「うつ病だけど、働きたい!」と思ったら。仕事復帰の前に大切なこと

「うつ病ではあるけれど、なんとかして働きたい・・・」
「でも、心が固まっているかのようで、仕事をする意欲がわかない・・・」
「働き始めたら、またうつ病が再発しないだろうか?」

うつ病と言われたけれど、収入を得なければいけない。働きたい。

でも、心の調子が思わしくないと、なかなか行動が起こせず焦りますよね。

働くことに対する不安うつ病が再発するのではないかという不安を取り除くのも簡単ではありません。

そんな状態の時には、いきなり社会復帰するにはどうすればいいかを考えるのではなく、うつ病についての知識を深め、自分自身を知ることで、少しずつ心を軽くしていくということが大切です。

うつ病のとき、どんな風に考え、どういう行動をしていけばいいのでしょうか。

そして、再発防止のために何をしたらいいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。


うつ病は、身体と心からのメッセージ

「どうしてうつ病になってしまったんだろう?」

うつ病と診断されると多くの人は、自分を責めたり悩んだりします。

眠れなかったり、原因不明の胃痛、頭痛に悩まされたり、気力が萎えてしまったり……。うつ病の症状は大変辛いものですが、見方を変えると、そういった症状を通して、メッセージが発信されていると考えることができます。

1. 限界にきている心を休息させるとき

うつ病になると、気持ちが沈んだようになってしまい、自分自身の存在価値すら見いだせなくなってしまうことがあります。

気持ちが落ち込み、何もしたくない。無気力になってしまうのも、うつ病の特徴のひとつ。

でも、これは「心の正常な反応」なんです。

自分を追い詰め、奮闘してきた「頑張り屋さん」のあなたの心は限界に達しているのです。身体や心はうつ病という症状を通して、ゆっくりと休ませようとしているのです。

今は休息のとき。うつ病の症状はとても辛いですが、自分から「休息したい」となかなか言えないあなたに代わり、うつ病があなたに休息を与えているのです。

2. 環境を変えた方が良い

職場で上司から叱責されたり、人間関係が難しかったり、大きなプレッシャーが毎日のように続くということはありませんでしたか?

うつ病期間中に心のリハビリを行い、少しずつ復職して慣れていくという方法もありますが、中には、元の職場に戻ることを考えるだけで苦しくなるというほどのトラウマを抱えている方もいます。

そのような方は、環境を変えることも視野に入れておくと良いでしょう。

うつ病の再就職は難しいと言われていますが、うつ病の症状が重い場合は障害者認定を取得し、障害者枠で就職活動を行う方法もあります。

詳しくは、後述する「精神障害者枠で仕事を探す方法も」でご紹介します

3. 考え方を変えてみると良い

もう一つのメッセージは「考え方を変えてみると良い」というメッセージです。

うつ病の人の多くは、責任感が強く、逃げ場がなくなってしまうほど自分自身を追い詰めてしまうことがあるようです。

例えば、「会社で働く以上、100点満点の仕事をしなければならない」という考えを持っている人の方が、「70点、いや60点でいいや」という人よりもうつ病になる可能性が高くなります。

つまり、満点を目指すあまり、実際の仕事で60点、70点の仕事しかできないと、「私は仕事ができない人間なんだ」と自己評価を0点にしてしまうことがあるのです。

上司から叱られたり、同僚からあきれられたりすると、「私はダメ人間だ」さらに自分自身を追い込んでしまい、うつ病の原因となることがあるのです。

もちろん良い仕事ができるに越したことはありませんが、必ずしも100点満点を目指す必要はありません。

60点か70点を目標に仕事をして、残りの30~40点は、少しずつ改善していけば良いのです。

心に余裕を持って仕事に取り組むと、いつか100点に近い仕事ができるようになります。

仕事に限らず、視野を広く持って、こだわりを捨てると、今まで悩んでいたことが「なんだ!そんなことでしかなかったのか!」ということに気がつくでしょう。

うつ病を機に、これまでの考え方を見直してみることも大切です。

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うつ病の再発を防ぐために

1. 原因を把握する

時間をかけて自分の心に向き合い、規則正しい生活へと徐々に改善していくことで、うつ病の症状も徐々に改善していきます。

うつ病の症状が改善すれば、復職も可能ですが、場合によっては再発する場合があります。

再発を防ぐために「なぜ、うつ病になってしまったのか」把握しておくと良いでしょう。

どのような出来事がきっかけとなったか、その時に自分がどう思ったか考えてみましょう。

例えば、上司に叱られる毎日が続いて、うつ病になった場合、どんな気持ちだったか思い起こしてみましょう。

「また怒られてしまった。どうしよう」と、怯えた気持ちであったかもしれません。

「どうして私はダメなんだろう」と自分を責める気持ちかもしれません。

恐怖感や自責の念が原因となって、うつ病が引き起こされたと考えられる場合、同じ状況で他の人がどんな反応をしているか観察してみましょう。

ある同僚は、上司が立ち去った後に「うるせぇ!」と叫んでいるかもしれません。

ある同僚は、「上司を見返してやる!」というハングリー精神で仕事に取り組むかもしれません。

このように同僚の考え方も参考にしてみましょう。

2. 自分のスキルを見つめ直す

自分のスキルを見つめ直す」ことも再発防止には有効です。

得意な仕事に取り組むと、仕事に没頭できますよね。

例えば、黙々と作業をすることが向いている人であれば、工場のラインの仕事や清掃の仕事などがいいかもしれません。

力仕事が得意であれば、倉庫の荷物の整理や家具屋さん、引越し屋さんといった仕事であれば能力を最大限に活かせるかもしれません。

自分のスキルを見つめ直し、得意な仕事ができると、うつ病の再発を防ぎやすくなります。

3. 批判や陰口を気にしない

周りから批判されたり、陰口を叩かれたりすると気になりますよね。

特にうつ状態にある人は、他人の目を気にして行動をためらい、身動きが取れなくなってしまうことがあります。

人の意見を聞くことは大切かもしれません。

でも、人間はそもそも自分に都合のいいように勝手なことしか言わないものです。

自分のことを思って真摯に言葉をかけてくれているのか、単なる陰口なのか、その人の言葉を聞けば自然とわかります。

たとえ親切心から注意されていたとしても、一番大事なのは自分自身の「想い」

必要以上に他人が言うことを気にする必要はありません。

4. 自分自身の「軸」を尊重する

自分自身の「想い」に忠実に行動していれば、まわりのことは気になりにくくなります。

例えば「まわりの人が仕事をしやすいように、常に気を配る」という「想い」を持って仕事をするとしましょう。

それが自分の本心から出た想いであれば、まわりから「点数稼ぎでやっているだけなんじゃないの?」と陰口をたたかれても、気にならなくなります。

想いに忠実になれば、「自分は間違っていない」と感じることができます。

そうすると、自分の「軸」をまっすぐに持ち、その軸を中心に物事を考えていくことができるようになりますよね。

「自分軸」を持つことは、自分自身を大切にすることがスタート地点。

自分を大切にするためには、自分の良さを見つけ、自身をほめていくことが大切です。

「うつ病リワーク支援」を活用する

うつ病で休職していて、復職を難しく感じている人は多いでしょう。

復職しても、うつ病が再発してしまうのではないか、という不安がありますよね。

そんな方は、復職支援の活動である「うつ病リワーク支援」を活用してみてはいかがでしょうか。

うつ病リワーク支援とは?

うつ病リワーク支援とは、うつ病の方の復職を目指すために行われている支援。行政機関や医療系機関などの民間が主体となって支援に取り組むケースがあります。

利用期間はそれぞれの支援団体によって異なりますが、数カ月程度が目安

また、利用対象者は主に休職中の方となりますが、失業中であっても復職の意欲があれば利用できる場合があります。

それでは、うつ病リワーク支援を利用するメリットについて見ていくことにしましょう。

①  メリット1・規則正しい生活が送れるようになる

休職中、夜に眠れず、昼夜が逆転してしまうケースが多く見られます。

うつ病リワーク支援に通えば、規則正しい生活が送れるようになります。

自分一人の力では、規則正しい生活を毎日送ることは意外と難しいものですが、毎朝、うつ病リワーク施設に行く習慣を付けることで、復職に対する不安がひとつ減ります。

規則正しい生活を送ることで、体調も良くなり、精神的にも安定しやすくなります。

会社があるのに、朝起きられない。 根性がないから?それとも生活が乱れているから? 以前は大丈夫だったのに、なぜか最近起きられない...

②  メリット2・仲間と悩みが共有できる

二つ目のメリットは、支援施設に通う仲間と悩みを共有できること。

うつ病の悩みは、目に見えないだけに一般の人たちにはなかなか理解されにくいものです。

その点、支援施設に通う人たちは、お互いにつらさを共感し合えます。

うつ病のつらさは、一人ではなかなか乗り越えにくいものですが、仲間がいれば「つらいのは自分だけではない」と感じ、精神的なしんどさも少しずつ改善していくことでしょう。

③ メリット3・対人関係について理解が深まる

うつ病リワーク支援を利用することで、対人関係やコミュニケーションについても理解を深めることができます。

例えば、うつ病でつらいときにどうやって人と関わればいいか、自分自身の発言や言動にはどのような傾向があるのか、円滑なコミュニケーションを心がけるには、どのような点に気をつければ良いかなど理解することができます。

うつ病の方は、自分に自信が持てず、対人関係を築くことに消極的となりがち。

コミュニケーションについて専門家から学び、また、同じ境遇の仲間と過ごすことで、対人関係の方法についても理解することができるでしょう。

④ メリット4・専門家に相談できる

支援は、主に心療内科や精神科のクリニックで行われていますので、うつ病に関する悩みのほか、復職・再就職に関する悩みについても相談できます。

うつ病の状態から復職する時は「再発して休職してしまわないか」と不安に感じるものですが、専門的な知識を元にアドバイスをもらえると、不安が解消されやすくなります。復職に向けての自信を持ちやすくなります。

なお、うつ病リワークを実施している医療機関やリワーク施設については、以下の「うつ病リワーク研究会」のページを参照してください。

うつ病リワーク研究会 http://www.utsu-rework.org/

⑤ メリット5・農作業で心をリフレッシュすることも

うつ病リワークの方法として、農作業を取り入れている施設もあります。

「うつ病解消に農作業?」と疑問に感じるかもしれませんが、青空の下で畑の土に触れることで、モヤモヤしている気持ちが解消されやすくなります。

どうやら、大地には人の心を癒やす作用があるようです。

自分のペースで畑を耕し、花や野菜の苗を植え、植物が成長していく様子を見るのは、うれしく感じられるもの。

農作業によるうつ病リワークを実施している施設については、以下を参照してください。

オムソーリ(東京都) http://omsorg.jp/

ハレニワ農園 メンタルサポート(神奈川県) http://hareniwa.org/support.php

都会のオフィスから離れ、自然とふれあうことも、時には大切です。
 

うつ病リワーク支援について詳しくは、こちらの記事を。
https://hatarakus.jp/return-to-work

復職を目指す人のためのさまざまなサポートがありますので、利用してみましょう。


うつ病の人が仕事を探すためには

1. 興味のある仕事を探す

うつ病リワークなどを利用して、仕事のリズムや、しっかりとした心の持ち方を理解したら、仕事探しを始めましょう。

その際にポイントになるのは、自分の興味のある仕事を探すこと。

例えば、もの作りに興味があれば、工場の仕事を探してみるのもいいでしょう。
きれい好きで片付けることが得意であれば、清掃業の仕事を探してみるのもいいでしょう。
また、事務的な仕事のスキルが高ければ、事務的な仕事を探してみるのもいいかもしれません。

給与や待遇を優先して仕事を探すと、仕事に興味が持てず、必要以上に他のことに意識が行ってしまって、仕事がつらいと感じることが多くなります。

その点、興味のある仕事であれば集中して取り組みやすいですから、仕事も長続きしやすくなりますよ。

2. 短時間の仕事、短期間の仕事からスタート

正社員としてフルタイムで働くことに抵抗がある場合は、派遣など、短時間や短期間の仕事からスタートするといいでしょう。

短時間や短期間だけ働けばいい、と考えることができれば、働くことに対するプレッシャーも軽減されます。

少しずつ働いて、徐々に身体や心を慣らしていくことが大切です。

まわりの人の言動に振り回されないように、自分の軸をしっかり持つなど、うつ病リワークなどで学んだことを活かして、毎日の仕事に取り組んでみましょう。

3. 障害者枠で仕事を探す方法も

うつ病の症状が重く、一般採用では再雇用されにくいと感じている場合は、障害者枠として応募する方法があります。

障害者枠として応募するためには、一定程度の精神障害であることを認定する「精神障害者保健福祉手帳」を取得する必要があります。

医師からうつ病であることの診断書をもらい、市・区役所、町村役場が発行する申請書に必要事項を記入し、市・区役所、町村役場に提出し、審査結果を待ちます。

審査期間は、自治体にもよりますが、大体1カ月~2カ月程度です。

精神障害者保健福祉手帳については、厚生労働省が運営する以下のサイトを参照してください。

みんなのメンタルヘルス総合サイト http://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_06notebook.html

精神障害者保健福祉手帳を取得したら、障害者枠の仕事に応募しましょう。

障害者枠で応募すると、事務系の仕事など軽作業が割り当てられることが多いです。

軽作業が多い分、通常採用と比べると給与は低くなるものの、比較的簡単な業務が多いことから、働きやすいでしょう。


うつ病から回復したら、こんな職種がオススメ

1. 清掃業

清掃業は、仕事を覚えてしまえば、黙々と作業をできることがメリットです。慣れれば、自分のペースで働くことができるようになります。

特に、きれい好きな方には向いている作業と言えます。

また、清掃業は、体力を必要とする仕事です。作業を覚えつつ、毎日に作業に慣れていくようにしましょう。

2. 工場での作業

工場での作業に「ライン作業」があります。

ライン作業では、一つの作業を繰り返し行いますが、仕事を覚えてしまうと、黙々と作業を行うことができます。

慣れないうちは、正確に作業をすることを心がけましょう。正確に作業ができるようになったら、徐々にスピードを上げ、まわりの人たちのペースに合わせながら作業を進めていきましょう。

3. データ入力など、事務的な作業

データ入力など、事務的な作業もコツコツと作業ができる方に向いています。

作業のポイントは、一つ一つの作業を確実に処理していくこと。

最初の頃は、依頼される作業の量がとても多いと感じられるかもしれませんが、少しずつ確実に作業を進めていくことで、段々と作業が早くなっていきます。

4. 農作業

うつ病リワーク支援で農作業を経験した方や、野菜や花の栽培に興味がある方は、農業を営んでいる方のもとで、農作業のアルバイトなどを行ってみましょう。

農作業も体力を必要とする作業で、畑の面積が広くなるほど、同じ作業を続けて行う必要がありますが、コツをつかむと、要領よく作業ができるようになります。

5. 倉庫での業務

一口に倉庫業務と言っても幅が広いですが、主な業務にピッキング作業や仕分け作業などがあります。

ピッキング作業では、倉庫から荷物を取り出し、仕分け作業では、倉庫に届いた荷物を倉庫内の所定の場所に収めます。

仕事を覚えればマイペースでの作業が可能となりますが、荷物を扱うために体力を必要とする仕事となります。

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うつ病の方は、とても一生懸命 自分の能力に自信を持って!

うつ病は身体的にも精神的にもつらい症状を引き起こします。

あまりのつらさに、自分自身に対して嫌気がさしたり、自信が持てなくなってしまうこともあります。

でも見方を変えれば、うつ病の方は一生懸命な方が多く、仕事ができる方が多いのです。

感受性が強く、社会の荒波が厳しいと感じたり、プレッシャーに耐えられなくなってしまうこともあります。

でも、別の見方をすると周囲の人の温かさにも敏感に感じ取ることができるのも、うつ病の人の特徴。

自信を持って一歩を踏み出すまで時間はかかるかもしれません。

でもその時間は、長い人生の中ではほんの短い、自分を癒すための時間。焦らずゆっくりと自分の想いを育み、得意な仕事を見つける貴重な機会であるとも言えるでしょう。

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あなたが不安を解消して、興味のある仕事に向けて一歩を踏み出す日が早く来ますように。