国の農業所得の平均は153万円(売上544万円で、かかった経費が391万円)。一般的な兼業農家は、農業でこのくらいの収入があると思っていいでしょう。

副業としてはじめた農業であれば、ここまでいけば立派なものです。もちろんそこからさらに専業農家を目指して規模・販路を拡大するという道もあります。

なお、平成28年の統計では専業農家39.5万戸、農業で主に稼いでいる第1種兼業農家が18.5万戸に対し、農業以外が本業である第2種兼業農家は68.2万戸

家族でやっているところがほとんどとはいえ、実際にこれだけの人がなんらかの形で兼業での農業に取り組んでいます。ということは「副業」として農業をすることも特別難しいことではありません。

それではまず、どういった手順で副業としての農業を成立させるのか、以下、具体的に見ていきましょう。

<家庭菜園>


ちなみに家庭菜園とは、自宅の庭や市民農園、プランターなどを利用し、営利を目的とせず自宅で食べる分の農作物を収穫すること。

趣味で行っている人、食費を節約するために家庭菜園を行う場合もあります。

営利を目的としないため、気軽に取り組めますし、自宅で食べきれないほど収穫できた場合は、親戚や知人にあげることもできます。

栽培方法を研究しながら、農家の人たちと同様の品質を持つ農作物を栽培する人も見られます。

副業として事業としての農業の前に、ここから取り組んでみるのもいいかもしれません。

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1. どんな農業をするか決めよう

農業で収入を得るためには、栽培計画や販売計画など事前に計画しっかりと練らなければなりません。

どこの農地を使用するのか、何をどのぐらい栽培するのか、販売先はどこにするのかということを事前に検討しておきましょう。

・何を栽培するか

農作業のイメージを固めるにあたって、まずは何を栽培するのか検討しましょう。

例えば、地域で特産となっている野菜を栽培するのか、比較的栽培が簡単な作物を作るのか、それとも、珍しい野菜に特化して栽培するのか、切り花を栽培したりするのも農業です。どんな作物を栽培するのかを決めることがポイントとなります。

栽培する作物が決まることで、栽培方法や販売方法のメドが付き、またそれに必要な土地もイメージができるようになります。

・どこに販売するか

栽培する作物を決めたら、どこに販売するかも決めましょう。

まずは、友人・知人に販売するところからスタートしてみるのも良いでしょう。

直売所や道の駅、ネット販売のほか、スーパーや飲食店と直接取引する方法もあります。

はじめから生産量を多く栽培するなら、JAや卸業者への販売も検討してみましょう。

・どこの農地を使用するか

栽培する品種と販売先を決めたら、農地をどこにするかを決めます。

現在の自宅から通いやすいところに適切な土地が見つかればラッキーですが、自分が栽培したい作物に合った空き農地を見つけるというのはなかなか難しいものです。

逆に、手に入る農地の状況に合わせて作物を決めるということになるかもしれません。

適切な農地を探すのは大変ですが、ある意味これが一番の肝心です。

また、土の状態を考えずに農地を取得して、イチから土壌改良を始めなければならなかったというケースも見られるので、農地を選ぶときには、土質を事前に調べておくこともポイントとなります。

生産に適した農地を探すために、また実際に栽培を始めてから、毎週末に地方へ通うということも必要になるかもしれません。

そうなると、交通の便なども検討する必要があるでしょう。

なお、農地を購入するにはまとまったお金が必要というだけでなく、農地の売買には農業委員会の許可も必要です(まとまった面積で農家として認められる必要もあります)。

まずは賃貸で十分です。地域によりますが田舎にいけば1反(1,000㎡)が年1万円余りのところもあります。休耕田など遊休地になっている田畑は多いので、借りられる土地を根気強く探しましょう。

2. 栽培方法を覚える

植え付けのタイミング、植える間隔、肥料や農薬の使用量、使用するタイミングなど、覚えることはたくさんあります。

どんな道具が必要か、道具の使い方も学ぶ必要があります。

栽培方法は作物ごとに異なります。栽培経験のある人に教えてもらうことが早道です。

・農業体験・ワークショップに参加する

農作業経験が少なく、まず基本的な知識を習得したい場合は、農業ワークショップや栽培方法のセミナーに参加してみましょう。

基本的に農業ワークショップは初心者向けの内容です。しかも、実際に農作業を体験できるので、初めて農作業を行う場合には最適です。

実際の農作業は、かなり重労働に感じるかもしれませんし、土に触れながら作業をすると新鮮な感じがして心地よく感じるかもしれません。

農作業経験がある方も、ワークショップに参加してみると、幅広く学べるので、スキルアップに最適です。

農業というものを実際に体験してみることで、今後の農業計画をたてやすくなることでしょう。

農業求人サイト 農家のおしごとナビ http://www.agreen.jp/job/index.php

関東農政局 食・農業体験受け入れ施設一覧(関東地区のみ) http://www.maff.go.jp/kanto/syo_an/seikatsu/shokuiku/taiken/syokunoutaikenshisetsu.html

・農業経験者に教わる

身近な農業経験者に分からないことを質問するのも良いでしょう。

親戚や知り合いに農家の人がいれば聞いてみるのも良いですし、自分が農作業をしているとき近くに農作業をしている人を見つけたら分からないことを質問してみるのもいいでしょう。

農作業経験者は、長年にわたって培ってきた栽培ノウハウを持っているので、思いもよらない答えが得られるかもしれません。

近くの農業経験者に教わるためには、普段から人間関係を円滑に保っておくことも大切です。

・農業書や農業雑誌を参考にする

農業書と呼ばれる専門の書籍には大学や農業普及改良センターなどで研究された適切な栽培法が書かれています。これは基本なのでまずはここで知識を得ておきましょう。

さらに農業雑誌やムック本には、プロの農家が実践している栽培法が掲載されています。

これらの栽培方法は、一般的な栽培方法とはやや異なっている場合もありますが、プロ農家が工夫を重ねてきたノウハウが掲載されていますので、実践してみる価値はあります。

農業の初心者は基本的な栽培方法に忠実に行う方が無難ですが、経験を積み、作物の収量を増やしたり、品質を高めたりしたければ、農業雑誌に載っている方法を取り入れるのも良いでしょう。


3. 農作業に必要な土地と道具を揃える

栽培計画を立てたら、実際に農作業を始める準備に取り掛かりましょう。栽培方法にあわせて必要なものをそろえていきます。

① 農地を借りる

・実家の農地

実家に農地があるなら、農地の一部を貸してもらうという方法があります。

いま現在あるいは最近まで農業をやっていたなら農具や資材が一通りそろっているでしょうから、初期費用を抑えることも可能です。

・親戚、知り合いの農地(遊休地)

実家に農地がなくても、親戚や知り合いに借りる相談をしてみましょう。

農地が多い地域ほど、高齢化が進む傾向にあります。現役で農業を行っていても、規模を縮小しながらかろうじて続けているといった農家は多く、農地が空いている場合があるのです。

耕作放棄された田んぼや畑を使って欲しいと考えている人も多いので、農地を借りるチャンスは意外とあります。

ただし、まったくの”余所者”だと難しいことが多いです。きちんと契約をしないと後々トラブルになることもあります。

ツテを当たっての紹介から農業を行いたいという気持ちを伝えると、OKがもらえやすいので、まずは親戚や知り合いに相談してみましょう。

うまく話ができれば無料で借りられるかもしれません。

・レンタル農園を借りる

市街地でなかなか農地が見つからない場合は、市街地周辺にあるレンタル農園を借りるのも一つの方法です。

農具や肥料、資材がすでにそろっているくレンタル農園であれば、初期費用がかからないこと、また、アドバイザーがいる農園もあるので、栽培方法を理解するのにも最適です。

家庭菜園レベルではありますが、経験の無い人はこういったところで農作業経験を積み、徐々に規模を拡大していくのもいいでしょう。

・自治体の農地バンクを活用

より広い農地を借りたい場合は、農地バンクの活用も検討してみましょう。

農地バンクとは、農地を貸したい人と農地を借りたい人の中間に入って、農地の貸し借りを円滑に行うための制度です。

原則的に農作業経験がある人向けの制度となっていますが、新規就農者も利用可能です。

なお、農地バンクから農地を借り受けるためには、何を栽培して、耕地面積はどれくらい必要か、というように、農業の経営計画を立てなければなりません。

新規参入者として農地を借りる場合は、自治体との協議や合意が必要となります。

自治体によっては、最低限の農業収入が見込める場合にのみ、農地を貸し出すケースもあります。

副業農業で農地バンクを活用するのは、条件的に難しいかもしれませんが、栽培量によっては、検討の余地もあるでしょう。

② 道具をそろえる

農作業を始めるにあたっては、いろいろな道具が必要となります。

規模が大きくなるほど、必要となる道具が増え、場合によっては機械を使用する場合もあります。

農作業に必要な道具についてみていきましょう。

・農具

農作業を行うにあたって必要な「農具」には次のようなものがあります。それぞれ数千円程度、ホームセンターなどですぐに手に入ります。

・鍬(くわ/平鍬・備中鍬などがある)
・鎌
・一輪車
・熊手
・レーキ
・スコップ、ショベルなど

さまざまな農具を使いこなすことが農作業の基本となります。

・農機具

規模が大きくなると、農機具も使用するようになります。

副業レベルでは農具でも対応可能な場合もありますが、農機具を持つことで、さらに作業効率がアップします。

副業農業で使用する農機具は次の通り。数万円~10数万円以上となり、メンテナンスのこともあるので地域の農機具の販売会社などから購入するのがいいでしょう。

・刈り払い機(草を刈る時に使用)
・耕運機(畑を耕す)

さらに農業が大規模化すると次のような農機具も使用する場合があります。1台数十万円~数百万円です。

・動力噴霧機(液体の農薬を散布)
・トラクター(畑を耕す)
・軽トラック(農作業の道具や収穫した作物を運搬)

これらの農機具は必要に応じて導入していくと良いでしょう。

新品で買うと高額となりますので、中古で買うことも検討してみましょう。

・消耗資材

農業資材は、消耗する資材と長期間にわたって使える資材に分けられます。

消耗資材は、種や肥料、農薬などです。

これらの資材は使用するごとに減っていくので、少なくなり次第、新たに購入しなければなりません。

種は2年目以降になると発芽率が低下するので、基本的に毎年購入する必要があります。

そのほか、農作業の消耗資材には、種まき用のポリポットや、畑の保温や保湿を目的として使うビニールマルチなどがあります。

・長期間使える資材

次に、長期間使える農業資材についてみていきましょう。

主な資材としては、野菜の支柱として使用する人工竹、野菜の寒さよけに使う不織布、野菜の虫除けに使う防虫ネットなどがあります。

地域によっては猿や鹿、イノシシが農作物を荒らす場合があるので、そのような場合は杭や防獣網なども必要になります。

長期間使える資材は、経費の削減も考え、大切に使うようにしましょう。

・農業用倉庫

副業農業であっても、できることなら農業用倉庫も欲しいところです。

実家の農地を使って農作業を行う場合は、これまで農作業で使用していた倉庫が使用できるでしょう。

親戚や知り合いの農地を借りる場合は、作業小屋も使えるかどうか相談してみると良いでしょう。

レンタル農地や自治体の農地バンクなどから農地を借りている場合は、自宅にある物置などを農業用倉庫として活用する方法もあります。

また、農地に小屋や物置を建てるには、大きさによっては許可が必要となる場合があるので、事前に自治体に問い合わせてみましょう。


4. いよいよ栽培の開始!

育てる作物によって、栽培方法は千差万別。

作物に合わせて適切な時期に適切な作業を行い、時期がきたら収穫です。

途中、たいへんなこともいろいろあると思います。それらを乗り越えての収穫、そして自分で育てた農作物を口にするということは特別な体験です。

机上で栽培方法を学んだときの知識以上に、多くのことを学ぶことでしょう。

5. 農作物を販売しよう

農業を副業とするなら、栽培した作物を販売しなければなりません。

販売先を決めるためには、収穫量が決め手となります。

収穫量が少ないうちは友人や知人の販売からスタートし、収穫量が増えてきたら直売所やネットなどで販売してみましょう。

収穫量が比較的少ない場合

・友人、知人に販売

農作物の販売が初めてであれば、友人や知人に販売するところからスタートしてみましょう。

友人や知人に販売すると、直接反応を知ることができます。

栽培した野菜に対して「もう少し大きい方がいい」とか「もう少し見栄えが良ければもっといい」というように、いろいろな意見をもらいやすいメリットがあります。

友人や知人に販売して十分に評判が良ければ、栽培量を増やし、他の販売先も検討してみましょう。

・直売所で販売

自分で栽培した野菜を直売所で販売する方法もあります。

直売所で販売するためには、組合に加入したり、出資金が必要になったりすることがあります。

地元の人の販売が優先となるケースや、余った農作物は引き取らなければならないケースなどがあります。

値段が自分でつけられるかどうかなど、販売したい直売所に相談してみましょう。

農作物を販売して収入を得る体験ができれば、さらに自信が持てるようになります。

収穫量が多くなった場合

・ネットで販売

収穫量が徐々に増え、収穫量が安定的になってきたなら、自分で栽培した野菜をネットで販売する方法があります。

直売所などでは自分の思うような値付けができない場合もありますが、ネットを利用して自分で販売すると直売所やスーパーなどの値段よりも高く売ることも、逆に安く売ることもできます。

いまは無料で簡単に見栄えのいいホームページもネットショップも開店できるので、日々の更新を頑張って、アクセスを呼び込むようにしましょう。

・飲食店と提携する

また、収量が安定的であれば、飲食店と提携する方法もあります。

飲食店は、スーパーや市場よりも安く購入する目的や、「こだわり」の農産物を選別して、付加価値を高めるために、農家との契約を考える場合があります。

しかし一般の農家にとっては安定的に大量の農作物を簡単に出荷できるJAや卸業者の方が、個別に飲食店と取引するよりもメリットは大きく、直接契約を行うことには慎重になりがちです。

そこで、少量の作物を生産して小まめに動けるという状態が有利に働きます。飲食店が要望する価格、数量に対応できるようであれば、出荷を始めてみましょう。

・JA(農協)に出荷

さらに出荷量が安定してきたなら、JA(農協)への出荷も検討してみましょう。

JAに出荷するには、JAの正組合員になる必要があります。

正組合員の条件はそれぞれのJAによって異なりますが、一例をあげると、農地面積が10アール以上、年間耕作日数が90日以上、という条件があります。また、JAの正組合員になるには、出資金も必要となります。

耕地面積と年間耕作日数を考えると副業の域を超えてきますが、うまく事業が回ってくるとこのレベルに到達します。

・卸業者に出荷

JAよりもさらに多くの出荷量が必要なのが、卸業者、仲買人への出荷です。

卸業者は完全に営利目的で事業を行っていますので、まとまった利益が出る場合でないと扱ってもらえません。

新規就農の副業レベルから始めてここまできたら大したものです。


6. ひと工夫して、さらに収入を得るには?

農作物

ある程度安定して農作物を栽培できるようになったら、創意工夫でさらに収入を得てみましょう。農業は、サラリーマンよりも自分自身の創意工夫が結果として表れやすい職業なのです。

減農薬栽培、有機栽培にチャレンジ

栽培が板に付いてきたら、減農薬栽培、有機栽培にチャレンジしてみるのも面白いでしょう。

最初からこれが目的の人も多いでしょうからあらためて説明するものでもないかもしれません。

減農薬栽培とは、文字通り農薬の使用を控えめにして栽培することです。

また、有機栽培とは、栽培時に化学肥料と農薬を使わず土作りに重点を置き、肥料として鶏ふんや牛ふんなどを使用して栽培する方法です。

減農薬栽培の野菜や有機栽培の野菜は、消費者からは安心して食べることができる農作物として、付加価値を高めることが可能です。

しかし、栽培のノウハウがなければ肥料を少なくした結果、農作物が小さくなったり、農薬を減らして病気になった売り物にならない農作物しかできあがらないということにもなりかねません。

減農薬栽培や有機栽培に取り組みたい場合は、実際にそれらの農法で栽培している人のもとで栽培方法を習得することが近道です。

収穫体験を行う

自分の畑で収穫体験を行うことで収入を増やす方法もあります。

収穫する作物は、旬の作物なら基本的にどのようなものでも差し支えありませんが、収穫を楽しめる作物は、ジャガイモやサツマイモなど、掘って見つけることができるなどが良いでしょう。

また、ブルーベリーやミニトマト、枝豆など、たくさん実を付けていて、比較的収穫しやすい作物なども楽しいかもしれません。

体験者の人数にもよりますが、比較的広めの畑が必要となります。また、栽培量も余裕を持たせて多めに栽培しておく必要があります。

体験者に収穫方法も教えなければなりませんので、自分自身が収穫に慣れていて十分に指導するスキル、参加者の質問に答えられる知識も必要です。

SNSで情報発信

インターネットのSNSを活用して、農作物の栽培状況を発信することも、収入アップの一つの方法となります。

種まきや苗の植え付けの様子、育っている途中の様子や収穫時の様子など、こまめに栽培状況をアップしていきましょう。

消費者としては、店頭の野菜をそのまま買うよりも、栽培者の顔が見えて、栽培者が育てている様子を知ることで、より安心して農作物を買うことができるのです。

SNSで発信しつつネット販売を活用することによって、販売の相乗効果が期待できるでしょう。

パッケージデザインにこだわる

直売所などで販売するとき、単に野菜を並べて陳列するよりも、デザインにこだわったパッケージを使用するとさらに販売力がアップしやすくなります。

買い手の立場で考えると、袋に入っている商品なら、デザインなしの袋よりもデザインが入っている袋の野菜に手を伸ばすことでしょう。

思わず「買いたい!」と感じるパッケージデザインにしてみましょう。

パッケージが難しい大きめの野菜や果物(スイカ、メロン、かぼちゃ)などは、デザインにこだわったシールを貼るだけでも見栄えが良くなります。

野菜袋のパッケージデザインをする会社を探すなら「野菜袋 デザイン」で検索してみましょう。

また、丁寧に、そしてきれいに包むことにも心がけましょう。ピシッと包まれていることで見栄えが良くなり、商品としての価値が高まります。

周囲の人たちを巻き込む

実際に農作業を行ってみると作業量がとても多いことに気がつくでしょう。単に栽培するだけでも意外と大変ですが、販売まで考えると作業量はさらに多くなります。

可能であれば、周囲の人たちを巻き込みながら作業を進めてみてはいかがでしょうか。

例えば、自分自身は栽培に専念して、ネット販売用ホームページの作成やSNS発信を家族や知人に依頼する方法や、収穫のピーク時に友人や知人を巻き込みながら作業を進めていく、という方法もあります。

周囲の人たちを巻き込めば、より多くの作業を同時進行で進められるようになるだけでなく、SNSなどでの拡散効果も高まります。

副業農業を行うにあたっての注意点は?

ここまで、農作業の方法、農作物の販売の方法について見てきましたが、実際に副業農業を始めるにあたっては問題が起きることも予想されます。副業農業を行うにあたっての注意点について見ていくことにしましょう。

家族の協力が得られるか

夫婦農業

副業農業を始めるにあたっては、家族の協力が得られるかどうか、という点が重要となります。

サラリーマンをしながら副業農業を行うことは、想像以上に大変なことです。特に、そのことを理解しているパートナーであれば、副業農業に反対するかもしれません。

そのような場合こそ、事前に立てた計画を示しながら説得を進めると良いのです。

どの作物をどれくらい栽培して、どれくらい販売する、ということを具体的に説明していきましょう。また、メリットを説明するのはもちろん、デメリットも説明しつつ、デメリットを解決するための方法もしっかりと説明すると、より効果的です。

家族が賛成してくれ協力的であれば、農作業や販売の手伝いをしてもらえないか事前にお願いしておくのも良いでしょう。

体力面、健康面に問題はないか

農作業を始める前に、体力面や健康面に問題はないか心に留めておきましょう。

農作業はかなり重労働です。

畑を耕すこと、たくさんの量の種まきや苗の植え付けを行うこと、収穫した重い農作物を運ぶことなど、力を使う仕事や同じ姿勢での作業を行わなければならないので、足腰に負担がかかりやすくなります。

また、副業農業は、ほぼ会社が休みの日にしか作業を行えないため、一気にいろんなことをやらなければいけなくなります。体力はもちろん、気力も必要です。

兼業農家の人であれば、朝は夜明け前から畑に行き(夏だと午前4時半とか)、夜はライトをつけてトラクターで田んぼを鋤くというようなことをやっています(毎日ではないですが)。

収穫した作物を夜中に選別、パッケージングするというようなこともあります。

夏は炎天下、冬は木枯らしや雪がちらつく中、あるいは雨の中を作業するということもあります。

それらに耐えられる体力と気持ちが必要です。

根気強く取り組むことができるか

根気強く取り組むことができるかどうかも、農作業を行う上では必須となります。

自然のなかで作業ができるとあこがれて農作業を始める方が多いかもしれませんが、農作業は意外と地味な作業が多いのです。

特に、農地が広くなるほど、畑を耕したり収穫したりする作業は、終わりが見えないと感じるほどの作業をこなさなければなりません。

また、栽培の状況によっては、小さな作物しか育たなかったり、害虫や病気にやられたりして、思うような品質の農作物が得られず心が折れそうになることもあるでしょう。

それでもめげずにリベンジして、根気強く農作業に取り組めるかどうか、ということを良く考えてみましょう。

有給が活用しやすい会社であるかどうか

副業農業をするなら、有給が活用しやすい会社であるかどうか、ということも事前にチェックしておくと良いでしょう。

植え付けや収穫がピークと迎えると、会社の休みだけでは対応しきれず、有休を使って1日農作業をしなければならないこともあるのです。

有給は、労働者の権利ですので、事前に有給を申請しておけば原則的には有給は取得できるのですが、突発的に有給を申し出ても、会社としては迷惑に感じるだけです。

事前に農作業の計画を立てて有給を申請しましょう。

人間関係には常に気を配る

農作業を行う上では、まわりの畑で農作業を行っている人たちとの人間関係にも気を配りましょう。

自分が耕作している農地で雑草が繁殖したり病害虫が広がったりすると、隣近所の農地にも被害が及びます。

人間関係を良好にしておくと栽培方法を教えてもらえるなどのメリットがあります。逆にまわりの人たちに迷惑を掛けてしまうと、肩身の狭い思いをしてしまい、農作業を行いにくくなります。

農地の草むしり、草刈りをこまめに行い、農地をきれいな状態に保つことも大切ですし、農作物に病害虫を増やしすぎない栽培を行うことも大切です。

それでも時には「お前の畑から害虫が飛んできたぞ!」と言われてしまうこともあります。逆に、農薬を多く散布しすぎて注意されてしまうこともあります。

そのようなトラブルにならないよう、まわりの農家の人たちとは普段から良好な人間関係を築いておくことが大切です。


専業農家を目指すなら

副業農業としての経験を積み、収穫量も大きく増えて収入も増えてきたなら、副業農業の枠を超えて、専業として農業を行ってみてはいかがでしょうか。

農作業そのものが楽しく、創意工夫をこらして意欲的に取り組めるなら、ぜひチャレンジしてみましょう。

新規就農相談センター

新規就農相談センターとは、農業への就職を希望している人を対象とした相談窓口です。農業に関する基礎的な質問や、農業法人への就職方法に関する問い合わせを受け付けているほか、独立して農業経営を行いたい人の相談にも応じています。

農業経営を行うには、栽培方法などのノウハウも大切ですが、経営規模によっては大型の機械や大型の倉庫、施設なども必要になります。そのため、資金の調達方法も考えなければなりません。農家として経営していくなら、準備しなければならないことはたくさんあります。

全国新規就農相談センター https://www.nca.or.jp/Be-farmer/

JAの新規就農支援

JAにも就農支援の取り組みを行っています。

新規就農支援|JAグループの農業振興策|JAグループ (農業) https://agri.ja-group.jp/support/start/about.php

自治体の就農支援制度を活用

農業が盛んな多くの自治体では就農支援制度を実施しています。

新規農業者向けに相談の受け付けを行っていたり、就農ガイダンスなどのイベントを実施したりして、新規の就農をサポートしているほか、数カ月から1年程度の農業研修を実施している事例もあります。

研修に参加することで農業経営に必要なノウハウを習得することもできます。自治体によっては新規就農に向けた補助金制度を実施している場合もあります。

副業農業に求められるのは「経営者の視点」

「週末はリフレッシュを兼ねて、農作業に取り組んでみたい。」

「野菜価格高騰の中、自分で野菜を栽培して販売したい。」

「農業経営をしてみたいけれど、まずは副業から始めてみたい。」

そんなあなたのために、副業農業を始めるにあたっておさえておきたい実践的な知識について紹介してきました。

たとえ副業であっても収入が得られればそれはもう小規模な農家と同等です。

単に農業を行う人、ということにとどまらず、経営者としての視点も必要になってきます。

サラリーマンの場合は、上司の指示や会社の方針に従いながら業務を進めていきますが、副業農業を行う場合は、方針を決めるのはあなた自身になります。

どの作物をどれくらい栽培し、どこに販売してどれくらいの収入を得るのか、ということを考えられるようになれれば、十分に農業経営を行っていると言えるでしょう。

農業においては、栽培方法や販売方法など、あらゆる場面に創意工夫が求められます。

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副業農業の第一目標は、まずは収入を得ることです。消費者が「欲しい!」と感じる農作物を栽培することを心がけて、販売へとつなげていきましょう。

 
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あなたが楽しく副業農業を成功させられますように。