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人事異動の決定方法は?誰がどう決めている?【裏側編】

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人事異動の決定の裏側

人事異動の基本は、会社なら必ずある人事セクション(人事部、総務部人事課、人事グループなど)が取り仕切るのが一般的です。

しかし、企業の根幹たるヒト・モノ・カネのうちでも筆頭の「人」に関わる重要事項。さらに個人個人の都合というものは、その人それぞれの人生にまで関わることです。

そうなると、いろいろな力関係や思惑が入り乱れ、実際には人事セクションが描く基本ストーリーとは違った流れになるというのも事実です。

「人事異動の決定方法は?誰がどう決めている?【裏側編】」ではこの辺りに焦点を当て、具体的な「力関係」や「思惑」を紹介していきましょう。

【表向き編】で登場したAさん、Bさん、Cさんにもう一度登場してもらって、彼らの異動にどんな力関係や思惑があったのか解説します。

読者が知っておくと人事異動の捉え方が変わるのと同時に、自分自身の社内での振る舞い方も変わってくるかもしれません…。

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人事異動を決定する力関係 Aさんの場合

1.引力の関係

まず、「力関係」の代表的なものが、「引力」です。平たく言うと、「引っ張る」「引っ張られる」という力関係です。

「私は、今の部長に引っ張ってもらってこの部署に来た。」とか、「君を引っ張ったのは私だ。」なんていう、あの「引っ張る」です。(あまり公言するものではないのですが・・・。)

さて、ある企画部門が、来年度スタートする海外進出プロジェクトで営業経験のある中堅社員をどうしてもほしいというニーズがあったとします。

そこで、社内を物色すると現在営業部で6年目に入ったA君がいて、彼の経験と力量なら新プロジェクトのメンバーにぴったりかもしれないと目を付けます。(以下、参考で【表向き編】をご覧下さい。)

ここで思いつくのが、「彼をなんとか当部に『引っ張って』これないか」というアイデアです。

このアイデアは、人事部から来年度の人事異動について自部門のヒヤリングがあった時、以下のように人事部へ伝えられます。

(剛腕の企画部の責任者なら、人事部を通さず、営業部の部長は昔部下として可愛がってやった中なので直接交渉をする…といったこともあります)

「今度の海外進出プロジェクトでは、企画部はどんな人材を望んでおられますか?」

「そうですね、何より営業経験があり、ヤル気溢れる30代の若手がイイですね。なんと言っても当社の社運をかけたプロジェクトですから。たとえば、営業部にいる○○君のような人材ですね。」

(最後の具体的な名前は、聞かれてから答えるか聞く前に答えるかはタイミングによります。)

2.根回しをする力

知らないうちに指名されていたAさんですが、本当に知らなかったのでしょうか。

そう言えば、Aさんの異動の自己申告は「企画部希望」でしたが偶然でしょうか。

本人は企画部を希望している、企画部はAさん引っ張ろうとしている。

人事部は、会社方針で海外進出プロジェクトがあって、創業50年目の節目もあり若手登用を考えている・・・。

あとは、Aさんを異動させたくないと思っている営業部さえ説得すれば万事うまくいく。なんだか出来過ぎですよね。

しかし、誰かがこのシナリオを描いていたとしたらどうでしょう。

たとえば、、企画部の責任者がプロジェクトメンバーとして営業部のAさんに目を付けた時、

「そういえば、A君は確かウチの部門のW主任と同期(同窓)で親しいらしいけど、A君がどこを希望しているのか一度当たらせたらどう?」
と探りを入れます。

W主任は早速Aさんを食事に誘い、人事異動の話題を出します。

そして、Aさんが営業部でもう6年目になり、そろそろ異動をしたがっているという情報を聞いて、こっそりと海外進出プロジェクトの話があることをほのめかしてあげます。

それを聞いたAさんは、今年の異動の自己申告書で「企画部を希望」と書きました。

…さあ、いかがでしょうか。まんまと「引っ張られる」状態になったわけです。

これを称して「根回し」と言います。

「引力」の次は、この「根回し力」を使って、企画部の責任者、Aさん本人、会社(人事の方針)の3者を繋いでいきます。

3.人事部の「引き抜く力」と「はめ込む力」

さて、仕上げは「人事部の力」です。

本人の希望とはいえ、営業力のある若手のAさんを引き抜くわけですから、所属の営業部にはそれなりの説得力が必要です。

「Aさんは本人も希望していることもあり、どうしても営業部から異動させたいと考えています。しかし、それで営業部の営業力が落ちると何にもなりませんので、Aさんの後釜には、業務推進部にいるEさんを考えています。

ご存知のように、Eさんは5年前に営業部からジョブローテーションで異動したのですが、会社の中枢スタッフ業務をこなし、ひと回り成長しています。職階も課長として営業部へのリターンを考えています。マネジメント力には定評があり、総合的な力量はA君の比ではありません。」

しかし、業務推進部はなぜEさんを手放したのでしょうか。

もちろん人事部は、Eさん自身もEさんの上司も、ともに異動希望であるという情報を持っています。

また、Eさんの担当していた新規市場開拓という特命事項は、来春には一定の成果を出し当面の役割は終了するという事情を人事部は把握していたの「引き抜く」のは簡単と踏んでいたのです。

これが「引き抜く力」と「はめ込む力」です。

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人事異動の決定権 Bさんの場合

1.直属上司の力関係

ところで、経理部で2年間頑張っているBさんですが、本人の現状希望とは反対に直属上司は異動の判断をしています。

普通は、上司の意向を尊重し異動させる場合が多いのですが、結局Bさんの異動はなく、経理部にとどまることになりました。

この理由は、上司の上司である部門責任者が現状維持という判断をしたことが大きいのですが、「上司の力」について疑問があったのが大きな理由となりました。

つまり、マネジメント力に疑問のある上司の下す異動判断は、あまり信用されないということです。

部門責任者と人事部の現職維持の判断の裏には、Bさんの目立たない努力タイプを買っていました。実際、頼まれたら断れずに最後までやり抜く粘り強さは誰もが認めています。

ただBさんは、次から次へ強引に仕事を言われた時、誰でもそうですがオーバーフローしてしまうことがよくありました。

その結果、Bさんはミスが多くなったのですが、実際は、Bさん以外の社員の手が空いているにもかかわらず集中的にBさんに仕事を与えていたのです。

Bさんの上司は、全体を見ず、頼みやすいところに集中的に仕事を振るタイプだったのです。

今回の人事ヒヤリングで、Bさんの上司のマネジメント能力不足が明らかになりました。

特段、悪い人ではないのですが、管理職より専門職の方が向いているのかもしれません。結果、Bさんの上司は経理部から部外へ異動することとなりました。

2.本人の努力する力

もう一点、Bさんが経理部にとどまることになった理由は、Bさんは自己啓発に余念がなかったということです。

会計係の仕事に必要な簿記の資格を取ろうと頑張っていたということです。

比較的簡単な簿記3級はすでに取得済で、現在、2級を目指しているということを人事部は知っていました。

これは自己申告書の欄には異動希望の有無や、異動希望の場合の希望部門を書く欄がある他、多くの場合、現在の保持資格や技能を書く欄があります。

Bさんは経理部会計係の社員としてしっかりと保有資格と将来の目標も書いていたのです。

この努力内容を直属上司が知っていたのかどうかはなはだ疑問です。

もし知っていならそれを無視して、わずか2年ぐらいで異動させてしまうことはありえないからです。

これが、人事異動に影響する「本人の努力する力」です。

人事異動の裏側 Cさんの場合

1.よくない評判=マイナスの力

ところで、取引先との癒着疑惑のあったCさんはその後どうなったでしょうか?

人事部は購買部責任者に、Cさんに関するヒヤリングをしていますが、結果はグレーでした。

Cさんのお酒好きは評判で、購買部の主要購買先の担当者に誘われ、部下の女性を連れてとよく飲みに行っていたという情報を人事部は持っています。

しかし、だからと言って同業他社で問題になった談合と同様のことが自社にあったかどうかは不明です。

購買部の責任者もそこまでわからない様子です。

ただ、市況による購買価格のアップダウンはあるとはいえ、市況とは別に購買価格がここ数年上がっており、そこは部門責任者も反省しているようです。

結局、Cさんは異動になりましたが、異動に反対していた部門責任者はあまり抵抗しませんでした。

もとろん疑わしくは罰せずですが、ベテランのCさんはベテランが故に仕事も余裕で、いくら専門性が高い仕事であっても10年を一区切りとして異動対象として、大きな事故が発生しないうちに手を打っておくということは十分考えられます。

2.事故を未然に防ぐ人事の力

Cさんはどちらかといえば親分肌的なところがありました。気に入られた部下はついてくるのですが、辛気臭い部下には結構キツイ言葉でいうものだから、嫌われている節もありました。

「お前は・・・」という呼び方に抵抗を覚えた若い女性部下が、あれはパワハラにはならないのでしょうか?と相談されていた人事部員がいました。

また、酒席での振る舞いが、セクハラすれすれであるとか、飲み会に誘うのはいつも決まった女性なのには閉口しているという情報もあります。

出身大学に誇りを持っているのはいいのですが、同窓の部下をかわいがる癖があって、そうでない部下はしらけていました。

さて、これらはいずれも社内の風聞的にはよくない内容のものばかりです。

特に、セクハラやパワハラは部下がたまりかねて、社外の駆け込みホットラインへ相談したとなると、それは単なる1個人の問題だけでなく、会社全体の組織風土も疑われることになり、大問題となります。

人事部的には、コンプライアンス順守は必須であり、事故を未然に防ぐために人事異動で先に手を打っておくというのはよくある話です。

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納得いかない人事異動に巻き込まれないために

このように、人事異動はさまざまな観点や視点、また立場立場の事情の中で実施されて行きます。

いい話もあれば、あまり聞きたくないような話もあるのですが、会社生活を送るうえでは避けて通れないのが人事異動です。

変な人事異動に巻き込まれないためには、多面的にいろいろな方向から見て、社内での立ち回りに注意しておくことが必要かもしれません。

納得いかない人事異動を命ぜられたら・・・
人事異動が拒否できるケースとは? 理由なく断ったら…?

会社はそもそも何のために人事異動を行うのでしょうか?
人事異動の目的は? 会社はあなたに何を求めてる?

異動願いの書き方については、
異動願いの書き方と提出方法。ベストなタイミングと宛先は?

人事異動の裏側を知って、あなたがうまく立ち回れますように。

人事異動の基本の決定の流れについては、
>>>人事異動の決定方法は?誰がどう決めている?【表向き編】

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