仕事で失敗したときに「大変なことをしてしまった…」と落ち込み、「自分は何もできない…」と諦めそうになっていませんか?
気持ちはとてもわかります。
特にまだ失敗をした経験の少ない新人や、これまで大きな失敗をしてこなかった仕事の出来る人ほど、いざ失敗をした時に深く落ち込んでしまいます。
しかし、失敗をした時こそ成長する絶好の機会だと気づいた時、その失敗から大きな成功へと繋げることができるのです。
そのために大切な考え方と対処法を紹介します。
1.仕事で失敗したとき…まずは気持ちを落ち着かせる
一番大事なことは、まず気持ちを落ち着かせることです。「なぜこんなことをしてしまったんだ」「悔しい!」「アイツのせいで!」「どうすればいいんだ…?」と様々な思いが交錯することでしょう。
しかし、気が動転しているとき、人は最善の方法をとることができません。気持ちを落ち着けるための方法として、以下の4つをやってみましょう。
1)いますぐ深呼吸をする
深呼吸の方法としては、複式呼吸を行うと良いでしょう。これは心理士がよく行うリラックス法の一種でもあります。
胸ではなくお腹が膨らむように深く息を吸い込み、少し息をとめ、ゆっくりと吐き出しましょう。それをできれば3回ほど繰り返します。
2)いったん一人になる
もし可能であれば、トイレに立ち、一度その場を離れましょう。そしてトイレで鏡の中の自分を見ながら「大丈夫」と3度唱え、無理やりにでも笑顔を作りましょう。
人は楽しくなくても表情で笑顔を作ることで、脳の中でドーパミンが分泌され、リラックスできると言われています。
3)気持ちの発散をする
とりあえずその場で出来る対処をしたら、その後は、とことん落ち込みましょう。特に男性は、感情を表に出すことを嫌がり、抱え込みがちです。
しかし気持ち的にすっきりしないままでは成功に繋げるどころか、抑うつなどに繋がってしまうこともあります。
一人になったときでよいので、「悲しい」「悔しい」「辛い」「どうしてなんだ」と言葉にして自分の感情を表に出しましょう。もし聞いてくれる友達・家族がいれば、なお良いでしょう。
4)落ち込んだ気持ちが離れない場合は、自分の好きな事をする
一日の仕事を終えても、ずっと落ち込んだ気分のままであれば、音楽を聴いたり、スポーツをしたり、好きなものを食べたり、友達と飲んだりと自分の好きな事を行いましょう。仕事のことを忘れる瞬間を作るのです。
これは、失敗をいつまでも引きづらないためにとても大切なことです。精神状態を落ち着かせ、冷静になってからまた仕事のことを考えればいいのです。
2.仕事で失敗したとき……「謝る」
その場での対応としては、自分の至らなかったところを謝りましょう。潔さ・誠実さは周囲の人たちに好印象を与えます。どこか自分に至らない点があったからこそ、失敗したはずです。もしかすると他の人のミスも関係していたかもしれませんが、あくまで「自分」の失敗について、誠意をもって謝りましょう。
そこですぐに冷静に考えることができ、対処法が思いつくのなら謝った後で自分のフォローを行ってもよいのですが、失敗のすぐ後の言葉は言い訳ととられがちです。もしまだうまく説明する自信がないのなら、やめた方がよいでしょう。
仕事での失敗は仕事での活躍で返すことが一番説得力のある方法です。一度の失敗でその先すべての評価が決まることはまずありません。自分の間違いを素直に謝る、社会で信用される上で大切なこの姿勢を失敗から身につけましょう。
3.冷静に失敗の原因を考える
気持ちを落ち着けることができたら、何が失敗の原因だったのか考えます。まずは事実関係を紙に書き出しましょう。ここで重要なことは絶対に感情をはさまず、事実を書き出していくことです。
準備段階で何か問題がなかったか、準備や練習に十分な時間が確保できていたか、自分の話し方は適切で相手に伝わっていたか、周りからのサポートはあったか、思いつくことをすべて始まりから考えてみましょう。
原因は1つとは限りません。自分の準備する時間が足りなかったのかもしれませんし、周囲があなたのことを好意的にみていなかったのかもしれません。あるいは使った道具が悪かったのかもしれません。
自分なりに失敗した原因を探りましょう。そうすることで、自分や周りのことを冷静に観察する目が養われます。
4.自分を責めずに対応策を考える
原因が挙げられたら、あとはそれを元にこれからその失敗をどう活かせばよいのか考えましょう。
もし時間が足りなかったのなら、あとどれくらい早く始めればよかったのか、周囲とのコミュニケーションがとれていなかったのなら、周囲とよい関係を築くにはどうしたらよいかなど、できるだけ具体的に対応策を考えましょう。
もし周囲に問題があるのだとしても、相手を変えるために「自分に何ができるのか」考えることです。そして人を変えるということは難しいということを理解することも必要です。一度身についた考え方や行動というのは、簡単に変えることはできません。こつこつと伝えていく必要があります。
大事なことは具体的に考えること。そして自分が実行できることを考えましょう。
もうひとつ重要なことは、「今度は、~すればよい」と自分を肯定することです。過去の失敗はもう変えることができませんが、未来は変えることができます。今度はうまくいくようにがんばる、それでよいのです。
5.上司・同僚への謝罪とアピール
そして答えがでたら、上司や同僚に自分の良くなかった点については再度謝りましょう。そして、これからどのように改善したいかを伝え、また機会をもらえるように頼みましょう。
ここで重要なことは、やる気を見せることです。もし何日もたっていれば上司も遅いと思うでしょう。しかし、しっかり考えて出した答えはそれだけの重みがあります。やる気をアピールするよい機会になります。もう機会が与えられなくなってしまえば失敗を活かすことができる場所がありませんから、このアピールは大切です。
そして、自分へのよいプレッシャーにもなります。人は自分の目標や考えを人前で宣言することで、目標への到達しやすくなるといわれています。
もし上司・同僚にそこで何かアドバイスや叱咤を受けたとしたら、その上司・同僚はあなたを信じ次の仕事に期待してくれているということです。真摯に受け止め、感謝し、自分で考えた解決策に追加し、今後に活かしましょう。
6.人からの評価は日々変わる
最後に、人からの評価は日々変わっていくということを理解しましょう。
失敗をしたそのときには、まるで世界の終わりのように感じていることが多いと思います。特に初めての失敗は辛く、乗り越えることに時間がかかります。これは誰でもそうです。
しかし、1度や2度の失敗で、それからの評価のすべてが決まることはまずありません。新しい仕事にチャレンジしたとき、初めての仕事を任されたとき、失敗してしまうことは誰にでもあります。あなたの先輩や上司もそうやって成長してきました。人への評価は日々変化していて、上書きされていくものなのです。
何度か失敗していて、「できないやつ」という烙印を押されたとしても、その後に反省をし、改善していくことで「あいつ意外にやるじゃん」と株が上がることになります。
それは、仕事ができない奴と思われている人であるほど、意外性をもって周囲の人の心に残ることになります。その意味で、失敗を続けている人はそれだけ逆転のチャンスを持っていると考えることもできます。
しかし、失敗を反省せず、ただ繰り返すことは、評価を下げ自分への信頼を下げることに繋がるだけです。ここで述べたようなことを毎回きちんとこなしていくことで人間としての成長を遂げることができ、周囲からの信頼を取り戻すことができるのです。
もしこの方法をやってみて、それでも成功に繋がらないときには、素直に上司や同僚に尋ねてみましょう。「自分はこう考えてこう行動してみたけどうまくいかない、それはどうしてだと思う?」と謙虚に人に考えを求めることで、自分の考えのゆがみや足りない点を補足することができるでしょう。
失敗した時、それは挑戦のチャンス
失敗から立ち直り、成功へ繋げるために誰にでもできる6つの基本的なことを紹介しました。
行う順番で挙げましたが、人によって順番が逆になったり、何度も戻ったりを繰り返すと思います。
何度も失敗をし、これらの手順を繰り返すことで、失敗してもすぐ冷静に解決策を見出すことができるようになります。それが、ビジネスマンとしての成長、大きな仕事での成功の土台となります。
マイクロソフト社の創始者であるビル・ゲイツも「成功は良くない。賢い人たちは”間違ってはいけない”と挑戦しなくなる(Success is a lousy teacher. It seduces smart people into thinking they can’t lose.)」と述べています。
何度も立ち上がることができる者が最後に勝利をつかむことができるのです。
これを読んで、「失敗は怖くない」ことに気づいていただければ幸いです。
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あなたが失敗を乗り越え、楽しく仕事が出来ますように。