「昨日も3時間残業、そして今日も3時間残業……」
「毎日の残業で常に寝不足。疲れが取れない……」
「たまには残業せずに明るい時間に帰りたい……」
上司の命令だったり、あるいは職場全体が業務に追われていてとても帰れない。
8時間労働ならメリハリをつけて仕事に取り組めるはずなのに、+3時間の残業が加わると、やる気がガクンと低下してしまう……といったこともあるかもしれません。
やる気の低下で業務の効率がさらに悪くなり残業から抜け出せなくなくなる……。そんな状況になっているかもしれませんね。
こんな毎日のように続く3時間残業を乗り切るにはどうしたらいいのでしょうか? そして残業を削減するために、あなたができることあるのでしょうか?
毎日3時間の残業に苦しんでいるあなたのために解決の方法を紹介します。
[ INDEX ] この記事の目次
毎日なぜ3時間の残業が必要なのか?
最近では、人手不足による業務量の増加なども重なり、なかなか長時間労働が改善されない現状があります。
毎日3時間残業をしなければいけないのは、
・会社、職場、担当業務のルールでそう決められている
・上司より先に帰れない雰囲気の職場で上司がなかなか帰らないので帰れない
・自分の担当業務の処理が終わらない
……といったものがよくある理由です。
こうした状況で連日3時間の残業を解消するために何が必要でしょうか。次に具体的な対策を見ていきましょう。
3時間残業への対策
残業は必ず3時間で終了させる
毎日決まった残業時間が3時間であるならば、それ以上は決して増やさず必ず3時間で終了させるようにしましょう。
中途半端な気持ちで残業していると、3時間の残業時間ですら仕事が片付かず、さらに残業時間が延びてしまうことがあります。いったん伸びてしまった残業時間はそれが次の当たり前となってしまい、元に戻すことはさらに難しくなります。
毎日の残業時間が3時間と決まっているなら、必ず3時間以内で終了させるようにしましょう。
今日中に終わらせなければならない業務と、翌日に行っても大丈夫な業務を振り分け、今日中に終わらせなければならない業務にだけ集中することが基本です。
できることなら、残業に3時間もかけず、できる限り早く終わられることを心がけましょう。
仕事の時間と休憩時間のメリハリをつける
ダラダラと仕事をすると、終わるはずの仕事も終わらないことになりかねません。
仕事は集中して取り組むことで、作業のペースを速めることができます。
そして、休憩の時間は、しっかりと休憩しましょう。特に、残業が長くなる時ほど、十分な休憩を取ることが大切です。
仕事がデキる人ほど、オンとオフを切り替えながら仕事を進めています。やる時はやる、休む時は休む、という姿勢もまた大切です。
極力残業時間が発生しない計画を立てる
段取りを組む立場なら、極力残業時間が発生しないような計画を立てましょう。
毎日3時間の残業が続いていると「3時間の残業が当たり前」と感じてしまい、3時間の残業を見込んで作業計画を立てるようになってしまいます。
これでは終わるものも終わりません。
完全に残業をゼロにできなくても、「せめて3時間の残業を2時間で終わらせることはできないか」と考えるところからスタートしてみましょう。
作業に無駄はないか、効率を上げるためにはどうすれば良いか、前倒しでできる作業はないかなどと考えてみると、残業を減らす方法はいくらでもあるのです。
また、突発的な作業が発生すると、無駄な残業が発生しやすくなります。上司や周辺とのコミュニケーションを密にして、作業方法について事前に話し合っておくことも、作業の軽減につながります。
「作業は段取り八分」と言われています。「どうすれば残業を減らせるか」ということを考えながら、作業を進めていきましょう。
上司に提案してみる
自分が担当している作業を効率的に進められるアイデアがあれば、自分から進んで効率的に作業を進めてみるのも良いでしょう。そして、その方法が上手くいったら、上司に提案してみるのです。
必ずしもあなたが発案した考えが受け入れられるとは限りませんが、「残業を少しでも減らしたい」という思いを持って上司に伝える姿勢が大切です。
また、企業によっては、社員から「業務の改善提案」を募っている場合があります。そのような取り組みを行っている企業であれば、残業を減らすために積極的に提案してみるのも良いでしょう。
帰らない上司や同僚を無視する
上司が帰るまで付き合いで残業をしなければいけないという暗黙のルールが決まっているような困った職場があります。
そんな職場で自分だけ早く帰ったらどうなるのか心配かもしれませんが、案外なにも起こらないかもしれません。
それで同僚から何か言われたり、人事考課が低くなったりするかもしれませんが、それと自分の人生の貴重な時間とどちらが大事かをよく考えてみるといいでしょう。
あなたが早く帰ることで、だんだんと付き合い残業を放棄する人が増えてくる可能性もあります。
自分の担当している仕事が片付いていることをしっかり見えるようにアピールして早く帰ることで、職場を変えてみてはいかがでしょうか。
休日はしっかり休む
毎日残業が3時間であれば、休日はくたくたになっているはずです。休みの日は仕事から完全に離れて、しっかり休むようにしましょう。
家でぐっすりと寝て疲れを取るのも一つの方法ですが、外を見渡してみると、疲れを癒やすサービスはたくさんあります。例えば、マッサージルームに足を運んで、肩や足腰を十分にもみほぐしてもらうだけでも、心地良さを感じ、リフレッシュすることができます。
また、近くに日帰り入浴施設があれば、大きな浴槽に入りながらゆったり過ごすのも良いでしょう。都市部では健康ランドやスーパー銭湯が利用できるほか、郊外に足を運ぶと日帰り温泉施設が利用できます。
このように、少しお金をかけるだけで、十分に疲れやストレスを癒やすことができるのです。仕事一辺倒の生活から、気分転換をはかってみませんか。
長時間労働である分、残業代をしっかり稼いでおく
残業のメリットは残業代が稼げることです(ただしサービス残業でなければ……)。
毎日のように長時間残業を行っているのですから、残業代も十分に稼げるはずです。
仕事をしている時間が長ければ長いほど遊びに出かけることも少なくなり、お金を使う機会は少なくなるので、お金が貯まりやすくなります。
長い人生では、まとまったお金を必要とすることもあります。今はお金を稼ぐ時期を割り切って、仕事に打ち込むのも良いかもしれません。
残業が改善されないようであれば、転職の検討も
毎日の3時間残業の対策について、ここまでいろいろと見てきましたが、どんな対策を施しても、残業からは解放されないと感じた場合は、転職を検討するのも一つの方法となります。
毎日残業が3時間の会社に勤めていると、感覚が麻痺してしまい、残業するのが当たり前で全ての会社が残業しているようにも感じられるかもしれません。
しかしもちろんそんなことは決してなく、残業を最小限にとどめている会社もたくさんあるのです。
多くの求人票には「時間外労働時間」が記載されています。よほどの会社でなければ、現在の残業時間よりは少ない時間が記載されているはずです。
これも実態とかけ離れている場合があるので注意が必要ですが、一応の目安にはなります。

1か月あたり20時間の残業であれば、1日あたり1時間の残業です。これなら毎日3時間の残業と比べると、余裕を持って働くことができるのはないでしょうか。
仕事探しの基本は、「自分がやりたい仕事、自分に向いている仕事であるかどうか」ということです。転職を決めたら、そのことを踏まえながら仕事を探してみましょう。

3時間残業ってどんな状態?
法律から見る残業
そもそも毎日3時間の残業が続く状態は異常です。
労働基準法においては、1日の労働時間を8時間、週の労働時間を40時間と定めています。
そして、原則として残業は認められていません。
しかし、会社と労働組合が残業について協議する「36(さぶろく)協定」により、1カ月あたり45時間までであれば残業が認められています。
毎日3時間の残業をすると、1カ月あたりの残業時間はどうなるのでしょうか。
1カ月を30日間、休日数を8日とすると、勤務日数は22日となります。
毎日3時間の残業をすると、22×3=66となり、1か月の残業時間は66時間となります。
36協定の上限となる残業時間をオーバーしていますよね。これは労働基準法に違反した状態です。
(なお、この時間を超えても残業代は貰えます。泣き寝入りしないように、しっかり残業時間を自分で記録して請求することも大切です。)
平日にプライベートな時間が取りにくい
午前8時始業の場合、8時間労働だと途中に昼食休憩を1時間はさむことから終業時間は午後5時になります。
そこに3時間残業が加わると、仕事が終わるのは午後8時になってしまいます。
午後5時に仕事が終わると、まだまだ明るい時間なので仕事が終わっても気分的に余裕があります。しかし午後8時に仕事が終わるのでは、長い時間にわたって仕事をした後ということもあり、精神面でも体力的にもくたくたになってしまいます。
そこから帰宅して、夕食、お風呂。ゆっくりしたいけれど、夜更かしすると翌日の仕事に差し支えてしまうことから、夜は帰って寝るだけ、という生活になってしまう人が多いことでしょう。
平日にプライベートな時間を確保しにくいのが、3時間残業の悩みです。
疲れがなかなか取れない
3時間残業が毎日のように続くと、疲れがなかなか取れません。
8時間みっちりと働いただけでも相当な疲れを感じますが、さらに3時間延長して働くと疲労の度合いも相当でしょう。
睡眠時間も短く、リラックスする時間も持てないと、疲れが溜まっていきます。
水曜日や木曜日あたりになると、疲れから解放されたいために「早く土曜日にならないかな」と、つい考えてしまう人は多いはずです。
残業ありきなので、朝からやる気が起きにくい
毎日3時間の残業が当たり前のように続くと、朝からやる気が起きにくくなります。
例えば、午前8時から仕事が始まって、午後5時に仕事が終わると分かっていれば、集中して仕事に取り組むことができます。
が、午前8時から仕事が始まっても、残業ありきの職場だと仕事が終わるのは午後8時。
「これから12時間たたないと、仕事が終わらないのかよ!」と感じてしまうかもしれません。
「夜の残業に備えて、朝のうちは力を温存しておこう」と考えてしまう人も、少なからずいるかもしれませんね。
毎日の長時間残業は、作業効率の低下にもつながりかねません。
この先、会社でやっていけるのか自信が持てない
毎日3時間残業が続いて疲弊してくると、「この先も、同じ仕事をやっていけるか自信が持てない」と感じることもあるでしょう。
繁忙期の時期に3時間残業がたまにあるというということであれば、「今は、忙しい時期だから仕方がないな」と感じるかもしれません。
でも、毎日3時間残業が続くと「この会社にいる限り、ずっと3時間残業をしなければならないのだろうか?」と疑問に思うことになるでしょう。
毎日残業が続くと、気力だけではなく体力もなくなります。
休日に休むだけでは、疲れが回復しないこともあるでしょう。
「毎日、フラフラになりながら仕事をしなければならないのか・・・」と考えると、先が思いやられてしまいますね。
いつしか、3時間残業が当たり前に思えてしまう
「3時間の残業は長い」と感じる方が、むしろ普通の感覚です。
しかし、3時間が毎日続けば、いつしかそれが当たり前になってしまうことがあります。
3時間残業を苦に感じなくなり、仕事中は気が張っていて気付かなくても、仕事が終わると同時にどっと疲労を感じることがあります。
3時間残業は苦にならない、残業しなければ仕事が終わらない、と感じたりしている時こそ、客観的に物事を眺め「3時間残業は長過ぎる」ということを自分に言い聞かせましょう。
体調不良・心身の不調が発生することも
毎日3時間残業を続けると、1か月あたりの残業時間は70時間近くに達します。それだけ長い時間残業を続けていると、体調不良や心身の不調が発生することがあります。
「毎日の長時間残業で疲れたなぁ」と感じている間は、夜に早く寝たり、休日にたっぷり休んだりして疲れを回復することができます。
しかし、体調不良や心身の不調が発生しやすい時は、疲れてはいるけれど、無理を押して仕事を続けている時です。
顧客との約束を守るために、責任感を持って残業してまで仕事を完成させる姿勢も大切ですが、長時間労働で無理をしすぎ、体調不良や心身の不調が発生したら、元も子もありません。
さらに、長時間労働に過度のストレスが加わると、ますます体調不良や心身の不調が発生しやすくなります。
働き過ぎで体調をこわし、体力的、精神的な面から会社で働き続けることが不可能になって、退職していった人が、あなたのまわりにもいませんか?
人間は身体が資本です。働いて収入を得ることは大切なことですが、働くこと、収入を得ることよりも大切なことがある、ということを理解して、長時間の残業を防ぐことを心がけましょう。
作業の効率化など、できるところから改善を!
毎日3時間の残業となっている会社は、その状況がすっかり固定化しており、なかなか改善されにくいことが多いです。
当たり前になっていることを改善することは、とてもパワーを必要とします。
残業時間の短縮は、会社ぐるみで取り組むべき課題ですが、残業が改善されないようであれば、自分でできることから残業短縮に取り組むのも一つの方法です。
どうすれば、早く仕事を終えることができるか、どうすれば効率的な仕事ができるか、ということを常に考え続けてみましょう。「仕事は時間内に終わらせる」と言うことを常に意識しながら、日頃の業務に取り組むことが大切です。
残業の多い職場で働く女性の悩みについては、
→「女性が「残業辛い…」と感じたら。残業疲労度チェックで診断!残業のない生活へ」
過労については、
→「過労のサイン46コ。これを見つけたら危険な状態!」

あなたが毎日残業3時間という状況から早く抜け出せますように。