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人事異動の決定方法は?誰がどう決めている?【表向き編】

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人事異動の決定方法

人事異動」・・・この言葉は、サラリーマンにとって本当に悲喜こもごもの意味を持っています。

「人事評価」や「人事査定」もサラリーマンである以上避けて通れませんが、人事異動はそれらと会社の方針や他の従業員の状況などを総合的に判断して、新たな部署への配置替えや進級・昇格(場合によっては降格?)を命じる言葉で、会社員人生に大きな影響を与えます。

そんな人事異動ですが、ではいったいどこで誰がどのようにして決めているのでしょうか。

人事異動の決定権や決定の時期はどうなっているのでしょうか?

これは、一般の社員にとってはブラックボックスですよね。

ここでハッキリいってしまえば、人事部(人事担当)の果たす役割が大きいのですが、しかし、そこにはいろいろな事情が働き、あなた(本人)が知らないところで粛々と決められていきます。

人事異動がどう行われているのか、基本的な流れをみていきましょう。

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人事異動は会社にとってプラスかどうかで決められている

人事異動はどうやって決められていくのでしょうか?

基本は人事部を中心にして人事異動は進められます。

会社によって、また会社規模によって人事部(係)、総務部人事課、人事グループなど呼称はまちまちですが、人事異動を“取り仕切る”セクションが必ずあります。

そうでないと、個人の異動に関して社員自身の意見はもとより、上司の意見、各部門の要求、会社の方向性などが交錯し、どれをとっても事情はバラバラで、まとまる話はひとつもありません。

(あるとすれば、中小企業のカリスマ社長がすべて自分で決めるぐらいでしょうか。)

現場の社員一人ひとりの個人的な希望では、あちらの職場が楽しそう、やりがいがありそう、出世したい、給与を上げてほしい、と勝手に考えています。

あなたも人事考課の時など、異動を希望するしないの用紙を提出しているかと思いますが、これはあくまで自分の都合や希望です。

上司の立場からすれば、自分の仕事がはかどるためには優秀な部下が欲しいし、部門全体も業績があがるためにもっとスキルの高い人材がほしいと考えます。

上司は上司で、こうした要望を人事セクションに提出しています。

中には、今自分の下にいる部下はこの仕事に向いていない、注意しても言うことを聞かない、だからどこかへ異動させてほしいといったように、自分の手腕は横に置いておいて、勝手に異動させて放り出すことしか考えない上司もいます。

そうした、個人個人のいわば、わがままな事情や意見を調整するのが人事部なわけです。

そこで、人事異動の基本は会社全体にとってプラスになるための“適材適所”を考えるのが普通です。

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人事異動の決め方、決める人は?

人事異動は誰が決めるの?

・・・という質問に対する答えとしては「いろいろな意見・希望を調整したのち、人事部が案を作り幹部の承認をもらって決める。」というのが答えです。

でもこれだと、もうひとつピンと来ませんよね。そこで具体例をあげてわかりやすく整理してみましょう。

<人事異動を決める要素>

①社員個人の希望

②上司の意見

③本人が所属する部門長の意見

 (以上は、それぞれの自己申告書)

④人事考課表

(期間中の本人の仕事実績と上位者の評価)

⑤人事部の意見と調整

現場からの自己申告書を鵜呑みにするだけでなく、人事部自らが持っている個人情報や職場に関する情報に照らし合わせる

⑥会社の方向性や人事方針

 人事部も会社のひとつの部門であり、会社全体や経営幹部が要求している人事異動の方針を念頭において調整が行われる

・・・となっています。

では、さらにどんな流れでそれが行われるかを見てみましょう。

<人事異動へのステップ>

まずは、異動時期に照準を合わせて①~④を集めます。

集まったデータを個人ごとに整理し、

⑥会社の方向性・人事方針
を加味しながら、

⑤の人事部意見・評価を行います。

つまり、本人や部署の希望を聞き、本人の能力・適正・成績などを見て、会社の方針にそって、人事部が調整する。

・・・ということになります。

人事異動の決め方の具体例

これを以下、具体的な事例で紹介しましょう。

尚、本年度の会社の方向性・人事方針は次の3点とします。

・来年度、会社は創業50年目になり、これを契機に次世代の人材育成を進める計画である。
特に、30歳前後の社員に焦点をあて、若手登用を進める。

・来年秋に念願の海外進出の計画があり、企画部にプロジェクトを設置する予定である。

・創業以来順調に業績を伸ばしてきたが、同業他社で談合的な不祥事が発覚し問題になっており、ここで気を引き締め、取引先との付き合い方を見直すなどコンプライアンス経営を徹底していく。

・・・これを元に個人の希望や部署の要望などを加味して調整が行われます。

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人事異動案 Aさんの場合

①本人 : 入社6年目。営業部顧客開発担当3年。異動希望で企画部を希望。
②上司 : 営業部になくてはならない中心的存在であり現職希望。
③部門 :   同 上
④考課表: 法人担当3年、現職3年合計6年目で、顧客の評判も抜群でいずれも好成績を残している。
⑤人事部: 入社以来、営業部門一筋で6年経過。同期の中でも優秀で、新人研修のメンター役でも活躍。入社以来営業経験だけなので、そろそろ違うセクションでジョブローテーションをさせたい。

<調整ポイント>

Aさん自身は現職から異動したいと思っているのですが、上司も部門責任者も異動させたくないと思っています。

普通なら、上司もそのまた上司も自分のことを気に入ってくれているのだから、そのままそこにいて可愛がってもらったらいいようなものですよね。

また、人事考課表や人事部情報もいい評価で、これから営業部の中枢になるかもしれない人物と伺えます。

しかし、その結果、現状維持となったら一番納得がいかないのは本人かもしれません。

会社に入った以上、様々なポストを経験して幅を広げたい、可能性を広げたいと思っているのに、もしかしたらこのままずっと営業部に居続けることになるかもしれないと思い、ヤル気をなくしてしまったら逆に会社の損失です。

<人事部案を部門へフィードバック>

営業部ではAさんを異動させたくないようですが、人事部としては優秀な彼を若いうちに他の部門にジョブローテーションさせておきたいと考えています。

特に来年度は、創業50周年を機会に海外進出を考えており、企画部にプロジェクトを作る計画があるのですが、そこで彼の営業経験も生かして活躍させたいのですがどうでしょうか?

 


・・・ここで、異動を希望していない別の人の場合をあわせて見てみましょう。

人事異動案 Bさんの場合

①本人 : 入社2年目。経理部会計係所属。現職希望。
②上司 : 現職に不向きのため異動希望。
③部門 : 現職で能力開発を目指させるため現職継続と判断。
④考課表: ミスが多い。注意すれば素直に認める素直さはあり、少しずつ改善している。
⑤人事部: 経理部の労務構成はベテランが多く、その中でBさんは少ない若手でありじっくり育てたい。会計チームリーダーの評判が悪く、チームワークに問題があるという報告が上がってきている。

<調整ポイント>

Bさん本人は経理部2年目で現職希望です。もっと経理の仕事を深めていきたいと思っているようです。

直属の上司としては、Bさんはミスが多く、異動させたいようですがその上の部門責任者は現状維持を望んでいます。

上司とその上の上司の意見が一致しないというのはちょっと珍しいですね。

本人のことを最もよく知っているのは直属上司なので、普通はその意見に合わすものですが、なにかあるのでしょうか。

人事部情報で気になるのが、Bさんの上司に当たる経理部リームリーダーの評判が悪いということと、経理部には若手が少ないということです。

もうひとつここには書いていませんが、人事部は会計チームリーダーの考課表を持っているということです。

この会計チームリーダーの査定をつけるその上の上司がチームリーダーを「異動させたい」とか「リーダー不適」と評価していたらどうでしょう。

そうであれば、そのチームリーダーのつける部下の評価はあまり信用できません。

Bさんのミスが多いのは、チームリーダーの指導不足によるものかもという可能性があります。

<人事部案を部門へフィードバック>

Bさんの評価は会計チームリーダーによるとあまり良くなくて、異動させたいようですが、チームリーダーそのものにあまり管理能力がないようで、他の部下からの評判も悪いと聞きます。

来年度は若手の育成を方針にしていますが、特に経理部は若手が少ないので、彼(彼女)はそのまま留まって能力発揮につとめてもらいますが、それでいいでしょうか。

 


・・・さらに、もう一人の場合をあわせて見てみます。

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人事異動案 Cさんの場合

①本人 : 購買部10年目のベテラン。現職が一番自分に適していると現状希望。
②上司 : ベテランである。現職維持。
③部門 :  同 上
④考課表: 安定的に成果を上げており、業務も無難にこなしている。特に取引先の評判がいい。職場の協調性も悪くない。
⑤人事部: 購買部で長年、資材の安定的な調達に努力しているが最近調達価格が上がり続けていて、経費効率が悪いところがある。

<調整ポイント>

本人も、上司も部門もCさんには満足し、このまま現状維持とすればいいかもしれません。

しかし、人事部が持っているコメントが気になります。「調達価格が上がり続けている」ということと「経費効率が悪い」という2点です。

Cさんが所属する購買部のように、会社経費でモノを購入するセクションは、取引先との正当な取引が重要です。

いわゆる妥協や馴れ合いがあってはいけません。調達価格が上がることと、経費効率の悪いことが妥協や馴れ合いの結果かどうかはわかりませんが要注意です。

しかし、冒頭の会社の方向性や人事方針を見てみると、同業他社の不祥事にからめて「取引先との付き合い方の見直し」とあります。

購買部のCさんが、長年のベテランでこの見直し策に該当するかどうか、それはもっと詰めてみないとわかりませんが、「もしかしたら」という疑念は人事の得意なところだし、上司も部門もいい評価をしているのは「職場ぐるみ」と勘繰ることもできます。

<人事部案を部門へフィードバック>

Cさん自身は現職を希望、そして上司も部門管理者も異動させたくないということですが、購買部は最近、調達価格が上がり続けており、経費効率も悪く担当責任者のCさんが変わることによって業務改善が図れると考えています。

また、同業他社の不祥事が発覚したことで、経営側としてはなんらかの手を打ったところを見せたいという思惑もあります。

購買部は長く勤務すると取引先との関係が深まり、事故につながるといけないので、10年目を一つの節目として、彼(彼女)については異動させよう思います。

会社全体の部門で人事をシャッフル

さて、このように人事セクションからの提案を受けた部門責任者は、YESあるいはNOで返事をします。

でも実はこれは人事異動の第1ラウンドです。

Bさんのように「異動させない」という案になった時は何も起こらないわけなのでそれで人事異動の案件としては終了です。

しかし、AさんやCさんのように「異動させる」となった時、当然、「異動先」と「代わりの人材」が問題となります。

ここから第2ラウンドがスタートします。

どこの部門もそうですが、異動させる(出す)のはある意味簡単ですが、その代わりに欲しい(入れる)人材にはたくさんのリクエスト項目が付いてきます。

「Aさんは当営業部の中核であった。彼の年間の獲得営業数字は〇〇だったので、代わりの人材はこれをカバーしてくれるバイタリティのある人がほしい。未経験者だと勤まらない。」

「Cさんのようなベテランはなかなかいない。代わりの人は、取引先との交渉力のある人で原価管理ができる人がいい。数字に強くて数値マネジメントに長けている人を望む。」

仮に、各部門から異動する(出す)と決まった人が20人あったとします。

同時に20人のポストが空席になったわけですから、ここへ部門の要望を満たす人材をはめ込んでいくことになります。

イメージとしては、トランプのシャッフルのように20枚のカードから、もっとも適した空ポストへカードを1枚1枚切っていくことになります。

要求通りの人材になることもあれば、もう一度会社全体を見渡し人事部なりにどこかの部門から適任者を引き抜いてくる場合もあります。

また、場合によっては要望されるタイプとは異なる人材をはめ込むこともあります。

人事異動はスンナリとは決まらない

人事異動は、本人からすれば一度は提出した希望ですが、希望通り進むこともあれば、本人の意志とはまったく関係なく決められていく場合もあります。

社員数が多くなればなるほど、ここまで述べてきたようなプロセスの中で個人の希望が聞き入れられることは難しくなります。

人事異動の希望を出していた場合、現部署に留まる希望で出していた場合、いずれにしてもあとは任せるしかない状況です。

本人としてはたまったものではなのですが、第三者からみて面白いのはこれまで述べてきた人事異動の基本決定プロセスに加えて、なんとも人間的な「好き・嫌い」「人脈・学閥」「世話になった・世話をした」が人事異動に影響することがあるということです。

噂やガセネタが飛び交うのは、人事異動にはこんな人間的な側面があるのと、さらには日本的経営の特徴である“根回し”が横行して、“一筋縄ではいかない”人事異動になっているからと言えます。

これについては、続編で紹介し、その中での“立ち回り方”にも触れたいと思います。

 

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