【入社1年目の退職ガイド】「もう辞めたい…」という人のための手順

厳しい就職活動を乗り越えて、希望を持って入った会社。

ですが、入ってみてから「こんなはずじゃなかった」と思うのは誰でもあることです。

「退職したい…」と思いながらも、「入社1年目での退職はマズい」「再就職や転職ができない」というウワサを聞いていると、なかなか踏み出せませんよね。

ですが、人事に関わる仕事をしてきた筆者の経験からいうと、たとえ入社1年目であっても「退職を決意してしまった方がいいケース」は確実にあります。

そのためこの記事では「ポジティブに退職を考えるため」のガイドとして、どのような人が退職すべきか、そして退職の前後にどう動くべきか、紹介していきます。


入社1年目でも、退職を決意した方が良いケースとは

1.明らかに体調が悪くなった

めまいがする、頭痛がする、吐き気がする、眠れない…などの体調不良に毎日悩んでいるようなら、すぐにでも退職に向けて動き出しましょう。

現代医学をもってしても、健康はお金で買えません。働くために体調を崩す、なんて本末転倒

「その程度は乗り越えるべき」なんてこともありません。

体調不良は、「もう耐えきれない」という体と心のサイン。その仕事や環境は、あなたにとってストレスしか与えてくれないということです。

もしもそのまま悪化していき、うつ病やストレス障害などを発症してしまえば、復帰までに数年単位で時間がかかります。

働けるようになっても、長期のブランクはどうしてもリスクとなってしまうでしょう。それなら、やり直しがきく今のうちに退職をして、新しくスタートをきった方が絶対に良いですよ。

2.『特定受給資格者』『特定理由離職者』の条件に当てはまる

失業保険という制度のことは、きっと聞いたことがありますよね。

なんらかの事情により会社を退職した人へ、次の就職先が決まるまでに生活費を確保しながら就職活動に専念できるようにハローワークから支給される手当です。

ですが、その実態についてはあまり知らないのではないでしょうか。

よく聞くのは、退職理由が「会社都合」と「自己都合」で支給されるかどうかが変わるという話。

たしかに、個人の都合で退職する場合は、1年以上雇用保険に加入していないと失業保険を受け取る権利が発生しません

ですが自分で退職を決めた場合であっても、雇用条件や労働環境に問題がある場合は会社都合での退職と同様の『特定受給資格者』、または『特定理由離職者』として認定されるのです。

この場合は、雇用保険の加入期間が6ヶ月以上あれば失業保険を受け取ることができるようになります。

パワハラ 退職 20代

<『特定受給資格者』の条件>
・倒産や事業所の廃止
・本人の責任(重大な問題を引き起こした等)によらない解雇
・労働契約締結の際の条件が、事実と著しく異なる
・賃金が支払われない、または大幅に低下した
・残業が多すぎる
・上司や同僚からの故意の排斥、著しい冷遇、嫌がらせ
 …など
<『特定理由離職者』の条件>
・体力不足、障害、疾病
・妊娠、出産、育児
・父母の看護
・通勤不可能、または困難
 …など

こうした環境は国から「退職もやむなし」とある意味でお墨付きをもらっているわけですから、そのまま働き続けるメリットはあまりないと言えるでしょう。

このなかでも、当てはまる方の多そうなケースについてもう少し詳しく説明します。

1)残業が多すぎる

「3ヶ月連続で45時間以上」「1ヶ月100時間以上」「2~6ヶ月の平均80時間以上」の残業が指示された場合は、健康障害が発生する可能性があるとされます。

また、試用期間中は基本的に残業が禁止されています。この間に残業を強制された場合も、企業側に問題があるとされます。

タイムカードを定時に押させて残業をさせるなど、サービス残業の強制もアウト。手帳やスマホに実際の退社時間をメモして、ハローワークに提出しましょう。

2)通勤できない、仕事を続けられない

これはあまり知られていないかもしれませんね。「仕事を続けられない理由」がある場合、「自己都合」にならないケースがあります。

上記で説明したような、極度の体調不良で仕事を続けられない場合は『特定理由離職者』として認められるのです。

また、親の介護のため退職する場合、結婚での引越しや配偶者の転勤で通勤できなくなった場合なども、その条件として定義されています。

3)パワハラやセクハラ

近年、ニュースになることも多いですよね。上司や同僚からの嫌がらせは、もちろん正当な退職理由となります。

怒鳴られたり、無視されたり、「転職すれば」「向いてない」といった言動もハラスメントとなりますので、我慢する必要はありません。

ただし、認定されるためには証拠も必要になりますのでご注意を。

労働組合(ユニオン)や会社の相談窓口でセクハラやパワハラに関する相談した履歴をつくり、レコーダーでの記録なども集めてハローワークへ提出できるようにしておきましょう。

4)労働環境に著しく問題がある

「仕事を教わる期間をほとんど与えられずに、現場を仕切る責任者の仕事を任される」といったケースも条件のひとつに数えられています。

また、就職サイトや募集要項、会社説明会での説明と異なる職種や勤務地へ配属された場合などでも認定されます。

給与や勤務時間が入社前の説明とはまったく違っていたり、仕事内容がコンプライアンス違反であったりする場合もあります。

こうした状況を入社後に知ったために「転職したい」というのは、ワガママなんかではないのです。

「自己都合だから」と思いこんだりはせずに、まずはハローワークに相談してみるのもいいでしょう。

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入社1年目での退職、できないワケは?

しかし、状況がここまで悪化していても、なかなか退職に踏み切れない人は多いです。

1.キャリアに不利?

入社してすぐに辞めるのは「辛抱がたりない」というレッテルを貼られてしまうと言われています。

たしかに、入社して3日で辞めるといった極端な例はあまり感心できませんね。

また、「石の上にも3年」ということわざになぞらえて、仕事も「3年は続けてみるべき」といわれていますね。

これは、3年ほど経てば会社や社会の仕組みを理解できるようになり、仕事上の人脈も構築され、自分の仕事の実績もできあがってくるため。

つまり、このくらいの時期で「ひとりだち」できるのです。社会人としてのコミュニケーションに慣れ、処世術も身につくため、これなら転職もスムーズに進めやすくなります。

とはいえ、キャリア像や環境面で「将来も続けられるか」という点は、入社して半年も働けばある程度はわかってきますよね。

その上で「辞めた方がいい」という判断はアリです。

「まっさらな人材を採用したい」と第二新卒枠を設けて募集している企業もあります。失業保険の給付対象にもなるため、半年くらいを最初の目安にすると良いでしょう。

2.せっかく入ったのに、もったいない

入社した会社がいわゆる大手企業や有名な会社であれば、周りから「辞めない方が良い」と言われることはまちがいありません。

実際、「あんなに就活を頑張ったのに…もう就職活動なんかしたくない!」と思っている人も多いはず。

第二新卒枠があったとして、同じような大企業・一流企業・優良企業にまた入社できるかといえば、それはわかりません。

ただ、それはこれまでに支払った労力とコスト、いわゆる「サンクコスト」にとらわれているだけという見方もあります。

そのままがんばったところでプラスにならない、それどころか体を壊してしまうようなマイナスの状況になるようであれば、それこそ「もったいない」ですよね。

3.周りの目が気になる

自分自身の気持ちよりも、実は周囲からの意見に振り回されているかもしれません。

「ワガママだと思われる」「早々にトラブルを起こしたのではないかと思われる」「我慢が足りないと思われる」…などなど。

これは結局、他人の意見です。

自分がどうしたいのか、どう生きたいのかをじっくり考えてみましょう。

胸を張って「こう生きるために退職する」「こんな仕事がしたいから転職する」と言うことができるのであれば、他人に振り回されることなんてありません。

4.同期とのつながりがなくなる

ここで迷っている方も多いようです。

同期 入社1年目 新卒

近年は内定者フォローに力を入れている企業も増え、内定した時点から内定者のための研修やSNS、懇親会で同期と親睦を深めるように働きかけています。

一番間近で一緒にがんばってきた同期に、「会社を辞めたい」とは相談しにくいですよね。

転職先でも同期ができることはめったにありませんから、やはり同じ経験を共有してきた存在は貴重です。

とはいえ、「つながりを絶ちたくない」と思える同期たちなら、相談にも親身になってのってくれるはず。

「気持ちがわかる」という人がいるかもしれませんし、自分では思いがけない方向で悩みを解決できる視点を与えてくれるかもしれません。

最初は、「入社して3年未満で辞める人が多いっていうけど、どう思う?」と世間一般論として聞いてみるのもいかがでしょうか。

入社1年目だけど退職したい、そのためにやるべきこと

1.生活費を確保する

転職活動は在職中から始めるのが一般的ですが、入社1年目では研修などに時間をとられますし、なかなか難しいですよね。

どうしても、退職してからの就職活動になってしまうリスクは考えておく必要があります。

まず頼りになるのは、先ほども説明した失業保険。自分が受け取れる対象となるかどうかは、きちんと確認しておきましょう。

特に1人暮らしをしている人は、家賃、食費、光熱費といった当面の生活費を試算しておくことが重要。

どのくらいの期間を転職活動にあてられるのか、“つなぎ”になるアルバイトが身近にないか、といった点にも気を配りましょう。

2.転職エージェントに登録する

まだまだ社会人としては不慣れな1年目、1人で転職活動を行なうのは難しいものです。

なぜなら、転職活動は新卒の就職活動とでは感覚がまったく異なるのです。

その代表例が、履歴書とともに必要となる職務経歴書。仕事としての実績がなく、半年程度で退職したとなると何を書いていいのかわかりませんよね。

そこで、第二新卒に強い転職エージェントへ登録し、転職アドバイザーにノウハウをレクチャーしてもらうことが一番確実な近道。

転職エージェントは求人サイトに掲載されていない非公開案件も持っていますし、本来は第二新卒向けではない求人でも応募できるように交渉してくれることもあります。

マイナビエージェントは、特に20代の若い転職者達に人気が高いエージェントですが、その理由としては、

・内定まで徹底サポート
・転職経験を持つキャリアアドバイザー
・関東圏、近畿圏のUターン、Iターン転職にも対応している

ことがあげられます。

>>>第二新卒・20代専門の転職ならマイナビジョブ20’s

退職 転職エージェント

3.今後やりたいことを整理する

退職する前に、転職後のイメージもつくっておきましょう。

今の仕事を経験したうえで、今後も同業界同職種で働き続けていくのか、別の分野へキャリアチェンジをするのか、といった方針を決めなければ転職はうまくいきません。

下記のようなステップを踏んでいくと、転職先を決めるための条件が整理しやすくなるでしょう。

<今の会社に応募した動機を思い出す>
他の会社から内定をもらえず仕方なく応募したのであれば、新しい選択肢を考えた方が良いでしょう。あこがれた仕事だったのであれば、同じ業界ですよね。ただし、「仕事そのものがイメージと違った」というのであれば会社を変えても意味がないかもしれませんのでご注意を。

<入社後の不満・不安を洗い出す>
研修内容、人間関係、仕事内容、会社環境…など、「今回の就職でなににつまずいたのか」を考えていきます。これを解消できることが、転職先を選ぶうえでの第一の条件になります。

<どんな会社なら不満を解消できるか考える>
アットホームな職場かドライな人間関係か、黙々と仕事できる環境、専門的なスキルの習得、給与や待遇面…などの条件を具体的に考えてみます。また転職を繰り返さないためにも、キャリアプランはもちろん、ライフステージの変化もあわせてイメージしておきましょう。

こうして今の会社が合わなかった理由と今後希望する環境や職種を明確にできれば、転職エージェントに相談したときにもスムーズにミスマッチのない転職先を紹介してもらえますよ。

4.ポジティブな退職理由を考える

転職活動の際に、退職理由は必ず質問されます。短期間での退職の場合は、なおさらです。

たとえ事実であっても「仕事が合わなかった」「職場内でのハラスメントがあった」といった不満だけでは、企業側の「またすぐに転職してしまうのでは?」という疑念の払しょくできません。

だからといって、ウソをつくのもまたミスマッチの原因につながります。あくまでも事実をベースに、「ポジティブに言い換える」ことを意識しましょう。

いくつか例をあげてみますので、参考にしてみてください。

・社長がワンマンで、方針がコロコロと変わっていた。
→短期間で様々な仕事内容を経験させてもらえました。そのなかで、この仕事にじっくり取り組みたいと思えるものがあったのです。この仕事に集中するため、転職を決意しました。

・人間関係が悪かった。
→前職は個人個人で競い合う環境だったため、チームで仕事に取り組む機会がありませんでした。チームワークにより、一人では達成できない成果をあげる経験を得るため、転職したいと考えました。

・激務で体調を崩してしまった。
→仕事に没頭するあまりに体調を崩し、退職せざるを得ませんでした。今は、すでに回復したと医師からも診断されていますので業務には差し支えありません。また自分の限界も把握できたので、これからは自己管理を徹底し長くキャリアを築いていくことができます。

こうして「明るい将来」につながるイメージをもつことで、転職活動や復帰後の仕事へのモチベーションも上がりますよ。


1年目の退職でも、準備を整えてからなら怖くない。

入社1年目での退職は、なかなか決断できないと思います。また、周りに納得してもらわなければならないケースもあるでしょう。

だからこそ、社会人になってみてから改めて、自分が今後どのように生きたいと思ったのかを明確にすることが大切。その気持ちがしっかりと定まっていれば、転職もスムーズになります。

第二新卒枠もありますし、「退職してしまったら終わり」なんてことはありません

将来のためには、早めに退職してしまった方が良いケースだってあるのです。

とはいえ、勢い任せだけの退職にはリスクがあるのも確か。将来に目を向けて、準備をしっかりと整えていきましょう。

第二新卒として転職を成功させるポイントは? 長く厳しい就活戦線を乗り切ってせっかく入った会社ですが…、他に入りたい会社があった、別の業界が...

あなたが退職を決意したならば、早く新しい仕事で働けますように。